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第五話 初のヘルシャース潜入

ヘルシャースに潜入してみた。

 自分の土地なのに潜入っておかしいけど。


 どうやら、ランジュ王国もヘルシャースを研究していたらしく、手前ら辺の場所ならばある程度安全な事は分かっているらしい。

 奥地にもある程度安全な場所があり、場所も分かっている。

 目印は異様に大きな木だと言う。

 あの競売人から説明を受けていた。


 で、今そこに向かっている。


 そこに拠点を作りたいと思ってるからだ。


 とにかく暑い。

 これ20度後半ぐらいある暑さだろ?さすが熱帯気候である。

 日本の森/山の比にならない程の植物が生い茂っていた。

 ただただ暑い訳ではなく、ジワッと体を啄むような暑さがそこにはあった。

 湿度の高さからくる気持ち悪さ。日本の夏を思い出す。


 そして、虫がいちいちデカい。

 俺は出来るだけ虫を避けて、敵意を向けてると勘違いされないようにしているが、いつ襲われてもおかしくはない状況である。

 ミュウがギュルルルル!!と警戒して敵意丸出しなのが唯一困る事だ。


 無数の足音が聞こえるなと思うと、アリがいて一匹3cmほどあるような奴が、その大群が3m先に歩いている。

 絶対パワーと毒を持ち合わせているスーパーアリだろ?

 怖すぎる。

 出来るだけ距離を取ろう。


 ふと、上を見ていると3m級のサルが木伝いに進んでいる。

 進むにつれ木が湾曲する。

 木も小さくなく、半径1mぐらいはある太い木だ。

 それが湾曲するとなると、とてつもなく重い体重と腕力があるという訳だろう。

 やはり規格違いの地だ。


 それから少し進んでいると、草むらから、ガサガサ!っと音が聞こえた。

 俺は、すぐさま音が鳴ってる方へ振り向くと同時に音が無くなる。


 あぁ、コレ“ヤバい奴”だ。

 俺は何かに狙われているのだろう。


 今まで嫌という程聞こえてた鳥の囀りが、嘘のように止んだ。


 風が止まり、森の音は無くなる。


 嫌な汗が体からバーと溢れ出す。


 この状況をミュウが読み取ったのか、警戒の体勢を取り出す。


 ヤバいヤバいヤバい。

 この場合どうすれば良い?

 俺が身に付けている装備は軽装にするため頭と胴に装備を付け剣を腰に携えている。

 だが、俺は戦いの素人だから、相手の大きさ強さを分かり得ない状況で『戦い』という選択肢を取るのは、愚行であろう。ルナも戦うのはどんな状況であろうと辞めろと言っていた。

 ――ならば、熊相手にする対象方をしよう。


 目を決して相手から背けず、ゆっくりと立ち去る。

 これで相手を興奮させずに立ち去れる。

 この状況下でこれを思い出せるとか我ながらよくやる。

 これなら襲われずに――


 巨体の猫科の動物が、空を舞い草から出てきた。


「ギャアアアアア!!」


「ですよねぇええ!!」


 これは、相手を興奮させない為の対照法であって、もう既に俺を狙っている相手には意味がない。あぁ俺はなんていう馬鹿なんだ!!


 俺は必死に獣道を進み、障害物の多い場所へ小回りをきかし進んだ。

 ミュウが立ち向かおうとするが、俺は必死に止めた。

 ここで死なれては俺も死に共倒れするからだ。

 

 逃げて行くにつれ、俺の後ろをにつけてくる魔物が増えてきた。

 カマキリのような奴もいるし、サソリのような奴も居る。


 木々を切り倒し俺の方へと迷わず進んでくる。


 速すぎる。


 この土地に来るのをワクワクしていた前の俺を殴ってくれー!!


 障害物も役に立たなくなり、小回りも意味なくなってきた。

 体力も無くなりもうダメかと思った瞬間、俺はフワりと体浮いた。


 どうやら俺が走った先は、崖だったらしく木々の下へと真っ逆さまに落ちた。


 ◇


 クッソ痛いぃ....

 俺の行く先が、崖だったとは....

 どうやら木が衝撃材としての役目を果たしたのだろう。

 だから、助かった。

 それに、もう追っては来ていないらしい

 休止に一生を得たってわけだ。


 そうだ、ミュウはどこだ?

 もしかして、崖に落ちた拍子に見失ったのかも!?

 早く探さなければ!!


 枝によって傷ついた腕で体を起こそうとするとミュニュッとした食感が腰ら辺に伝わる。

 何かと見てみれば、そこにはミュウが俺によって潰された状態で居た。


 すぐに自分の体をどかし、ミュウの状態を見てみる。


「大丈夫か?ミュウ」


「ミュウ....」


 ミュウは潰れた体を膨らませ、元の状態へと戻る。


 良かった!!生きてた....これで死んでしまったら洒落にならなかった。

 本当に良かった....!!

 俺はあの高さから落ちてもここまでの怪我しかしなかったのは、ミュウのお陰でもあるのだろう。


「ありがとな。ミュウ」


 ミュウを手で撫でると、嬉しかったのか俺の手を掴み、スリスリと自分の体に擦り付けてきた。

 神様のグッズだとは言え、可愛いな。情が湧きそうだ....いや多分これ既に湧いてるな。


 というか、ここはヘルシャース!こんな呑気にしている暇はない。


 急いで立ち、状況判断をする為、周りを見渡していると、目を奪われるようなデカい木があった。

 こんな世界樹の2倍大きそうな木があるなんて凄いなーと感心していると、ふと競売人の言葉を思い出す。


「異様にデカい木が安全ポイントの目印になっている」


 俺は思わず口に出して、競売人との会話の記憶を呼び起こした。


 あぁ、ここだ、ヘルシャースの安全ポイントである巨大な木。

 俺は逃げ惑っている内にどうやらここにへと着いていたらしい。

 なんと言う強運だろうか。

 この後で何かとんでもない不幸が降ってきそうだ。


 その木は、嘘と言うほど虫などを惹きつけていなく、頂上にしか枝と葉がなかった。

 うん?よく見ると所々に花?が咲いているのか。


 この木は、不気味であり安心感を与えてくれる。

 少なくとも、ここではあのようなバケモンに出会う事が無いと言う事なのだろう。

 その理由は、この『巨大な木』にありそうだ。


 俺は辺りにあったちょっとしか腰掛けに腰を預けると、笑ってしまった。

 何か面白い事があった訳ではない、でもこの木を見ていると心が安らぐ。

 とんでもない怖い所から、安全な場所に来た寒暖差なのだろうか。


「ミュウ、俺は三個の目標を立てることにした。まずは温暖気候を目指す。その次に国造りをして、そしてニ年間でヘルシャースを平定し、東の国よりも国力を絶対なものにする。どうだ?ミュウ良い目標だろ?」


「――そうだね!」


「だろ?って――喋った!?今喋ったよね?ミュウ!」


「ミュウ?」


 ミュウは体を傾げた。


 うん?いや俺の気のせいか。

 ミュウは魔物に近い存在、喋れる訳ないか。

 俺は、バケモンに追われて疲れているだけだ。


 ま、逆に言うと、この二年間の間は、この地獄の地が俺らを人の手から守ってくれる祠になるのだ。

 誰も寄せ付けない難攻不落な壁。


 見てろよ。俺は絶対にこの地獄の地ヘルシャースを平定して、東の国をも上回る国を作ってみせる。


 なら、まずすべきは拠点作りかな?

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