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何度転生しても逃げられない  作者: S@Y@


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第102話 残された記録


 リゼリアは、紙に書かれた二つの名前を見つめた。


「エレノアと……アレクシス」


 ノアが紙を裏返す。


「裏には何もないな」


 レオンは散らばった記録を拾い上げる。


「だが、この部屋に侵入した目的は分かる」


「何?」


「アレクシスに関する記録だけが、なくなっている」


 リゼリアは周囲を見回した。


 確かに、エレノアに関する書類は残っている。


 しかし、アレクシスの名前が書かれた記録だけが抜き取られていた。


「……あの男は、これを探していた?」


「その可能性が高い」


 ノアが頷く。


 その時、レオンが一冊の古い本を見つけた。


「これは……」


 表紙には王家の紋章。


 そして、背表紙には小さく文字が刻まれていた。


 ――《黎明の指輪・記録》。


 リゼリアの胸が高鳴る。


「見つかった……」


 レオンが本を開く。


 だが、最初の数ページは破り取られていた。


「また……」


 リゼリアが呟く。


 ノアは黙って破れたページを確認していた。


「誰かが意図的に隠している」


「じゃあ、残っている部分には何が?」


 リゼリアが尋ねる。


 レオンがページをめくる。


 しばらくして、その手が止まった。


「……あった」


 そこには、たった一行だけ記されていた。


『黎明の指輪は、王の血を守るためにエレノアへ託された』


「エレノアに……?」


 リゼリアは驚く。


 そして、その下に小さく続く文章を見つけた。


『返還の鍵は、二つの血にあり』


 ノアが低く呟く。


「二つの血……」


 リゼリアは、自分の胸元にある銀のペンダントを握りしめた。


 ――自分の血。


 そして、もう一つは。


 アレクシスの血。


 その時、廊下から騎士の声が響いた。


「レオン様! 庭で何か見つかりました!」


 三人は顔を見合わせた。


 そして、急いで部屋を出た。

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