第2章:ヴィール編 後編
※注意:この作品はフィクションです。 作品に登場する【国や地名】【兵器】【人物名】は事実とは一切関係ありません。
リチャード軍が行軍開始から数時間後。時刻は夜。無事に前線拠点に到着。エリカ軍とトミと合流する。
リチャード
「エリカ、そしてトミ。ご苦労であった。」
エリカ
「大佐。ご覧の通り、無事に前線拠点を制圧しました。……全ては、この人のおかげです。」
エリカは1人の少年を前に出す。フレンチだった。
リチャード
「この子は何者だ?」
フレンチ
「初めまして、リチャード大佐。ボクは、フレンチ・トストです。トミと同い年で、過去にトミと共に行動していた、少年傭兵です。」
フレンチは満月のような明るい顔で、リチャードに挨拶する。
リチャード
「こちらこそ初めまして、フレンチ君。私はリチャード・ワフル陸軍大佐。……ところで、どうやってこの前線拠点を制圧したんだ?」
リチャードの質問にフレンチが答える。
フレンチ
「潜入して敵指揮官を追い出しました。追い出した後、エリカ中佐とトミが制圧しました。」
トミ
「大佐。こう見えて、フレンチは潜入が得意人物です。ヴィール奪取に必要不可欠です。」
トミは、フレンチの肩をポンッと叩く
リチャード
「なるほど。ただ問題は、ヴィールには多くの検問所と防衛拠点がある。さすがにフレンチ君一人だけでは無理がある。」
リチャードは腕を組んで両目を瞑る。
トミ
「大佐、こうしましょう。僕とフレンチが主要施設の工作活動。大佐たちは、少人数の部隊を編成して、ヴィールに潜入するのはいかがでしょうか?」
トミは、机の上に広げている地図を見て作戦提案する。
フレンチ
「主要拠点……となると、この【軍用倉庫群】が良いかも。この施設を破壊すれば、大きな痛手を負うことが出来る。」
フレンチは地図を見る。軍用倉庫群をターゲットにした。
エリカ
「なるほど。フレンチが軍用倉庫を工作している間、こちらは街に潜入して敵を錯乱させる。良い名案だな。」
エリカは賛成する。リチャードは目をゆっくり開き、決断を下す。
リチャード
「よし……では、その作戦で行こう。トミとフレンチは軍用倉庫に潜入して工作活動を頼む。」
トミ
「はい、お任せください。」
フレンチ
「よ~し♪大きな花火を打ち上げるぞ~!」
トミの冷静な返事。フレンチの元気一杯の返事。2人の少年の声が前線拠点内に響く。
リチャード
「エリカは、私と共に部隊を編成してヴィールに乗り込むぞ!」
エリカ
「はっ!」
こうして自由軍は、ヴィール奪還作戦を開始した。
――1990年11月中旬。深夜のヴィール・理想主義陸軍の軍用倉庫の内部。
フレンチ
「トミ。こっちは仕掛けたよ。」
トミ
「……よし!これでOKだ。フレンチ、ここから離れるぞ。」
理想主義陸軍の軍服を着た少年。トミとフレンチだった。2人は、倉庫内にある弾薬や食糧に時限爆弾を仕掛けた。
フレンチ
「うんっ、わかった。ねぇねぇ、どっちが先にゴール出来るか勝負しない?」
トミ
「全く、呑気だな。……良いよ、じゃあよーいドン!」
2人は突然、レース(?)を始めた。そして2人が出た数分後。静寂な倉庫内にカチッと音が一瞬鳴る。次の瞬間――
ドッカーン!ドッカーン!ドッカーン!
『な、何事だ!?』
『軍用倉庫で爆破が起こったぞ!』
ヴィール市内にあるヴィール陸軍基地内では。軍用倉庫が爆破され動揺していた。
その時だった……
『うおおおおおおおおお!!』
『行くぞ~!自由のために!』
エリカ
「全軍に告ぐ!基地を制圧せよ!放て~!!」
――バーン!バーン!バババーン!
『じ、自由軍!?て、敵襲~!』
現れたのは、エリカ隊と抵抗運動軍だった。軍用倉庫爆破で混乱している隙を突き、奇襲したのだ。この奇襲で、理想主義陸軍はさらに大混乱した。
またこの時。ヴィール市内の検問所、防衛拠点。自由軍と抵抗運動の活躍で次々と破壊。ヴィール市内に上がる煙。それはまるで、自由軍の反撃の狼煙の意味を表していた……
――それから数時間後。リチャード率いる主力部隊が、最高本部に侵入。リチャードは司令室に入る。
リチャード
「ラグナ!そこまで……だ。えっ?」
『だ、誰もいない?どこにいるんだ?』
司令室に入る主力部隊。だが、親玉のラグナは不在だった。
リチャード
「探せ!ラグナがいたら、報告せよ!」
『はっ!』
リチャードたちは散開する。本部内を捜索開始したのであった。
一方その頃……ヴィール市内で銃撃と爆破音が鳴り響く中。
『司令長官、もう少しです!』
ラグナ
「こんなことになるとは……一旦後退して再起を図る。」
ラグナは部下と共に、最高本部の裏道から逃走中。裏口にある脱出用の車に向かっていた。――その時だった
ドカーン!!!
ラグナ
「な、何事だ!?」
突然、近くで爆破音が鳴り響いた。ラグナたちは恐る恐る見に行く。――すると
『く、車が……燃えている?』
何ということでしょう。脱出用の車が紅蓮の炎に包まれていた。そこに。炎よりも熱い、2人の少年が姿を現す。
フレンチ
「じゃーん♪正義のヒーロー、只今参上!」
トミ
「悪いな、ラグナ!そこまでだ。」
フレンチとトミだった。2人は銃を構えて、ラグナたちの前に立ちはだかる。
ラグナ
「くっ……こんな時に。お前ら、やっちまえ!」
バーン!バーン!バーン!
『ぐはっ!』『うわぁ!?』『あひゃ!』
2人の早撃ちで、ラグナの部下は呆気なくて倒れる。その時、ラグナが銃を抜く……そして
バーン!!
1発の銃声が静かな裏道で響く。
ラグナ
「…………くっ、見事……だ。」
バタン!……ラグナは、トミの愛銃で撃たれ倒れる。
トミ
「よし!これでヴィールは解放だ。フレンチ、手伝ってありがとう。」
フレンチ
「えへへ、ボクはいつでもトミの味方だよ♪ほらほら、早く大佐に報告報告~!」
フレンチはスキップしながら、最高本部に向かった。
トミ
「フフ、良い相棒で良かった。」
トミは微笑みながら、フレンチの後ろ姿を眺める。【最高の相棒】がいることを、改めて知るトミであった。
――そして翌朝。昨夜の銃声が、嘘のように消えていた。聞こえるのは、解放に喜ぶヴィール市民の歓喜だった。自由軍は首都を取り戻したのだ。
青空の下。リチャード率いる自由軍が解放パレードをしていた。そこには、トミとフレンチも参加していた。
フレンチ
「わぁ~!すごい人!トミ、やったね♪」
トミ
「ああ、そうだな。だが、本当の戦いはこれからだ。……あっ!そうだ。フレンチ、約束通り奢ってくれよ?」
フレンチ
「はいはい、わかったよ。ただ、コーヒーだけだよ?」
トミ
「ハハハ、わかってるよ。」
こうして。2人の少年傭兵と自由軍の活躍で、ヴィールは解放された。自由軍はヴィールを拠点にして、再び理想主義軍に立ち向かうのであった。
その日の夜。理想主義の首都カリブルスト・大統領邸の大統領部屋。その中には、椅子に座るライナスとティファニーがいた。
ティファニー
「父上。自由軍がヴィールを奪還しました。情報によりますと、自由主義最高司令官のフィンもヴィールに向かっているとのことです。」
ティファニーは平然な表情で報告する。
ライナス
「フフ、自由主義め……ここまでやるとは褒めてやろう。ところでティファニー。」
ティファニー
「何でしょうか?」
ラグナはティファニーに目線を向ける。
ライナス
「あの子は、自由軍にいるのか?」
ティファニー
「はい、います。私が派遣した偵察兵が確認しました。」
ライナスは立ち上がる。彼は窓に近付き、カリブルストの街並みを眺める。
ライナス
「そうか、ご苦労である。会えるの楽しみにしているよ、トミ・ブレッド。いや……我が息子のトミ・ジャスティス。」
ライナス
「フフフ、フハハハハハッ!」
第2章:ヴィール編 後編 ~完~
※読み飛ばしていただいて大丈夫です。
ティファニー・ジャスティス
年齢・性別: 25・女性
設定:ライナス大統領の娘。冷静沈着な性格。実は、トミの過去を知っている。




