6.山道の怪物?奇妙なイノシシ
英雄たちの墓場を後にした陽斗と王女は、エリュシオン王国に向かっていた。歩いて2日ほどの距離だ。
険しい山道を歩きながら、陽斗は周囲を観察していた。どこからともなく聞こえる鳥の鳴き声や、風に揺れる木々の音が静寂を際立たせる。
「本当に魔物が多いのか?」
陽斗が辺りを見回しながら言う。王女は険しい顔で答えた。
「この辺りは魔物の巣窟よ。十分注意しなさい」
「魔物か。まだ見たことがないな。…食べられるのか?」
「まぁ、魔物によるけどね。基本的に食べられるわよ。味は保証しないけど」
「なるほど。肉が取れるならいい。腹が減っては戦もできん」
主人公は真剣な顔で頷くが、王女は少し呆れた表情を浮かべる。
「戦もしてないくせに、よくそんなこと言えるわね。」
しばらく歩き続ける二人。木漏れ日が差し込む静かな山道だが、王女の表情は険しい。
「こういう山道は慣れているのか?」
「当たり前でしょ。私は王女なのよ。小さい頃から訓練も受けているわ」
王女は少し得意げに微笑んだ。
「私は完璧なのよ。どんな状況でも生き抜く力があるわ。」
「それじゃあ、もし食料が尽きたら?」
陽斗の質問に王女は間髪入れず答える。
「その辺の草でも食べるわ」
「それ、完璧と言えるのか?」
「言えるわよ!」
その時だった。茂みが激しく揺れ、低い唸り声のような音が響く。
「ぼあ!」
「イノシシ?」
「ボアよ! 油断すると突進されて死ぬわよ」
茂みから飛び出してきたのは、頭に奇妙な模様がある巨大なボアだった。
「ってなにあれ? 普通のボアじゃないわね…」
陽斗はじっとボアを見つめてから一言。
「あれは、頭にフンをのせているようだな」
「そういう模様でしょ! こんな時に何言ってるのよ!」
「模様にしては奇妙だろう」
「そんなわけ――」
「ぼあっ!」
ボアが突進してきた。二人はなんとかかわす。
「で、こいつをどうする?」
「倒すしかないわ!」
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ボアの攻撃が加速する。再び「ぼあぼあ!」と吠えると、尻尾を振り始めた。その尻尾から飛び出す複数の物体。
「避けて!」
王女の叫び声が響く中、陽斗はじっと飛んでくる物体を観察する。
「……あれ、魔法なのか?」
「どう見てもそうでしょ!」
「いや、ふんを飛ばしてきたように見えたが」
「そんなことする魔物聞いたことないわよ!」
「異世界には、スカ◯ロというマニアックな性癖が――」
「何言ってるのよ! くるわよ!」
再び襲いかかるボア。だが、次は尻尾を高速回転させて広範囲に飛ばしてきた。
「うげっ! なんて数なの!? 避けきれない!」
王女が必死に物体をかわすが、陽斗は冷静に呟く。
「安心しろ」
「だから、ふざけてる場合じゃないわよ!」
「ぼあぁぁぁ!」
飛び散る物体の嵐の中、王女が叫ぶ。
「いやぁぁぁ!」
だが、飛んできた物体は突然消えた。
「って、あれ? 物体は?」
陽斗は答える。
「異空間に飛ばした」
「たまには役立つじゃない。」
「たまにはだと?……まあ、いずれにせよ、やつのフンは魔王城に転移させておいた」
「さいて……いや、魔王だから別にいいわね」
「ボアボア!」
怒り狂ったボアが突進してくる。
「来るわよ! どうするの!?」
「ディメンション・ゲート」
転移空間が展開され、ボアがそのまま転移していった。
「これで終わりだな。魔王城に飛ばしておいた」
「あなた、何でも魔王城に送り込むのね…」
お読み頂きありがとうございます!
ちょっと下品な話だったかもしれません・・・




