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語尾を濁したリリーさんは、指輪の刻印をじっと見つめています。
「この刻印、わたくしのためなのですよね?」
「そうです。リリーさんだから百合の花を。とても難しかったですが、見てとれますか?」
「……はい」
ですが、刻印に感動はしてくれたみたいです。
「ジェイン様はもう、他の女性を口説くことはありませんか?」
「二度とそんなおろかな真似はしません」
「では、もしそのお言葉が覆されたら、その時は永遠に別れるという条件付きでしたら、お受けいたします」
「本当ですか? やったっ!!」
ガッツポーズをする僕の近くに、陛下が待ちきれずに来てしまいました。
「どうした? ジェイン。ついに成功したのか?」
「はいっ!! これもジョゼフ国王陛下のおかげですっ」
「よかったな。さあ、行こう。いつまでもリンレイを待たせては彼女が不憫でならん。それに、国王陛下と呼ばれるのはこれが最後だな」
いたずらっぽく笑った国王陛下は、僕の肩をぽんぽんとやさしくたたいてくれました。
そうして僕たちはレモンティの滝へとワープします。
初めてこの場所に来たシャノン様とリリーさんは驚きの歓声を上げております。
「このようなけわしい場所に、女性がずっといただなんて。いたたまれませんわ」
「お優しいのですね、リリーさん」
「そんなこと。ですが、これでくらげ島とおわかれだと思うと、不思議な気持ちがします」
そうです。くらげ島を離れて数日たてば、魔力は完全に消えてしまうという検証がされております。
これからは魔法を使わない方法で生活していかなければなりません。
「待たせたな、リンレイ」
陛下に言われて、目に涙を浮かべるリンレイ。その目はどこまでも透き通っていて、これから先の未来を映しているようです。
「ではみなさん、手をつないでください。さようなら、くらげ島」
「さようなら」
皆さんの声が重なり、体がぶれる感じがします。やがて、目を回すほどの気持ち悪さの後、新天地へ舞い降りました。
僕たちはすぐ、くらげ島で生活していた住人たちに拍手されました。
「これで、ただのジョゼフとして生活することができるな」
魔力増幅装置も、いずれ壊してしまうでしょう。だってもう、なんの役にもたちませんから。
と、くらげ島と思われる海の向こうで激しい揺れがあり、崩れていきます。
こうして、くらげ島は崩壊してしまいました。
つづく




