4ー1
白身がかった砂場の向こうは海でした。
ですがここは、どうやらくらげ島ではないらしいのです。
陛下と手を離した僕は、用心深く辺りを見回しましたが、海で遊んでいる者や、ビーチで体を焼いている女性などがいて、異国ムード全開です。
ためしに話しかけてみようかと思いましたが、陛下にとめられました。
そしてついに、見たこともないようなアスファルトの道路に直面したのです。
「この国の言語はどうなっているのでしょうか?」
「それより、ここが一つの国なのか、島なのかを調べなければならん」
そう言って陛下は懐にしたためていた電子機器を取り出しました。
この機械は、電波の関係でくらげ島ではほとんど使い物にならなかったやつです。
その機械が、今僕たちがいる場所の情報や、言語などについて教えてくれております。
それによりますと、ここは某大陸で一年中あたたかく、くらげ島から一番近い陸地なのです。
使用言語も僕たちとそう違いなく、知事にでも話を通しておけば、なんとか住人を移すことができるかもしれないという希望が生まれました。
そこでジョゼフ国王陛下は、その役職を捨ててでもいいからこの大陸の知事と会う約束を取り付けました。
インターネットというのは便利な道具なのですね。
ともかく、約束の日までここで時間をつぶすわけにはいきませんから、僕たちはまた海辺に近づき、くらげ島に帰ることになりました。
と、ここでさっそく問題が発生します。
この陸地だと、魔力が中和されてしまうため、とにかくものすごい集中力がないかぎり、くらげ島に戻ることが難しいことがわかりました。
そこで。
「ジェイン、この電話機でリリーを呼び出すのだ」
「リリーさんを? でも、電話機なんてリリーさんが持っていましたっけ?」
「そこは、シャノンに協力してもらう」
シャノン様? と僕は首を傾げます。なにしろまだほんの小さなお子様ですから。
「リリーはシャノンと常に一緒だ。シャノンを通じてリリーに呼びかければ、シャノンがよりしろとなり、そなたと会話をすることができる」
「でも、なにを話せばいいのですか?」
「熊鈴だ」
「熊鈴?」
僕が愛の言葉を刻印した熊鈴が、こんなところに出てくるだなんて?
「リリーに熊鈴を鳴らしてもらうのだ。我らはその音に向かって帰ることを念じればよい」
なんということでしょう!!
無用とあきれられた熊鈴が、こんなところで役に立つことになるだなんてっ!!
つづく




