狂気の蹂躙 ―漆黒の雷光、人外の領域へ―
時は少し遡り、ギークとドルネが、リヒトとルーグが壮絶な戦闘を繰り広げている最中の帝都の広場の戦況に戻る。
ロック「――さらばだ、若き武人よ」
まだ夕陽が地平線の向こうへと沈み切る少し前。
赤黒く染まりかけた帝都の広場で、拳聖ロックは、限界を超えてなお戦い抜いた飛鳥へと手向の言葉を投げかける。
その顔に浮かぶのは武人としての純粋な敬意。
だが、天高く振り翳された拳に一切の容赦はない。
大気を歪めるほどの凄絶な魔力が凝縮された拳聖の全霊の打撃。
まともに当たれば、若き飛鳥の肉体など形を成すことなく粉々に砕け散り、その下にある広場の地面にも巨大な亀裂が走り、局所的な地震を引き起こすことは火を見るより明らかであった。
そう。当たれば……の話である。
ロック「―――ぬんっ!? ぐっ……!?」
夕闇が支配する一歩手前の琥珀色の光を引き裂き、ものすごい速度で飛来した「何か」が、ロックの強靭な剛腕へと真っ向から激突した。
ドゴォンッ!
肉塊がぶつかり合うような鈍い衝撃音と共に、拳聖の拳は強制的にその軌道を変更させられる。
飛鳥の命を刈り取るはずだった絶大の一撃は、地面へと垂直に落ちる軌道から、あろうことか地面と完全に並行する形へとしなやかに曲げられていた。
そして――必中させ、確実に息の根を止めるためにすべての体重と力を込めていたがゆえに、ロックの巨体もまた、行き場を失った強烈な慣性へと囚われる。
彼の体勢は、背中から地面へと無様に落ちるような形で、劇的に崩れ去っていった。
飛来したその存在が、拳聖の誇る完璧な姿勢が崩れた絶望的な瞬間を見逃すことなど、万に一つもあり得なかった。
一瞬の静寂を突くようにして、ロックの無防備になった脚部に対して、神速の重い攻撃が正確無比に数発叩き込まれる。バキィッ!と骨の鳴る音が響き、ロックの巨体を支えていた最後の重心――支点が、完全に消失した。
ロック「――っ!」
受け身を取ることも許されず、完全に転倒する形でロックの身体が宙へと浮き上がる。
まだ辛うじて残る夕陽の残光を背に受け、背中から冷たい地面へと激しく崩れ落ちていく、そのスローモーションのような視界の最中で。
拳聖ロックは、自分の一撃を弾き、体勢を文字通り「破壊」したその飛来した存在を、その濁った双眸で確かに捉えた。
影が長く伸びる広場の中心で、獰猛にぎらつく双眸。
――狂気の少年、ジャックがそこにいた。
ジャック「おっさん……僕の友達に何してるの……?」
その歪んだ問いかけの言葉が完全に紡ぎ終えられるより、先だった。
夕暮れの広場に、容赦のない「雨」の如き超高密度の打撃が、地に伏したロックの全身へと無慈悲に襲いかかった。
ドドドドドドドドドドドド!!!!!!!
ロック「ぐっ、ううおおおおおおおっ!!!!」
地響きのような唸りを上げながら、ロックは咄嗟に体内の魔力を限界まで練り上げ、自身の肉体硬度を鋼鉄以上に引き上げて耐えようとする。
だが、ジャックの一撃ずつに込められた凶悪な破壊力は、その小柄な少年の肉体からは到底想像もつかないほどに重く、鋭かった。
ロック(――クソッ、何だこの重さは……っ!? やつらの中に、まだこれほどの怪物が潜んでいたというのか……!!)
肉を、骨を強引にすり潰さんとする狂気の暴力。
しかし、流石にロックは帝国の頂点たる『拳聖』の二つ名を冠する男であった。
これほど怒涛の頭上からの連撃を浴びてなお、完全に意識を飛ばすことなく、自らの命に直結する「急所」へと的確に打ち込まれる拳にだけは、全神経を集中させて紙一重で防御し続けていた。
そして――苛烈を極めたジャックの攻撃が、ほんの一瞬、呼吸を置くために途切れたその瞬間。
ロックは待っていたと言わんばかりに、巨体に似合わぬ卓越した身のこなしでジャックの連撃の檻から器用に抜け出し、後方へと大きく距離を取った。
ズサササッ!と広場の瓦礫に靴底を擦りつけながら着地する。
先ほどジャックの奇襲によって重心を崩させられた脚には、それなりの鈍いダメージが残ってはいた。
だが、ロックは「ならば軸足を変えて戦えばいい」と一瞬で冷徹に割り切り、これからの戦闘にさしたる影響はないと即座に判断する。
そうして、自身の肉体へと刻まれた傷の深さを確認しながら、息を整えて目の前の少年へと真っ直ぐに目を向け――ロックは、思わずその骨太な眉を跳ね上げて驚いた。
ロック「――ふん。何が来たかと思えば……まだ毛も生え揃わぬ『わっぱ』ではないか……」
ジャック「……あ?」
ジャックのぎらついた双眸が、一瞬にして冷酷な据わった目へと変わる。
ロック「かかか! こりゃ失礼! 歳に似合わぬ凶暴さに惑わされたわい! 気に障ったか!?」
ジャック「おっさん……あんまり僕を舐めない方がいいよ。死んじゃうから」
悪びれもせず豪快に笑い飛ばすロックの態度に、ジャックの胸中の苛立ちが明確な『殺意』へと変貌を遂げる。
ピシッ……ビシシシシッッ!!!
ジャックが怒りのままに足元へ力を込めた瞬間、夕陽に照らされた帝都の広場の強固な石畳に、蜘蛛の巣のような深い亀裂が派手に刻み込まれた。
次の瞬間、音を置き去りにするほどの圧倒的な踏み込み。
距離を一瞬でゼロにしたジャックは、その小さな身体を限界まで捻り、大きく振りかぶった必殺の拳を、ロックの顔面目がけて真っ向から叩き込んでいた。
しかし、真っ向からの殴り合いにおいて、拳聖ロックが「はいそうですか」と無抵抗にその拳を喰らうわけがなかった。
ロックは泥臭い挑発に乗りながらも、その濁った双眸でジャックの踏み込みの角度を冷徹に見極め、絶妙な体捌きで最小限に躱しながら狂気的なカウンターの拳を繰り出す。
だが、ジャックもまた、その反撃を最初から読んでいたと言わんばかりに、肉体的なスペックを無視した身のこなしでロックの拳を受け止め、その破壊的な力をしなやかに外へと受け流す。そして、空いた死角から容赦のない反撃の拳をねじ込んでいった。
バシバシバシバシッ!!!
肉体と肉体が超至近距離で激しくぶつかり合うたび、広場には凄まじい暴風が吹き荒れる。
互いが秒間に数十発のペースで放ち合う拳や蹴りの速度は、常人の肉眼で捉えることなど到底不可能な領域。
一撃一撃に超高密度の魔力が込められているがゆえに、拳が空気を切り裂き、あるいは互いのガードに弾かれて空振るたびに、大気を破裂させるほどの強烈な風圧が衝撃波となって広場を縦横無尽に駆け巡る。
しかし――この超次元の泥仕合の中で、先に致命的な一撃を許したのは、ジャックの方であった。
ロックの老獪な戦術と何度か激しい打ち合いを重ねているうち、ジャックの動きの速度と威力が、目に見えて明らかに鈍ったのである。
ロック「――脇が甘いぞ!! わっぱぁっ!!!!」
一気呵成。
ほんの僅かな挙動の遅れを「勝機」と見たロックは、地響きを鳴らすほどの渾身の踏み込みと共に、ジャックの胴体目がけて大砲のような一撃を打ち込んだ。
もちろん、ジャックもそれを正面から直接受けるわけにはいかないと、咄嗟に両腕を交差させて肉体の防御を固める。
しかし、あまりにも圧倒的な質量を誇る拳聖の一撃に対し、彼の小柄な肉体はその莫大な運動エネルギーをすべて受け切り、殺すことはできなかった。
ドガァァァァンッッ!!!
ジャックの身体はまるで砲弾のように凄まじい勢いで遥か後方へと吹き飛ばされ、広場の端にある民家の残骸へと激突。盛大に土煙を上げる瓦礫の山の中へと、一瞬にして姿を消していった。
ロック「ふんっ! わっぱが、年寄りの邪魔をしおってからに……」
鬱陶しい邪魔者を一時的に排除したと言わんばかりに、ロックは荒い息を吐きながら、先ほど自身が完璧に引導を渡そうとしていた傷だらけの少女――飛鳥の方へと再び向き直る。
だが、しかし……。
ロック「――はて……? あの娘、まだこれほど素早く動ける力を残していたか……?」
拳聖が怪訝そうに視線を向けたその先。
そこにあるはずだった飛鳥の身を横たえていたはずの地面には、もはや人影など影も形も残されてはいなかった。ただ、ロック自身の踏み込みによって作られた、痛々しい深紅の亀裂だけが虚しく広がっているだけだった。
夕陽が沈みゆく帝都の広場で、拳聖の顔から豪快な笑みが、完全に消え失せた。
ロック「いかんな。戦いに、少々集中しすぎたか……?」
自身の記憶を呼び覚まそうにも、あのジャックという少年との短い打ち合いに、武人としての若干の愉悦を感じていたのは紛れもない事実であった。
ゆえに、飛鳥への意識が完全に外れていた。
今なお広場の端で小競り合いを演じているジャッカルの兵士たちがどさくさに紛れて連れ去ったのか。
はたまた、ロックの預かり知らぬ「別の賊」の仕業なのか。
その思考の迷宮に囚われそうになったロックだったが、数秒ほど無骨な頭をひねった後に、一つの結論へと達した。
ロック(うむ。わからぬなら、それで良い。ひとまずは目の前にいるこの雑多兵どもを一人残らず蹴散らし、帝国の安寧を取り戻すことこそが先決であろうが!)
そう、ロックもまた、拳一つで世界の頂点へと上り詰めた圧倒的な武人。
ゆえに、搦手を得意とするルーグや、宗一郎のように、頭脳で緻密な推論を組み立てることは、致命的に苦手なのだ。
結果として彼がたどり着いたのは、『目の前の問題のみを力尽くで解消し、分からないことは見なかったことにする』という、極めてシンプルかつ豪快な答えであった。
しかし――現実は、そこまで彼に都合よくは回らない。
リュド「――【闇陣・黒鎖縛】!」
ロック「むっ……!? これは……っ」
突如として、傾いた夕陽が広場に落とすロック自身の「影」が、生き物のようにドロリと蠢いた。
直後、その影の底から、漆黒の魔力で編まれたおびただしい数の禍々しい鎖が出現。
蛇のごとき速度でロックの強靭な四肢や胴体に巻き付き、その肉体の自由を完全に奪い去った。
それだけではない。
巻き付いた黒い鎖は、ほんの僅かずつではあるが、ロックの体表を鎧のように覆っていた濃密な魔力を、じわじわと不気味に吸収し始めていた。
ロック(――ふむ。ルーグ殿がかつて宗一郎殿に仕掛けたあの魔法に似ているが……本質がまるで違うな。絡みつく魔力の密度が浅い。ルーグ殿の術ほど完璧ではない。……と、なればッ!!)
一瞬で自身を縛り上げた鎖の「強度の限界」を見抜いたロックは、その太い首筋に青筋を浮かべ、全身の剛肉に爆発的な力を込めて力ませた。
ミチミチミチッ……!!!
恐ろしい質量による内側からの圧力。
肉体が膨張したわけではない。
放たれる圧倒的な闘気の膨張により、ロックを締め付けていた黒い鎖が、悲鳴を上げるように引き絞られ、逆に限界まで引き伸ばされていくのが視覚的に分かる。
死角の闇から術をコントロールしていたリュドが、その規格外の光景に息を呑んだ。
リュド「なっ……、嘘だろ……。化け物め……!」
ロック「ずいぶんと舐められたもんよなぁ、賊の若造がッ!! この程度の小細工で、このワシの肉体が縛れるわけなかろうがあぁぁっ!!!」
バキィィィン!!!!!
夜の闇が迫り来る帝都の広場に、硬質な鎖が粉々に粉砕されたかのような、凄絶な破壊音が鳴り響く。
リュドが渾身の魔力で編み上げた黒鎖は、ロックの一喝と肉体の解放によって跡形もなく爆散し、四散した漆黒の魔力の残滓が霧のように消えていく。
拳聖の五体に、再び完全なる自由が戻る。その一瞬の隙を突いた影の奇襲すらも、圧倒的な『暴力の質量』だけで強引にねじ伏せてみせたのだ。
リュド「悪い……想定外だ」
影に溶け、どこへともなく声をかけて苦渋の謝罪を口にするリュド。
ジャック「問題ないね! 一瞬でも動きが止まったなら、それで十分!!」
その狂気を孕んだ高い声は、次の瞬間、ロックの目の前に閃光の如き速度で現れたジャック本人から返ってきた。
ロック「んんん!? ――ぬぅっ!?」
拳聖を驚愕させたのは、先ほど渾身の一撃で遥か後方へ吹き飛ばしたはずの少年が、何事もなかったかのように目の前に突如として現れているという事実。
……いや、それだけではない。
ガードの上からであるにもかかわらず、自身の強靭な肉体に容赦なく叩き込まれた強烈な鈍痛――それが、ロックの分厚い胸を激しく戦慄させていた。
それは、かつての武闘会において披露された、ジャックの隠された真の戦闘形態。
【魔力による、過剰なる身体強化】
少年の小さき体表を、まるで漆黒の雷が如き鋭く苛烈な魔力が狂ったように駆け巡り、バチバチと激しい不協和音を立てて爆ぜている。
この限界を超えた過負荷状態のジャックは、世界の物理法則を置き去りにするほどのあり得ない身体強化を実現しており、その拳から放たれる質量は、目の前の絶対的な『拳聖』の防御力に対してすら、確実に牙を剥き、通用していた。
ドゴオオオン!!!!
ロック「うおおおっ、がはっ!!!!」
ロックの鋼の如き肉体が、受け流すこともできずに正面からへし折られ、広場の端にある民家へと凄絶な音を立てて吹き飛ばされた。
強固な壁を何枚も突き破り、轟音と共に建物の奥へと埋もれていく。
パラパラと、ロックの巨体の上に容赦なく降り注ぐ瓦礫の雨。
それを眺めながら、ジャックの精神は、急速に底知れぬ『狂気』へとその身を支配されていく。
ジャック「はは……はははっ……! やっぱ拳聖は強いね……! 武闘会の時から、ずっと手合わせしたいと思ってたんだ……! ぜぇ……ぜぇ……っ」
激しく肩を揺らし、口端から黒き呼気を漏らす。
その異様な姿に、影の中からリュドの焦燥に満ちた声が響く。
リュド「ジャック、これ以上はその能力を使うな。お前の身体が持たない。飛鳥はすでに安全な場所へ遠ざけた、もう引くことも視野に――」
しかし、友の必死の制止の声など、今のジャックの耳には一切届いていなかった。
彼はあの武闘会において、文字通り全霊を出し切り、とてつもない重傷を負っていたのだ。
本来であれば、今この瞬間もベッドの上で絶対安静にしておかなければならないほど、ジャックの内部組織(肉体)はボロボロに追い込まれている。
その死に体の状態で、拳聖と真っ向から渡り合うための神域の能力を強引に引き出しているのだ。代償が、無いはずがない。
今のジャックは、完全に戦いの『ゾーン』に入っていると同時に、力の制御を完全に失い、己の自我さえも忘却しかけている
――ただ目の前の敵を撲殺するためだけの「戦闘人形」になりつつあった。
リュドは痛いほどに知っていた。
一度この領域にまで狂ってしまったジャックを止めるのは、今の自分の言葉や力では、至難の業であることを。
それがゆえに、リュドはこれ以上の説得を諦め、即座にその場から気配ごと完全に姿を消した。
逃げるためではない。取り返しのつかなくなる前に、この大切な『友』を力尽くで組み伏せて止めるための――次なる「絶対の手」を打つために。
薄暗くなり始めた帝都の広場で、雷を纏う狂気の少年が、瓦礫の山をじっと見つめていた。
ロック「まったく……。さっきの娘といい、お前さんといい……やはり世界は広いのう……」
ガラガラと不快な音を立てて瓦礫を押し退け、血の混じった太い吐息と共に、ロックが民家の崩落跡からその頑強な姿を現す。
だが、その姿を狂った双眸が視認したその瞬間――夜の帳が下りかける広場を、凄絶な黒き雷光がジグザグに駆け抜け、猛然とロックへ肉薄した。
反撃の隙すら与えない。
ジャックが更なる爆発的な踏み込みにより、息の根を止めるための必殺の追撃を叩き込まんと距離を詰めたのだ。
ドガッ! ボゴッ! バキバキッ!
瞬間的に数発、ロックの肉体へと容赦のない重撃が叩き込まれる。
ジャックは拳聖をその場から一歩たりとも動かさぬよう、一撃一撃に確実に命を刈り取るだけの狂気的な質量と重みを乗せ、全方位から攻撃を乱れ打った。
時に正面から胸骨を穿ち、時に死角の背中から脊髄を狙い、時に頭上から脳天を叩き割る。
黒い閃光の如き速度で縦横無尽に距離を取り、瞬時に場所を変えて打ち込まれるその拳。
それは、ただでさえ規格外の魔力強化に加え、空間を制圧する「加速の慣性」がすべて一点に上乗せされており、一発一発が城壁を穿つ大砲以上の凄まじい破壊力を持っていた。
だが――ロックは、そのすべてを真っ向から受けていた。
逃げも隠れもせず、それどころか、防御の型すら取らずに。
ドゴォン! ドゴォン!と広場に肉塊が弾けるような不気味な重低音が響き渡る。
肉体に刻まれる数多の打撃。その凄絶な衝撃が骨を伝うたび、ロックの頑強な皮膚には、打撃によるものとは到底思えないような、鋭利な刃物で引き裂かれたかのような裂傷が次々と増えていく。
過剰な魔力の雷が、触れるものすべてを削り取っているのだ。
いかに老練にして、百戦錬磨の頂点たる『拳聖』のロックをもってしても、これほどの狂気を孕んだ猛攻を無傷で受け切ることなど、絶対に不可能であった。
肌を焼き、肉を爆ぜさせる激痛。しかし、ロックの濁った瞳は未だ死んでいない。
彼があえて防ぐこともせずこの暴虐をその身に受け続けたのは、決して反応できなかったからではない。
――これほどの速度で狂い回る少年を確実に捕らえ、自身の次なる『必殺の技』へと繋げるために、自らの肉体を肉罠として差し出すという、あまりにも豪胆で冷徹な策をとったのだ。
肉を切らせて、骨を断つ。
打撃の嵐がロックの肉体を極限まで削り、ジャックが勝利を確信してさらに深く深く、その懐へと踏み込んだ。




