第4章:カリブルスト 前編
※注意:この作品はフィクションです。 作品に登場する【国や地名】【兵器】【人物名】は事実とは一切関係ありません。
【前回のあらすじ】
自由軍は、理想主義地域のザワクラウトを制圧。ザワクラウト方面司令長官のアテーナ・アイギスは自由軍に降伏した。
そして自由軍はいよいよ、理想主義派の首都カリブルストに向けて軍を進める……
自由軍がザワクラウトを制圧から数日後。
1991年1月上旬。快晴のある日
リチャード
「フィン最高司令官曰く、ライナスは降伏しないようだ。そこで最高司令官は『カリブルストに進軍する!』と決めた。」
エリカ
「フフッ、奴らの理想郷をぶっ壊してやりますか……!」
ザワクラウト陸軍基地の作戦会議室。自由軍はカリブルスト攻略の軍議を開いていた。その中には、少年傭兵2人とアテーナもいた
トミ
「とはいえ、首都の守備は強化されているはずです。まずは包囲して、徐々に戦意を挫くのが良いかと思います。」
フレンチ
「なるほど。でも問題は、アーサーだね。こいつをどうにかしないと……。」
アテーナ
「アーサーは文武両道です。一気に攻め込むより、付近の砦など攻略した方が得策かと思います。」
元理想主義軍のアテーナ。机の上に広がる大きな地図に視線を向ける。確かに地図には、多くの砦が描かれていた
アテーナ
「特に、こことここの砦は、食糧と弾薬を収容。そしてこの砦は、街に進軍する際の拠点になります。」
真剣な目のアテーナ。地図に描かれている砦を指差して説明した……
その後も軍議は続く。長時間の軍議の末、リチャードは決断を下すのだった
リチャード
「よし!これより我が軍は、街周辺の砦を攻略する。攻略後は、一気に街に攻め込む!」
『はっ!!』
こうして自由軍は、大軍を率いてカリブルストに進軍を開始した。
『総司令官!2万の自由軍が前線地帯に接近中!リチャードの副官エリカです。』
アーサー
「ほう……遂に来たか。ふんっ、待ちくたびれたわい。」
一方その頃。カリブルスト・陸軍総本部の総司令官室。中央にはアーサー・エクスカリバが堂々と座っていた
アーサー
「食糧砦と弾薬砦に伝えろ!『半分の物資と弾薬をカレー砦に移動せよ』と。」
アーサー
「また、『敵を食糧砦と弾薬砦に誘い込んで迎撃せよ』と伝えろ。そうすれば勝てる。」
『なるほど!承知しました。』
――翌朝
『進め~!砦を攻略せよ~!!』
バーン!バーン!バーン!バババーン!
『ぐは!』『ば、ばかな……』『うわぁ!!」
アーサーは推測を的中。自由軍は食糧砦と弾薬砦に進軍。しかし。アーサーの作戦により、自由軍は多くの兵士を失う。
エリカ
「ちっ!ここは一旦、撤退よ!」
『全軍、撤退!撤退~!!』
理想主義軍の猛攻。自由軍は、ザワクラウト陸軍基地に撤退した。再び兵力を整えるのであった
――そんな中。アテーナがリチャードに呼び出される。彼女がザワクラウト陸軍基地の司令室に入ると、リチャードが椅子に座っていた
アテーナ
「お呼びでしょうか?リチャード大佐。」
リチャード
「アテーナ将軍。正直に言ってください。……あなたは本当に、我が軍に投降したのですか?」
リチャードの鋭い視線はアテーナに向ける
アテーナ
「は、はい。私は確かに投降しました。あの……何かあったのですか……?」
リチャード
「これを見てください。先ほど、送られてきた書状です。」
リチャードは立ち上がり、1枚の書状をアテーナに渡す。アテーナは書状を広げる。そこには……
【アーサー総司令官殿。此度の投降は、仕方ない決断でした。私は理想主義軍で、忠誠を尽くしてきました。時が来たら、謀叛を起こしてザワクラウト奪還致します。 アテーナ・アイギスより】
アテーナ
「こ、これは……何かの罠です!こんな文章を書いた覚えがありません。どうかご理解を……!」
アテーナは書状をくしゃくしゃにして投げ捨てる。彼女は頭を深く下げ、偽りと説得する。そこに、彼女の背後に2人の少年傭兵が現れた
トミ
「……なるほど。これはアテーナ将軍が書いた文字とは思えません。」
トミはくしゃくしゃ状態の書状を取る。広げてフレンチと見る
フレンチ
「もし本当に通じているなら……あの時、アテーナはボクを人質にしていたと思う。あるいは、味方が進軍中に襲撃していたでしょう。」
トミ
「フレンチの言う通りです。……大佐!これはきっと、アーサーの計略。アテーナ将軍を利用して内乱を起こす気だったでしょう。」
少年傭兵2人は、無実を訴えるような視線をリチャードに向けた
リチャード
「……そうか、わかった。疑ってすまない。実は敗戦して、少し情緒不安定になりかけていた。」
リチャードは3人に深く頭痛下げた後、深呼吸する。アテーナは頭を上げた。彼女の表情は、安心した顔だった
アテーナ
「大佐、気にしないでください。私は投降したばかりで、疑われるのは覚悟していました。しかし私は今、自由軍の者です。」
リチャード
「それを聞いて、安心しました。……さて、これからどうすれば良いと思う?砦は固すぎて難しい……」
リチャードは顎に手をつける
トミ
「3つの砦を一気に制圧出来る考えがあります。アテーナ将軍の書状をカレー砦に送ります。カレー砦の指揮官を前線陸軍基地に誘い込みます。」
トミ
「誘い込んだ敵を迎撃している間、他の部隊が3つの砦を制圧。これで、街を包囲することが出来るでしょう。」
リチャード
「なるほど!……よし、じゃあ早速、エリカに報告して作戦開始だ。」
――2日後。カレー砦に1枚の書状が届く。
【カレー砦指揮官殿。お元気ですか?私は今、自由軍の前線陸軍基地にいますわ。今夜、謀叛を起こします。指揮官は、大軍率いて前線陸軍基地に来てください。おもてなしを用意しておきます。理想主義に栄光あれ! アテーナ・アイギスより】
『アテーナ将軍はやはり、理想主義軍の将軍!伝えろ!『今夜、前線陸軍基地に行く』と。』
『はっ!承知しました。』
その日の夜。カレー砦の指揮官は、大軍を率いて自由軍の前線陸軍基地に向かう。到着後、指揮官たちはアテーナの迎撃を受ける。
『退却~!退却せよ~!!』
多くの理想主義陸軍兵士を失う。指揮官はわずかな兵士を連れてカレー砦に撤退開始。その道中だった……
『申し上げます!!食糧砦と弾薬砦が陥落しました!』
『報告~!!指揮官、カレー砦が……一人の少年傭兵と自由軍に制圧されました……!』
『…………やも得ん。かくなる上は、カレー砦を奪い返す!行くぞ~!』
時既に遅し。3つの砦は既に自由軍が既に制圧していた。理想主義軍はカレー砦奪還に向けて進軍
バーン!バーン!バーン!
『ぐ……ぐは!……アーサー総司令官……申し訳……ございません。で……した。」
トミ
「ふんっ。密偵を送っておくべきだったな。」
トミと自由軍の迎撃で理想主義軍は壊滅。3つの砦はわずか数時間で陥落。自由軍はカリブルスト市内を包囲を進めるのであった……
――翌日。カレー砦の一室にフレンチが入室。そこには、窓からカリブルストの街を眺めるトミがいた
フレンチ
「トミ!ご苦労様。それにしても、トミの作戦すっごいね~♪」
トミ
「ハハハ、大したことないよ。……問題は、カリブルストの街をどう攻略するかだ。」
トミは双眼鏡で街を覗く
――その時だった
ライナス(天の声)
「どうだ?懐かしいだろ?」
トミ
「くっ!……だ、誰だ?この声は?」
フレンチ
「えっ?誰も聞こえないよ。」
頭を抱えるトミ。そのまま背向けで横になる……
フレンチ
「トミ?トミ!?大丈夫?ねぇ、目を開けてよ!」
トミは目を瞑ったまま動くことなかった……
第4章:カリブルスト編 前編 ~完~
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※読み飛ばしていただいて大丈夫です。
フレンチの父親
アーサー・エクスカリバ
年齢・性別:58・男性
設定:理想主義陸軍総司令官。長年、ジャスティス家を支えた人物。優れた知謀の持ち主で、部下から称賛されている。




