表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
橙の帷と消えた国  作者: T.M
20/31

第2章 アルヴァ塔 9

アルヴァ 9


次の許可日まで、まだ日にちがあった。


アルヴァの中にも少しだけ外の空気が入ってきた気がする。


談話室では、街で見た話をする少女達が増えた。

新しい店

市場

お菓子屋

そんな話をユラは離れた場所で聞いていた。


「行かないのか?」

ログだった。いつの間に来たのか気がつかなかった。

ユラは読んでいた本を閉じながら

「何処に?」「市街」「別に」

ログが向かいに座る。

「地下街」

「………」

周りのざわめきだけが続く。

「会いたいなら行けば?」

「………」

「止めねぇよ」

ユラは俯く。

会いたい。


会った後、どうなるかわからない。

地下街に戻りたくなるかも知れない。


「ヴィク生きてるだろ、多分」

「多分なんだ」

「地下街だからな」

適当だ。

なんとなく安心する。


ログは椅子に深く座り直す。

「帰る場所って、変わるからな」

「前の場所に戻っても同じとは限らねぇ」

何も返せなかった。


地下街は温かかった。

あそこに行けばまた、前に戻れる気もした。

ログが立ち上がる。

「まぁ、急がなくていい」

それだけ言って出ていく。煙草の臭いだけが残った。


帰りたい場所


帰れる場所


その違いを考えるともやもやした。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ