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炭鉱に着くと、監督責任者のナカムラ氏とあらためて契約を交わし、いざ尋常に掘ることになりました。
陛下はもちろん、僕も魔力をおさえるために、魔力制御装置を使っています。
が。
「やぁ、これは」
ナカムラ氏が唖然とするほどの魔力で、本来取り出さなければならない石さえも砕いてしまいそうな勢いなので、魔法で掘ることはあきらめて、ツルハシを貸してもらうことになりました。
「うむ。これはなかなかおもしろい道具だな」
はっはっはっと笑う陛下ですが、ボロ着に安全ヘルメット、おまけにツルハシというマニア垂涎のお姿に、自然と涙がにじんできます。
と、いうわけで。僕と陛下が組んで掘り始めました。
「はい」
「ほい」
「はい」
「ほい」
このような息のあった堀合いのおかげか、作業はつつがなく進みます。
ですが、予想外の体力のおかげで、今日中に一週間ほどの穴を掘ってしまいました。
なので、今度はツルハシからスコップに持ち替えての作業ですが、こちらも楽しく終了してしまいました。
「うむ。きみたち少し外で遊んできてください」
ナカムラ氏、他の人たちの手前、僕たちを炭鉱の外に出すことに決めたようです。
せっかくレモンティの森により近い場所なので、思い切って滝の方も調査することにしました。
って滝、上から見ると想像以上の高さがあります。
みなさんよく、こんな場所に魔力を捨てに来ますね、なんて陛下と談笑していましたが、すぐに防水用の魔力測定器を取り出します。
うん、ここからですと、そんなに魔力を感じることはありません。
そういえば、リンレイはどうしているでしょう?
僕は陛下を連れて、滝壺までワープします。
と、そこに薄幸の美少女、リンレイがいます。
「お久しぶりです。リンレイさん」
「お久しぶりですね、ジェインさん。それに国王陛下」
リンレイは、きちんと僕たちを覚えていてくれました。
そこでまた魔力測定器をかざしますと、完全に振り切っています。
これは、皆さんが捨てた魔力をリンレイが受け取っているというより、その魔力をくらげ島全体に生き渡らせているようです。
「時にリンレイ。いきなりで悪いが、島の外に出る方法を知らないだろうか?」
陛下、直球すぎます。
「あるにはありますが……。今のところ、島を崩壊させないかぎり、できません」
「そなたの魔力を持ってしてもか?」
「はい。仮に出ることができたとしても、もう島に戻ることはできないかもしれませんわ」
なるほど、出るには出られても戻れないと。それでは出稼ぎに外に出ることは無駄となってしまいます。
いやはや、やはり難しいです。
つづく




