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第十一話 打ち解け合う

「でも、どうやって?痩せ細った俺ら達には、もう何も」


 食い気味に食いついてきたラロットを払いのけ、ミュウの安否を聞いた。

 殺されてるなら、もうこいつらと契約する気もないし、俺の目標も頓挫すると言って良いだろう。

 それに俺の大事な奴を殺しているならば、俺はコイツらを殺す。

 いや、殺そうとするだろう。

 お願いだ、無事で居てくれ。


「先に、俺と一緒に居たスライムはどこだ?」


 恐る恐る聞いてみると、ラロットは、ピンク色の髪の魔人がどこかへ行くと、両手で包むように持たれたミュウが、来た。

 良かったぁああ!!見た目が魔物だったから、殺されていると思った....

 本当に良かったよぉ。

 だが目を瞑ってる?


「意識がありませんが、殺した訳ではなく、あまりに暴れていた為、眠らせる薬を打ち眠っているだけです。ですが、このスライムに違和感があります。このスライムは、魔物の筈なのに、魔物臭がしませんね。何故ですか?」


 あ、やっぱりミュウが魔物じゃないんだ。

 まぁ確かに、ミュウは神様に作られたグッズなのだから。


「ミュウは、スライムの見た目をしている、俺らとは違う生物なんだ。でも悪い奴ではない。優しくて、頼りになる奴だよ」


「そうですか。少しミュウ?さんの事が気になりますが、今はそれどころではありませんね」


「その通りだな。どうやって、勝つか聞かせて貰ってもいいか?」


 ラロットが真剣な眼差しで、聞いた。


「それは、このスライム――ミュウと、俺が設計する罠を使って、リザードマンを撃退する」


 少し、困惑されたが、まぁ仕方がない。

 俺が罠を設計する事は、リザードマンの事を知っている彼らにとって、有効打なのかどうかが疑問であるのだろう。

 それに、この小さなスライムで何が出来るのかも疑問なのだろう。

 俺は彼らの事をよく知らないし、彼らも俺らの事も知らない。

 手の内をまず見せ合う事にしよう。


「まぁ、まずミュウの能力を見て貰うのが良いかな」


 ミュウを解麻酔剤を打ってもらい起こし、使っている武器を持ってくるように俺は、言った。

 ミュウは、訳の分からない状況に困惑しつつ、俺の顔を見て安堵している。

 ミュウに悪い奴ではない事を、説明して警戒を解かせて、彼らが持ってきた武器をミュウに食べさせ、その武器を出させる。


「これで何が....?」


 ピンク色の魔人が言う横目に、ラロットは手を震えさせ、自分の武器を手に取った。


「外で試しに振ってみても良いか?」


 外へ出て、ラロットは一呼吸をすると、飛び跳ね、空中で大剣を振りかざした。

 その瞬間、炎の絨毯が空を覆い、俺達を飲み干すと言わんばかりの威力が、空を揺らし、地を揺らす。


 ラロットは、地面に足を付けると


「これは凄い。前より何倍もの強くなっている」


 と感激していた。


 まぁ、これで分かっただろう。

 俺が考えるリザードマンとの戦いの勝ち方。


 周りの魔人達も何が起きたのか?と口をポカーンと開けていた。


「まずは、お前らの武器を全て持ってこい。全て強化する」


 ラロットの武器の状態を見た魔人達は、皆こぞってこちらに来たが、押し合わず譲り合いながら、武器を置いていく。

 流石、ヘルシャースにある村と言ったところか。

 長が死んだこの状況でも統率が取れている。


 持ってきた武器をミュウに全て食わせ、一個ずつ吐き出した。

 スライムに食わせる姿に皆唖然としていたが、いざ武器を使わせると、強化のされ具合に目を輝かせる。


 だが、皆本調子で、武器を扱えてないな。

 お腹が空いているからだろうか?

 ならば....ゲジゲジを振る舞う事にしよう!!


 真ん中に、大きな炎を起こさせ、木の丸太に囲むように座った。


 本当に良いんですか?と皆からの視線を同時に受けたが、良いよ良いよ!と言い、食べさせる。

 食べて貰わないと、負ける可能性が増え、困るからね。

 それに、ここでは皆が俺と打ち解け合い、腹を割って話せるだろう。

 酒は、この村にまだあったらしく、持ってきてくれた。

 この世界にも酒があるのか....この村が持っていると言う事は、歴史がありそうだ。


「まだ言ってなかったが、俺の名前はユレンだ!!で、今日大活躍であった、このスライムの名前はミュウだ!!よろしく!!」


 そうして、皆と話していくと、この村の事、名前、種族を知れた。


 この村は、ヴァンパイアが共存しているらしい。

 確かに、鋭い牙も皆んな持っているし、紅い目も。

 では、「日光には弱いのか?」「血を飲まないと行けないのか?」「寿命はないのか?」と畳み掛けるように質問をしてみた。


 だが、返ってきた答えは、思っていた返事では無かった。

 昔は、そうであったが進化したらしく、日光には強く、血を飲まなくても普通の食事でも生きていけるのらしい。

 その代わりに退化した部分は、寿命は二百年だと言う事だ。

 寿命は来なくても、細胞は着々と老化していくから、このように進化したのらしい、

 へぇ、つまり寿命が無限のヴァンパイアは、魔物に殺されたのだろう。

 見たところ皆若い感じする。

 子供も多い。


 もう何年も遠出をしていないらしく、周りの情勢なのが分からない事。

 リザードマンとの絡みは、三十年前からある事らしい。

 案外、リザードマンとの絡みは年月を経っているのか。

 なんで、そんな長い絡みがあるのに、リザードマンは裏切ったのだ?

 裏がありそうではある。


 そして、この村には、『五憲の守人』と言うものがいるらしく、

 ・さっき程の“ラロット“

 ・こちらも先程のピンク色の髪をしていた女の”アスナ“、

 ・黒色の髪を持ちキリッとした目をした男の”ナギ“

 ・金の髪色を持つ男の”レイン“

 ・ロングの青い髪を持った女の”フィオナ“

 であった。


 五憲の守人は、長から選ばれた優秀な戦士を選び、この村を守る人達らしい。

 うわぁ、なんか凄い!

 強いキャラの集団ってなんか憧れと言うかなんか、気持ちが高鳴るよね。


 ラロットは、長の息子であるらしく、長が死んだ後は、ラロットが統率していたらしいのだ。


「つまり、ユレン様がこの村を守る代わりに、守った暁には、対価としこの村と王となりたい訳ですか?」


 そうナギは落ち着いた声で言った。


「あぁ、そう言う事だ。ここまでされたんだ、ユレン様に従う気だ」


 と、ラロット。


「はい!そのようです。私はユレン様を歓迎しますよ!!」


 と、アスナ。


「ちょ!お前ら!!様付けはやめてくれ!!なんか俺が偉いそうだろう!!」


 俺がそう言うと、ナギは否定する。


「ここは村であるから、秩序が必要です。故に上下関係もしっかりする為に、ユレン様と言わせて貰います」


「俺も賛成だ。ユレン様呼びは、統率が取れやすい」


 そうかぁ....そうだよなぁ。

 秩序が壊れては、国造り事態が不可能となってしまうから、俺もそちらへと合わせるべきなのだろう。


「うーん、じゃぁこうしよう!!この村が勝った時、俺を様付けで呼んでくれ!勝つ前は、ラロットお前が、この村の一番偉い人だ!!」


 そう言うと、フッとラロットは笑った。


「分かりました。ユレンは、謙虚だな」


「ならそうしましょうか」


 ナギも合意してくれた。


「よぉおおし!お前ら、場を盛り上げろぉおおお!リザードマンを倒す為の宴じゃぁああ!!」


 ラロットは叫び、片手に持っていた酒をグイッと上げ叫んだ。

 皆も叫んだ。

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