第14話
下校時間になり帰り支度をしていると声をかけられた。
「ルナくん、一緒かえろ!」
愛梨だ。昨日今日でいきなり距離詰めてきたな。
「いいよ、んじゃ一緒帰ろっか。どっかよってく?」
彼氏彼女の距離感で返事してみる。これ周りから見たら佐藤のハーレムから1人寝取ったみたいに思われてんのかな?まぁええか。
「んーと、じゃあさ、公園のスタバいかない?」
「おけー」といって教室から出る。
「佐藤たちと帰らなくてよかったのか?」
「あー私だけあの子達と方向ちがうからさ、校門でいっつもお別れなんだよね。だから部活ない日はルナくんと帰るっていってきた!」
勝手に言われてら。別にいいけど。
「いいね、んじゃ時間合えばこれからも一緒帰るか」
うんっ!と眩しい笑顔で返事が帰ってきた。適当に雑談しながら下駄箱で靴を履き替える。
「てかさ、愛梨ってなんで佐藤のとこにいんの?佐藤ってなんか特別なモノもってんの?」
なんか昼もマコトに似たような質問したが、気になるから聞いてみる。
「あーそれよく聞かれる。んーなんていうか、佐藤くんの周りの子達と一緒にいたかったから、かな?私さ、昔地味だったから、あんな風に変わりたくてって感じかなぁ」
愛梨をつま先から頭まで見てしまう。んー地味?今の可愛さと性格からしてちょっと信じられんが。
「昔地味って信じられんな。その性格と外見で無理あるくないか?」
「あは、それだけ変わったんだよ!」
くるっとこっちをみて、腰に手を当ててポーズをとっている。うむ、可愛い。
「めちゃめちゃ可愛い。頑張ったんだな」
優しい笑顔を浮かべ体を寄せて、愛梨の頬に手を添えて親指で軽く撫でてやる。頭を撫でるよりも更に踏み込んだ高等テクニックだ。イケメンでも更に一部にしか許されない暴挙だが、俺ならイケる。
「んぐっ」といって顔を真赤にして俯いてしまった。会心の一撃が決まったようだ。これしばらく待ってたらキスできるんじゃねえの、とか思っちゃうがまだ校内だ。TPOもあるので手を離す。
「ほら、いくぞ」
しばらく再起動を待ちながら歩いていると、校門を抜けた辺りでやっと声をかけてきた。
「ルナくんって今まで何人と付き合ってきたの?なんか女慣れしすぎじゃない?」
昔の女遍歴か。別に普通だ。
「普通に2人だけ。俺割と長続きするタイプだし」
「うっそ!10人って言われても全然驚かないくらいの予想してたんだけど」
「あー最初の彼女、中2のとき中3の先輩と付き合ってて、相手が卒業するとき別れたんだけど、その先輩に女の扱い方?みたいなのをいろいろ教わったからじゃねーかな」
セックスのやり方まで教えてもらった仲だ。マジで優しく、初Hの時の俺の見栄を張った「ど、童貞じゃねえし、小5で捨ててるし」というしょうもない嘘を、絶対気付いていながら笑って流してくれた。慈母星の元に産まれたような女性だったので心のなかで慈母先輩と呼んでいる。
「はぇ~、それでこんなんなっちゃったのか。罪な女性だね」
「こんなんってなんだよ。さっき顔真っ赤にしてたくせに」
ベシッっと痛くも痒くもないローキックが飛んできた。
「そういうところ!」
というと走って先にいってしまった。ちょっと先の曲がり角からちらっと顔が覗いたので、そこで待っているんだろう。なんか可愛いなこいつ。




