↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

22/31

悲劇の根源

万里乃はいつの間にかシールドを張っていて、アークナーの女が撃ってきた銃弾は弾き飛ばされた。



「妹って……。けど今、妹は入院中じゃなかったのか?」



「そうよ!だから、妹がこの世界にいるはずが無いの。だけど、あれは間違いなく妹よ!」



冬牙は状況が理解できないまま、女の挙動を伺った。



その時、頭上からアークナーの女を目掛けて氷柱が降ってきた。女は余裕で避けると、必然的に冬牙達と距離ができた。



その場にいた全員が空を見上げると、そこには九聖衆のハンナと剣を肩に担いでいる、深い藍色の髪をした騎士の様な青年が空中に立っていた。



「久々のアークナー様様だな!」



騎士の様な青年は剣を構えると、空中から猛スピードでアークナーの女に切り掛かった。

女は剣の猛追を間一髪の所で避けながら、隙をついて銃を発砲した。

しかし、騎士の様な青年も銃弾を剣で受け止めながら更に剣技を繰り出し、炎を纏わせた剣でとうとう女の腕に切り傷を負わせた。



「今日こそ観念しろよ、アークナー!俺様がその頭ぶった斬ってやるからな!冥土の土産に名乗ってやる!俺様の名前は弘次(ひろつぐ)!ヒーローを継ぐ男だ!」



弘次はそう言うと、再び炎を纏わせた剣で女を真っ二つに切り裂いた。



かに思えた。しかし、女は全くダメージを負っていなかった。

女は不敵な笑みを浮かべると、腕の傷をそっと撫でた。

すると、そこにあったはずの切り傷は綺麗に無くなっていた。



「おいおい、回復持ちかよ!ずりぃぞ!」



「弘次!駄洒落はいいから早く討伐するよ!」



頭上からハンナの声が降ってきた。



「駄洒落じゃねぇし!バカにするなよ!?」



「いいから、今は敵に集中しなさい!」



「それよりも馬鹿にした事早く謝れよ!このあばずれ!」



「はぁ!?誰があばずれよ!この厨二病!」



ハンナはカチンと来たのか、弘次と言い合いを始めた。




そんな状況の中、



「由香梨!」



万里乃が女にそう声をかけた。しかし、女は何も反応しなかった。



「由香梨……なんでしょう?私よ、あなたの姉の紗月よ!」



すると、突然アークナーの女は頭を抱えて唸り始めた。



「由香梨……!?」



万里乃は女に近づこうとしたが、冬牙がそれを制止した。



「ぐぁあぁぁああぁあああ!!」



女は持っていた銃を落とすと、その場で頭を揺さぶったり、悲鳴をあげたりして狂い始めた。



「なんだ?」



弘次は状況に気づき、ハンナも言いかけた言葉を噤んで女を見た。



アークナーの女は縋るように手を空間に伸ばすと、そこに人が1人通れるくらいの黒い穴が出来た。



「おい!待て!」



弘次はアークナーの女に斬りかかったが、間に合わず、女は黒い穴と共にその場から消えてしまった。



「くそ!また逃がしちまった!!」



弘次は悔しさで剣を地面に突き刺した。



「一体何があったのよ」



ハンナは万里乃にそう言うと、万里乃はアークナーの女が妹にそっくりで、名前を呼んだら突然狂い始めたと伝えた。



「どういう事なの?居ないはずの妹がこのゲームにいるなんて。もしかしてこの世界に取り残されている……?」



冬牙はそれを聞いて、あの時食事中に出会った男、スライザスを思い出した。



「その可能性は大いにあるかもしれないな」



冬牙はハンナにそういった。



「スライザス……でしょ?」



万里乃も思い出したようにそう言った。



「スライザス?そいつがどうしたの?」



「そいつに誘われたんだ。こっちの世界に来ないかって」



「なるほどね、そいつもアークナーの可能性があるわね。寧ろそいつが悲劇の根源かもしれない」



「しかもそいつは、俺の職業がウイルスだって事も知っていた」



「え?それはおかしいわ。あなたの事を知ってるのは少なくとも、あなたの連れや私達九聖衆と上層部くらいよ」



っと言うことは……。と、ハンナはある答えに辿り着いた。



「アークナーは九聖衆か上層部にいるってこと?」



それを聞いて、その場にいる全員が凍りついた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。