3ー1
翌朝、目が覚めると陛下の顔がすぐ近くにありました。
……。
陛下、ベッドを間違えて眠ってしまったのですね?
きまりが悪いといけませんので、僕はベッドから降りて着替えを始めました。
すぐに陛下が絹ずれの音で目を覚ましてしまいました。
「これはジェイン。おはよう」
「おはようございます、陛……ジョゼフ」
「うむ。起こしてくれたらよかったのに」
「そうなのですが、せっかくジョゼフが機嫌良さそうに眠っていたものですから」
あははと笑って見せると、陛下もすぐに起き出して着替えを始めました。
洗面所で顔を洗って歯を磨き、髪も整えます。
陛下はすぐに僕に僕に追いつき、ボロを着ているのに見繕いは完璧です。
と、ここで宿の部屋の鍵をかけて、だれにも侵入されないように鍵に魔法をかけておきます。
食堂へつづく階段を降りてみると、すでにいい匂いをさせて、朝食の準備ができているようです。
僕たちも食事をしながら昨日までの収穫を話始めます。
「どうやらこの島から外に出たい者はアイシアだけではなかったようだな。盗賊をするような者たちは、もっと金になる仕事をしたいと訴えていたくらいだし」
「ですが、現状を考えると、島の外に出ることは不可能ですよね? それってやっぱり、くらげ島が生きた島だからでしょうか。
「うむ。アイシアたちによれば、磁場の影響と魔力だまりは関係ないとは言えないらしいな」
「そう言っていましたね。そうなると、無理を承知でレモンティの滝に潜って魔力だまりを調査する必要着ありそうです」
「だが。いくらレモンティの滝に魔力を捨てる者が多いとは言え、そう簡単に魔力だまりができるものだろうか?」
「今はまだはっきりとはわかりませんね」
トーストのサクッとした食感が耳に優しいです。
「くらげ島内での仕事も限られていることだし、どうすれば島から出られるかも調査してみよう」
「ひょっとしてジョゼフは最初からそのつもりで炭鉱に行くことに決めていたのですか?」
「ああ。そのつもりだった」
あっさりそう言っているけれども。結構危険ですよ。それなのに陛下は。まったく、これだから陛下を一人にさせられないのですよね。
「とにかく、これを食べ終えたら炭鉱に向かうとしよう。場所はわかっているな?」
「もちろんです」
こうしていよいよ炭鉱を目指すことになりました。
つづく




