第6話
LHRが終わって下校時間になった。
誰も話しかけてこないため1人寂しく下校の準備をしていると教室の扉から恐らく先輩達であろう、ヒョロヒョロのなんちゃって不良みたいな奴らが教室を覗いている。
教室がかすかな緊張感につつまれる。俺の知り合いじゃないですよ、となぜか主張したい気分になってきた。
この状況になんとなく理由は想像がつく。
始業式終わりに、新入生にすげえ美少女達がいるみたいな噂を聞きつけて来たんだろう。気持ちは分かる。俺だって見に行きたくなるもん。
不良にもなりきれてない奴らなので、仮称でフリオとする。
美少女ちゃん達がフリオ達に絡まれたところを俺が颯爽と助けてやって、好感度稼ごうかな。どうせ主人公くんだとワンパンで終わるし。とか思って見てるとなぜかフリオ達が俺の方を見ている。
「何見てんだよ」
身の程知らずのアホが因縁つけてきた。
椅子に座って帰り支度をしながら見てたため、俺の脅威度を勘違いしたんだろう。目付きの問題でガン付けてるって思われたか?目立つ赤髪で不良っぽい俺に上下関係を覚えさせようってか?この高校にもこういう奴っているんだな。
こんな進学校で入学早々暴力事件を起こすわけにはいかないが、ナメられるのはもっとダメだ。既にちょっとイライラしている割と短気な俺だ。
とりあえず黙って席を立つ。長身とバキバキの体にやっと気付いたんだろう。絡んできたフリオの顔がやべぇ、と歪んだ。そのまま近づいてキスができるくらいまで顔を寄せてやる。周りの仲間のフリオ達もなんかおろおろしている。
「お前こそ何俺の視界に入ってんだよ、イジメるぞコラ」
こんな感じか?こいつにイジメられたら高校生活終わりそうって外見してるのを自覚してるからちょっと脅してみる。金的されないようにだけ警戒しながらじっとフリオくんの顔を見ていると、ボソボソっとなにか「スミマセン」みたいなことを言いながら脱兎の如く逃げていった。
かくして村の平和は守られた。いいとこ見せちゃったかな?嘘松構文みたいに拍手喝采おきちゃう?とか思いながら振り向くとクラスメイト達はサッと目を伏せた。フリオ達が来た時の何倍もの緊張感が教室に漂っている。まるで俺が目バキバキでナイフをもった無敵の人みたいな扱いでちょっとショックだ。
どうやら刺激が強かったらしい。自己紹介の分が完全に帳消しだ。むしろマイナスいったわこれ。はぁ、まぁええか。逆にね?自己紹介からのコレで感情が極端に上げ下げされて逆にいいかもしれんし?と前向きに捉えよう。まだ二日目だしこっからこっから。




