第3話:ザワクラウト編 後編
※注意:この作品はフィクションです。 作品に登場する【国や地名】【兵器】【人物名】は事実とは一切関係ありません。
【前回のあらすじ】
トミとフレンチは2手に分かれてザワクラウトに潜入。フレンチがカフェで休憩中。理想主義陸軍中将アテーナが現れる。彼女はフレンチに過去の話をする。彼女は元トスト邸のメイドだった。
――舞台は再びカフェに戻る
アテーナ
「思い出しましたか?」
フレンチ
「うんっ、思い出したよ。ところで家族は?」
アテーナ
「あの後。主様は自由主義軍と戦って亡くなり、奥方様は病で亡くなったの……。」
フレンチ
「そ、そうなんだ……。」
フレンチは顔を俯く
アテーナ
「ただ、肝心のトスト邸は……まだあるの。今は私が管理しているわ。」
フレンチ
「えっ!?まだあるの?」
フレンチは勢いよく顔を上げる
アテーナ
「ええ、あるわ。今あなたがトスト邸に戻れば、もう争う必要はないわ。生活は私たちが支えるから。」
アテーナ
「それに、あの少年と一緒に行動しても大変でしょ?それと、軍は傭兵を道具にしているだけ。そんなフレンチくんの姿を、私は見たくない。」
静寂の空気が流れる。アテーナは上目遣いで見ていた。そして……
フレンチ
「……アテーナ、トスト邸に行かせて。」
アテーナ
「ウフフ、承知しました。お坊ちゃま。」
――その時だった
『フレンチ、聞こえるか?』
携帯無線機からトミの声
フレンチ
「トミ!?……あっ。」
アテーナ
「あらあら、空気読めない男だわ。これは没収させていただきます。」
ピッ!……彼女は携帯無線機の電源消す。
アテーナ
「さぁ、ご案内致します。お坊ちゃま、こちらです。」
2人はカフェから出て、車に乗り込んだ。車はトスト邸に向かった。トスト邸到着後、2人は食堂で食事した
フレンチ
「あ~……このままずっと暮らしたい。もうどうでも良い。ごめんね、トミ。」
アテーナ
「ウフフ。謝らなくて良いのよ、お坊ちゃま。さぁ、覚めない内に食べください。」
フレンチは戦意喪失。アテーナは勝利を確信した表情をするのだった
トミ
「フレンチ!?……ちっ、防弾ガラスで見張りも多い。一旦、大佐の場所に戻るか。」
一方、無事にトスト邸に辿り着いたトミ。彼は外の窓から偵察した。フレンチの姿を見て唖然する
トミ
「(フレンチ!絶対助けに行くから、無事でいてくれよ。)」
トミは、リチャードがいるヴィール陸軍基地に向かう。だが彼の目は諦めていない。フレンチの救出するということを……
――翌朝。トミはヴィール陸軍基地に帰還。トミは司令室に入室。その中には、リチャードとエリカがいた。トミは2人に報告する
リチャード
「何っ!?フレンチがアテーナと食事しているだと?」
エリカ
「アテーナは、自慢の包容力でフレンチを無力化させたに違いありません。」
リチャード
「なるほど……進軍予定だった近道が敵に封鎖されたのは、そういうことかもしれん。」
トミ
「封鎖!?まさか……あいつ。くっ!」
エリカ
「ええ、多分そうよ。こうなったら、迂回路を辿って進軍するしかありません。」
エリカは壁に掛けている大きな地図に視線を向ける。地図に記された迂回路に指を差す。
リチャード
「う~ん……それしかないな。トミはどう思う?……トミ!?」
トミの顔は下に向け、黙り込んでいた
トミ
「……あの時、あいつと一緒に行動していれば……こんなことにならなかった。」
エリカ
「何っボケッとしてんの!?あんたがここで落ちこぼれてたら、何も変わらないわよ!……ほら、顔を上げなさい!傭兵軍師さん!」
エリカは血相変え、フレンチの胸元を掴む
トミ
「!?……そ、そうだった。僕がここで落ち込んでいる場合じゃない。……エリカ中佐、ありがとうございます。」
エリカ
「お礼は結構よ。さぁ、私たちの想いで、あの子にぶつけてやりましょ?」
トミ
「はい、わかりました。」
リチャード
「フフ、まるで家族みたいだな。よし!2人が出撃するなら、私も出撃しよう。迂回路から進軍して、奇襲を仕掛ける。」
2人は深く縦に頷く。翌朝。リチャードは、2万の兵士を率いてザワクラウトに進軍した
――そしてその日の深夜。ザワクラウト到着後……
リチャード
「今だ~!攻撃開始せよ~!!」
『うおおおおおおおおお~~!!!』
バーン、バーン、バーン、バババーン!
『ぐはっ!』『うわぁ!』『あひゃ!』
リチャード軍はザワクラウト陸軍基地を奇襲。理想主義陸軍は混乱。リチャード軍は、次々と基地内の拠点を制圧していく
『申し上げます!大佐、エリカ中佐が町を無血制圧。また、ザワクラウト市長を降伏させました。』
自由軍兵士がリチャードに報告する
リチャード
「よし!良くやった。後は……アテーナだけだ。」
リチャードは、遠くにそびえ立つトスト邸を真顔で眺める
――自由軍がザワクラウト攻略から数時間後。上空は徐々に明るくなってきていた
フレンチ
「市長も降伏して、町は無血制圧。そしてザワクラウト陸軍基地が占拠。アテーナ……もうやめようよ?」
トスト邸のフレンチの部屋。中心で豪華な椅子に座るフレンチ。その隣にはアテーナがいた
アテーナ
「いいえ、ここは戦い抜きます。私は理想主義軍でザワクラウトを任されている。降伏は出来ません。」
フレンチ
「うっ……で、でも……。」
――その時だった
ドンッ!……フレンチの重厚な扉が勢いよく開く
トミ
「そこまでだ!アテーナ!」
現れたのは、愛銃を構えるトミだった
アテーナ
「あらあら、礼儀もなしで入ってくるなんて、お行儀悪いわよ?」
フレンチ
「トミ!?ど、どうしてここに?」
トミ
「どうして?決まっているだろ!お前を助けに来たんだ!……アテーナ、屋敷は包囲されている。大人しく負けを認めろ!」
アテーナ
「認めないわ。私は軍人……ここで散った方がまだマシよ。」
アテーナは鋭い視線をトミに向けた
フレンチ
「お願い!アテーナ、やめて!」
フレンチは素早く立ち上がる。アテーナの前に立った。フレンチの後ろにはトミがいる。
フレンチ
「ボクのわがままを聞いてほしい。ザワクラウトは、ボクとアテーナの故郷。だからこれ以上、血を流したくない。」
アテーナ
「お坊ちゃま……。」
フレンチ
「もうこれ以上争わなくて良い。これからは自由に生きて、あの頃のように平和に暮らそうよ……!」
アテーナ
「……私の負けよ。お坊ちゃま、本当に優しい人で感動しました。……わかったわ。降参するわ。ただ、私は始末される運命よ。」
アテーナはフレンチを優しく抱きしめる
フレンチ
「大丈夫、始末されない。なぜなら、アテーナは理想主義軍について知っているはず。始末しても、争いを終わらせることが出来ない。」
アテーナ
「うぅ、うぅ……お坊ち……ゃま……」
アテーナは涙を流した。しかしその涙は悔しさではない。それは、フレンチが成長した姿の涙だった……
その後。アテーナはリチャードとフィンに会う。彼女は降伏した。彼女は処刑されず、ザワクラウト方面を任せることになった。
一方その頃、カリブルストの大統領邸の一室。そこには、椅子に座るライナスとティファニーがいた。
ライナス
「ふむっ……ザワクラウトが自由軍に制圧されたか。」
ティファニー
「父上。もうこれ以上、争う必要はありません。どうか……フィン最高司令官とお会いしてください。」
ライナス
「ならぬ!!あんな輩と話しても、降伏は許してはくれん……!」
ライナスは勢いよく立ち上がる
ライナス
「ティファニー、安心せよ。首都の守りは固い。……それに、トミが来るのが楽しみだ。フハハハハハ!!」
第3章:ザワクラウト編 後編 ~完~
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