2ー2
やはり野盗が出ました。僕は魔法と短剣を使って野盗を攻撃します。
なに、相手は悪の権化である野盗です。傷つけなければこっちがやられて終わるのです。手加減なんかしてあげません。
それですのに。
「我が炭鉱掘りにこだわったことの一つがこの野盗や盗賊の存在なのだよ。最近特にこやつらが出没していることで、治安が悪くなっている。その調査もしたかったのだ」
「でしたら最初からそう言ってくだされば。わたくしが調査しましたのに」
そして陛下は野盗相手に手加減します。
ちょっと面倒なので、眠り歌の魔法で彼らを寝かせることに成功しました。
陛下は野盗の中で一番偉そうに指示を出していた男の顔を二、三回ほどぴしゃりと叩きます。
男はすぐに目を覚ますなり、大慌てです。
「い、命だけはご勘弁を」
「そなたに聞きたいことがある。なぜ盗賊稼業をするのだ?」
陛下、盗賊相手に優しく話しかけなくてもいいのではないですか?
「お、おれはもうかる仕事があるって酒場で聞いて、それで盗賊をやることにしたんだ。なにぶん、子供が多いもんでさ。普通に働いても金が足りないんだよ。なぁ、見逃してくれよ」
「残念ながら、それはできん。次からはもっとまっとうな仕事を探すようにするがよい。もし、本当に仕事がないのであれば、ロイヤルミルクティ城で常に警備兵を養成している。金はかからん。そこでなんとかすればよい」
陛下。この人たらしにはまったく。
「本当かい? なら俺、今から城に行ってみる」
「待て」
と、陛下が短く足止めした。
「こやつらはどうする? 仲間なのだろう?」
「別に。仲間ってほどじゃないんだ。飲み仲間ってくらいで。だから、こいつらの名前もまともに知らない」
そんな程度でよく野盗なんかしてましたね。あきれてものも言えません。
「わかった。ジェイン、全員の術を解け。こやつらにも生きるチャンスを与えよう」
僕は全員の魔法を解除しました。
「この中でまともに仕事をしようと思う者があれば、ロイヤルミルクティ城で警備兵を募集している。ぜひそこで踏みとどまってもらいたい。では」
ではって、陛下。
そうして野盗の皆さんは、狐につままれたような顔をして腰を抜かしていたのでした。
つづく




