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11/20

3ー4

 食事の途中で、リンレイは急に思い出したように口を開きました。


「そういえばわたくしが生贄になる前のことですが。くらげがやたらに荒ぶっておりまして。それで、生贄制度が始まったのです」

「結果的に荒ぶりがおさまったのであれば、成功か。だが、それではリンレイはじめ、魔女たちが不憫であろう」

「ですが、結果は結果です。わたくしは今日まではそのことに不満を感じたことはありませんでした」


 今日までは、ということは、今は違うということですね?


「なぜわたくしだけがずっとくらげ島の人柱とされなければならなかったのか。わたくし、自我が芽生えてしまいましたわ」


 他にも生贄に捧げられた魔女はいたというが、皆が皆、滝に打たれて死んでしまったのだとか。


「よかろう。リンレイのためにも、くらげ島から脱出することを目指すことにしよう。できればすべての住人を救いたいと思う」

「陛下。それは一大プロジェクトですよ」

「わかっておる。だがもう、悲しいことは辞めにしなければならない。我々はいつまでも無知なままではないのだからな」


 陛下がおっしゃる通りです。


 が、島から出るとなると、まずは舟を用意しなければなりません。しかも特大のやつです。


「船はどうしますか?」


 空からは無理です。滑走路なんてありませんし、ヘリコプターでさえ磁場の影響を受けて失墜したことがあるからです。


 一方で船ならば、なんとかなるのではないでしょうか?


「ジェインよ。我らの魔力をあわせてみたらどうであろう? たとえばそれで、島からワープするとか」

「ですが、行き先がわからない以上、陸地に到着できるか不安があります」


 僕たちはもう、これ以上の犠牲を出したくはない。


 島を出る。


 そのために、魔法使いの全員が協力したら、ここから出られるのでしょうか?


 陛下の考えはとても大胆です。


 なにしろ多くの魔女が、この滝に魔力を捨てに来ているからです。


「うむ。魔女狩りなどやらずに、素直に島を崩壊させておいた方がよかったかもしれんな」


 ですがあなたは国王陛下です。その陛下が過去を悔いることはゆるされません。


 魔女狩りのせいで、魔力を手放した者たちの気持ちを思うと、どうしてもやるせないからです。


 そうして僕たちは、ほんの少しずつ考えをまとめようとしています。


     つづく

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