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17/20

5ー1

 くらげ島が崩壊してしまうと、住むことができなくなるため、新天地に移住することが決まって早二週間。


 住人の移転は次々と片付いていきました。


 新天地では王室制度がなくなるため、ジョシュア王子はミカリンにプロポーズして、婚約してしまいました。


 その一方で僕とリリーさんは必要最低限の言葉しか交わしていないため、彼女の気持ちがわからずに、もどかしい思いがつづいております。


 できることならプロポーズしてしまいたいっ。


 ですが、これまでの行いがよくなかった僕のことを信用してくださいといってもそれは無理な話で。


 リリーさんとは熊鈴を通じて話し合う機会が増えたものの、陛下からもらった指輪に刻印する言葉がまだ見つかりません。


 たとえば、フォーエバーラブとか、あなたに僕のすべてをさしあげますとかそういった言葉が適切なのでしょうけれど、なかなかピンときません。


「ジェインよ、刻印の言葉はまだ決まらないのか?」


 陛下はすでにたくさんの人たちに顔を見られてしまったため、腰まで届く長い銀髪をばっさりと切ってしまいました。


 陛下に言わせると、これがけじめなのだとか。


 それにしても綺麗な髪でしたのに、もったいない。


「はい。どの言葉も僕が彼女に捧げるには胡散臭く感じてしまいます」

「そうかもしれんな。だが、リリーはそなたにとって運命の人なのだろう?」

「はい。それは間違いありません。リリーさんはそんなことないって否定しますが、僕の気持ちは彼女にしかありません」


 だからといって、そのまま運命の人と刻印しても受け取ってもらえるかどうかもあやしくなります。


「ストレートな言葉はどうだ? 我は世間の女性がどんなものかわからぬが、あまり飾り立てた言葉は胡散臭く感じるものかもしれんぞ」

「では、好きです、とか?」

「そんな感じだろうな」


 でもな。なんだかそれも違う気がするのですよ。


 熊鈴を受け取ってくれた時のリリーさんは、刻印をとても喜んでくれました。


 あの時はこれといった言葉が見つからなくて、桜の花を刻印したのです。


「そうだっ!!」


 おもいきり立ち上がったため、テーブルに膝を打ち付けてもんどりうってしまった僕を、陛下がくすくすと笑います。


「なにか考えついたのか?」

「はいっ!! 言葉なんて最初からいらなかったんです」

「ようやくそれに気づいたか」


 そうです!! 彼女が喜んでくれたなら、それが一番いいのです。


 どうしてこんなに簡単なことを思いつかなかったのでしょう?


     つづく


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