U.16「潜入☆彡✨海底支社✨」
テコイレィは、 イーコが持つ古代技術書の出所について語り始めた。
「その本ね、 企業の海底支社から発掘されたものなのよ。 あそこには他にも 解読されてない古代技術書が山ほど眠ってるの」
ゼプシオンは思わず眉をひそめた。
「なんで海底にそんなもんがあるんだぜ」
「そんなの私が知るわけないじゃない」
テコイレィは即答し、 会話を切り捨てた。
だが、 イーコの目は輝いていた。
「じゃあ・・・・・・海支社に行けば、 もっと技術書が手に入るってことだよね?」 「もちろん。 行く?」
「行く ! 」
イーコの即答に、テコイレィは満足げに頷いた。
その横でゼプシオンが不安げに口を挟む。
「ところでよ······ 俺の体、 今どうなってんだ」
テコイレィは軽く肩をすくめた。
「勇者の化身は今チュウネンとケツゴウしてるから、しばらくは大丈夫よ。 上 太郎の体はすぐには壊れないわ」
ゼプシオンは胸を撫で下ろした。
次にゼプシオンは潜入方法を尋ねた。
「で、どうやって海底支社に入るんだぜ」
「簡単よ。 私がチュウネンに変装するの。 イーコは研究助手、 ゼプシオンは古 代技術の発掘物って設定で運び込むの」
「発掘物って・・・・・・俺、 荷物扱いかよ」
「文句言わないの。 便利なんだから」
こうして三人は数日かけて海へ向かった。
海辺に到着すると、 テコイレィは呼吸機能を保護する呪文を唱え、三人は海 へ飛び込んだ。
海底には、まるで地上の城をそのまま沈めたような巨大な建造物と、 それを 囲む集落が広がっていた。
「この集落は下請けの魔族でいっぱいだから気にしないでね」
テコイレィは慣れた様子で言い、 城 企業の海底支社へ向かう。
イーコはその光景を見て、 胸の奥がざわついた。
(・・・・・・偽り村と同じだ)
魔族が労働力として扱われている構造が、 彼の故郷と重なって見えたのだ。
ゼプシオンは“発掘物”という設定のため、 イーコに担がれたまま運ばれてい く。
「おい、もうちょい丁寧に運べよ・・・・・・」
「発掘物が喋ったらバレるでしょ」
「ぐぬぬ・・・・・・」
支社の受付に到着すると、早速トラブルが起きた。
「社員証を確認します」
受付の魔族がカードを見て眉をひそめる。
「これ、古い型ですね。 更新されてませんが?」
テコイレィはチュウネンの声色を真似て言い放つ。
「仕事が忙しくて受け取れていない。 本社に戻ったら更新する」 受付は渋々頷き、三人はなんとか支社内部へ入ることができた。
だが、安心したのも束の間だった。
「チュウネンじゃないか」
低く響く声が背後から聞こえた。
振り返ると、 支社長のヘビースモークサーモンが立っていた。
「入社以来だな。 少し雑談でもしようじゃないか」
ヘビーはチュウネン(=テコイレィ) の肩を掴み、 強引に別室へ連れて行こうと する。
テコイレィは振り返り、 イーコとゼプシオンに目で合図した。 (今のうちに技術書を探して ! )
イーコは頷き、ゼプシオンを担いだまま別方向へ走り出した。 こうして三人は、 海底支社の中で別行動を取ることになった。




