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過去の記憶がない少年傭兵の父親は、実は敵国の大統領だった件  作者: SOUCHAN
第4章:カリブルスト編

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7/9

第4章:カリブルスト 前編

※注意:この作品はフィクションです。 作品に登場する【国や地名】【兵器】【人物名】は事実とは一切関係ありません。


【前回のあらすじ】

 自由軍は、理想主義地域のザワクラウトを制圧。ザワクラウト方面司令長官のアテーナ・アイギスは自由軍に降伏した。

 そして自由軍はいよいよ、理想主義派の首都カリブルストに向けて軍を進める……

 自由軍がザワクラウトを制圧から数日後。

1991年1月上旬。快晴のある日



リチャード

「フィン最高司令官曰く、ライナスは降伏しないようだ。そこで最高司令官は『カリブルストに進軍する!』と決めた。」



エリカ

「フフッ、奴らの理想郷をぶっ壊してやりますか……!」



 ザワクラウト陸軍基地の作戦会議室。自由軍はカリブルスト攻略の軍議を開いていた。その中には、少年傭兵2人とアテーナもいた



トミ

「とはいえ、首都の守備は強化されているはずです。まずは包囲して、徐々に戦意を挫くのが良いかと思います。」



フレンチ

「なるほど。でも問題は、アーサーだね。こいつをどうにかしないと……。」



アテーナ

「アーサーは文武両道です。一気に攻め込むより、付近の砦など攻略した方が得策かと思います。」



 元理想主義軍のアテーナ。机の上に広がる大きな地図に視線を向ける。確かに地図には、多くの砦が描かれていた



アテーナ

「特に、こことここの砦は、食糧と弾薬を収容。そしてこの砦は、街に進軍する際の拠点になります。」



 真剣な目のアテーナ。地図に描かれている砦を指差して説明した……

 その後も軍議は続く。長時間の軍議の末、リチャードは決断を下すのだった



リチャード

「よし!これより我が軍は、街周辺の砦を攻略する。攻略後は、一気に街に攻め込む!」



『はっ!!』



 こうして自由軍は、大軍を率いてカリブルストに進軍を開始した。



『総司令官!2万の自由軍が前線地帯に接近中!リチャードの副官エリカです。』



アーサー

「ほう……遂に来たか。ふんっ、待ちくたびれたわい。」



 一方その頃。カリブルスト・陸軍総本部の総司令官室。中央にはアーサー・エクスカリバが堂々と座っていた



アーサー

「食糧砦と弾薬砦に伝えろ!『半分の物資と弾薬をカレー砦に移動せよ』と。」



アーサー

「また、『敵を食糧砦と弾薬砦に誘い込んで迎撃せよ』と伝えろ。そうすれば勝てる。」



『なるほど!承知しました。』



――翌朝



『進め~!砦を攻略せよ~!!』



 バーン!バーン!バーン!バババーン!



『ぐは!』『ば、ばかな……』『うわぁ!!」



 アーサーは推測を的中。自由軍は食糧砦と弾薬砦に進軍。しかし。アーサーの作戦により、自由軍は多くの兵士を失う。



エリカ

「ちっ!ここは一旦、撤退よ!」



『全軍、撤退!撤退~!!』



 理想主義軍の猛攻。自由軍は、ザワクラウト陸軍基地に撤退した。再び兵力を整えるのであった



――そんな中。アテーナがリチャードに呼び出される。彼女がザワクラウト陸軍基地の司令室に入ると、リチャードが椅子に座っていた



アテーナ

「お呼びでしょうか?リチャード大佐。」



リチャード

「アテーナ将軍。正直に言ってください。……あなたは本当に、我が軍に投降したのですか?」



 リチャードの鋭い視線はアテーナに向ける



アテーナ

「は、はい。私は確かに投降しました。あの……何かあったのですか……?」



リチャード

「これを見てください。先ほど、送られてきた書状です。」



 リチャードは立ち上がり、1枚の書状をアテーナに渡す。アテーナは書状を広げる。そこには……



【アーサー総司令官殿。此度の投降は、仕方ない決断でした。私は理想主義軍で、忠誠を尽くしてきました。時が来たら、謀叛を起こしてザワクラウト奪還致します。 アテーナ・アイギスより】



アテーナ

「こ、これは……何かの罠です!こんな文章を書いた覚えがありません。どうかご理解を……!」



 アテーナは書状をくしゃくしゃにして投げ捨てる。彼女は頭を深く下げ、偽りと説得する。そこに、彼女の背後に2人の少年傭兵が現れた



トミ

「……なるほど。これはアテーナ将軍が書いた文字とは思えません。」



 トミはくしゃくしゃ状態の書状を取る。広げてフレンチと見る



フレンチ

「もし本当に通じているなら……あの時、アテーナはボクを人質にしていたと思う。あるいは、味方が進軍中に襲撃していたでしょう。」



トミ

「フレンチの言う通りです。……大佐!これはきっと、アーサーの計略。アテーナ将軍を利用して内乱を起こす気だったでしょう。」



 少年傭兵2人は、無実を訴えるような視線をリチャードに向けた



リチャード

「……そうか、わかった。疑ってすまない。実は敗戦して、少し情緒不安定になりかけていた。」



 リチャードは3人に深く頭痛下げた後、深呼吸する。アテーナは頭を上げた。彼女の表情は、安心した顔だった



アテーナ

「大佐、気にしないでください。私は投降したばかりで、疑われるのは覚悟していました。しかし私は今、自由軍の者です。」



リチャード

「それを聞いて、安心しました。……さて、これからどうすれば良いと思う?砦は固すぎて難しい……」



 リチャードは顎に手をつける



トミ

「3つの砦を一気に制圧出来る考えがあります。アテーナ将軍の書状をカレー砦に送ります。カレー砦の指揮官を前線陸軍基地に誘い込みます。」



トミ

「誘い込んだ敵を迎撃している間、他の部隊が3つの砦を制圧。これで、街を包囲することが出来るでしょう。」



リチャード

「なるほど!……よし、じゃあ早速、エリカに報告して作戦開始だ。」



――2日後。カレー砦に1枚の書状が届く。



【カレー砦指揮官殿。お元気ですか?私は今、自由軍の前線陸軍基地にいますわ。今夜、謀叛を起こします。指揮官は、大軍率いて前線陸軍基地に来てください。おもてなしを用意しておきます。理想主義に栄光あれ! アテーナ・アイギスより】



『アテーナ将軍はやはり、理想主義軍の将軍!伝えろ!『今夜、前線陸軍基地に行く』と。』



『はっ!承知しました。』



 その日の夜。カレー砦の指揮官は、大軍を率いて自由軍の前線陸軍基地に向かう。到着後、指揮官たちはアテーナの迎撃を受ける。



『退却~!退却せよ~!!』



 多くの理想主義陸軍兵士を失う。指揮官はわずかな兵士を連れてカレー砦に撤退開始。その道中だった……



『申し上げます!!食糧砦と弾薬砦が陥落しました!』



『報告~!!指揮官、カレー砦が……一人の少年傭兵と自由軍に制圧されました……!』



『…………やも得ん。かくなる上は、カレー砦を奪い返す!行くぞ~!』



 時既に遅し。3つの砦は既に自由軍が既に制圧していた。理想主義軍はカレー砦奪還に向けて進軍



 バーン!バーン!バーン!



『ぐ……ぐは!……アーサー総司令官……申し訳……ございません。で……した。」



トミ

「ふんっ。密偵を送っておくべきだったな。」



 トミと自由軍の迎撃で理想主義軍は壊滅。3つの砦はわずか数時間で陥落。自由軍はカリブルスト市内を包囲を進めるのであった……



――翌日。カレー砦の一室にフレンチが入室。そこには、窓からカリブルストの街を眺めるトミがいた



フレンチ

「トミ!ご苦労様。それにしても、トミの作戦すっごいね~♪」



トミ

「ハハハ、大したことないよ。……問題は、カリブルストの街をどう攻略するかだ。」



 トミは双眼鏡で街を覗く



――その時だった



ライナス(天の声)

「どうだ?懐かしいだろ?」



トミ

「くっ!……だ、誰だ?この声は?」



フレンチ

「えっ?誰も聞こえないよ。」



 頭を抱えるトミ。そのまま背向けで横になる……



フレンチ

「トミ?トミ!?大丈夫?ねぇ、目を開けてよ!」



 トミは目を瞑ったまま動くことなかった……



第4章:カリブルスト編 前編 ~完~

ブックマーク登録もよろしくお願いします。


※読み飛ばしていただいて大丈夫です。


フレンチの父親


アーサー・エクスカリバ

年齢・性別:58・男性

設定:理想主義陸軍総司令官。長年、ジャスティス家を支えた人物。優れた知謀の持ち主で、部下から称賛されている。





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