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#3:vsエレード

いきなり新キャラ登場です。

この展開は結構前から考えていました(エレードがこんな性格になるとは想像もしてなかったんですけどね)

 目の前の光がおさまると、そこには一人の人物が立っていた。金色の髪に透き通るような藍眼を持った少年が立っていた。


「初めましてだね」


 体格は俺と同じくらいだろうか。どうしてこの場所にいる。俺はフィーシャをそっと後ろに下げ、警戒しながら彼を見た。


「おっと、そんなに警戒しないでよ」

「そんなことを言われてもこんな場所で警戒しないほうがおかしいだろ」

「あははっ、それもそうだね」


 目の前にいる青年はそう言うと無邪気に笑った。


「僕の名前はうーんそうだなぁ。色々ありすぎて正直何て言ったらいいのか分からないや」

「色々ですか?」


 俺の影に隠れていたフィーシャが彼に聞いた。


「エレードが一番気に入っていた名前だったんだけどね」

「エレードですか……?あれ、その名前は」

「どうかしたのかフィーシャ?」


 彼の名前を聞いた瞬間に、フィーシャが何かを考え始めた。そんな彼女を見ると彼は笑いながら答えた。


「シャルル=エルードと言えば分かるかな?」

「あっ、初代の王ですか?」

「うん、そうだね。エレードっていうのは僕が〈聖なる勇者〉をやっていた時の名前だね」


 「あの頃は楽しかったなぁ」とエレードは少しばかり自虐気味に言った。


「普段の試練は僕は影で見守っているだけなんだけどね」

「それはこうして今のように〈聖なる勇者〉と会話することは本来なかったと言うことでしょうか?」


 フィーシャがそう問いかけるとエレードは頷いた。


「今回は色々と状況が違うみたいだからね」

「状況……どういうことだ?」


 エレードは右腕を前に出し、グーの形から人差し指を伸ばし、上に掲げた。


「一つ。君の力が異常だからかな。君は歴代勇者の中でも圧倒的に強い」


 エレードは次にもう一本指を伸ばす。


「二つ。君は何か異質な力を持っている。少なくとも普通の召喚はされていない。〈聖なる勇者〉の力だけではないだろう?」


「最後に、これはまぁ君には直接関係ないんだけど。僕たちの目的を果たしてもらおうかなって」

「目的?俺は誰かの指図を受けるつもりはないぞ?」

「うん、そうだろうね。だけどどのみち君たちとは戦うことになると思うよ?」

「それってどういう」


 俺が彼に詳しく聞こうとすると、突然彼から殺気があふれ出した。


「さてと、これほどまで強い相手と戦うのは久しぶりだからな」


 そう言うと彼の姿は突然消えて、目の前に立体となって現れた。


「さっきのは実体じゃないからね。もっとも今も元々の僕の肉体ってわけでもないんだけどね」

「だろうな。そうじゃなければこんな試練なんかやらなくても、戦えるんだろう?その誰かさんと」

「ふふっ、そうだね。さっきの話だけでそこまで推測できるとは思ってなかったよ。僕は不死を手に入れたはずだったんだけど、手に入れるのが遅すぎて魂だけ残っちゃったんだよね」


 彼はそう言うと苦笑いを浮かべた。そして、聖剣を召喚した。


「僕が作ったものだけど、本物と大差はないんだ」


 そう言いながら彼は指で音を鳴らす。すると中央の地面から突然地面に突き刺さっている聖剣が下から上がってきた。


「取りなよ」

「ああ、そうさせてもらおう」

「ヒカル様。私も援護を」


 そう言ってフィーシャは俺の横に立とうとした。


「ああ、ごめんね。普段王族の援護もありってことにしてるんだけど、今回はなしにしてもらえるかな?」

「で、でも」


 少しだけ不満そうにするフィーシャの頭を優しくなでた。


「大丈夫だ。ここは俺にやらせてくれないか?」

「ヒカル様……分かりました。私は下がっていますね」


 フィーシャはそういうと後ろに下がった。俺はゆっくりと聖剣に近づき、そしてその剣を台座から引き抜いた。

「それじゃあ、試させてもらおうか」

「あっ、そうそうミスラに僕の弱点を聞くのは構わないからね」

「知り合いなのか?」

「うーん、脳内にいるから知り合いって言えるのかよくわからないけどね。ただ僕の時にはまだ子供って感じのイメージだったけど。できるのは本当に道案内くらい。それでもかなり助けられたけど」


〖マスター頑張ってください。彼は強いです。マスターを除けば歴代勇者の中でも最強です〗

〖分かった〗

〖弱点は……〗

〖大丈夫だ。あいつとは正面から戦わせてくれ〗

〖わ、分かりました〗


「話し合いは終わったかな?」

「ああ、ミスラから情報はもらわない」

「へぇ、僕相手に1vs1を挑むつもりかい?」


 エレードは挑発するような笑みを浮かべ、手招きをした。先手は譲るってことだろう。


 俺は新たに手に入れた聖剣を構え、じっと相手の隙を伺った。少しばかりあいてを威圧してみたが、反応はない。このままだと戦況は動かないか。そう考えた俺は、一気に加速して一瞬でエレードの目の前に迫り、目の前から聖剣で斬りつけた。


「うわっ、っちょ」


 エレードは少し慌てた声を出しながらも後ろに下がりながら、剣でガードした。俺はさらに追撃をしたが、思ったよりも相手の懐に入り込むことはできず一旦距離を取った。


「いやぁ、恐ろしいね。あの速度でかつ僕を押しのけるほどの力があるなんてね」

「……どうも」

「しかもスキルもまだ使ってないと来た」


 彼はそう言うと、剣に力を貯めて、空から一気に聖なる力を放出させた。


「『ジャッジメント』」

「『ウォール』」


 俺は障壁を展開させて、身を守った。


「僕の魔法を受けてなお、ダメージを受けないどころか障壁すら壊せないなんてね。こんなの初めてだよ」


 彼はワクワクしたようにそう言った。


「だけど剣の技術はどうかな?」


 そう言うと、彼は一気に俺の目の前に近づいてきた。ただ、これは。


「なっ!?」


 俺の予想通り、少し反応は遅れたもののエレードの持つ剣が俺に当たる前に、俺は彼を斬った。


「くっ。意表を突いたと思ったんだけどなぁ」

「確かに意表は突かれた。だが俺の反射神経が、僅かに攻撃速度を上回った」

「ふふふ、面白い。これほどの理不尽をまた味合わせられるとはね。それにまだ全力を出してないでしょ?」

「ああ、そうだな」

「いいよ、全力で来な。僕も全力を出そう」


 俺は右手で聖剣を握ったまま、左手に剣を召喚した。


「その剣はまさか!?」

「ああ、魔剣だよ」


 俺がそういうとエレードは驚いた表情を浮かべた。


「そういうことか。〈聖なる勇者〉の力だけではなく、〈魔王〉の力も持っていたんだね。どうりで異質な力を感じるわけだ。君がいれば僕の、いや僕たちの念願がかなうかもしれない」

「どういうことだ?」

「君が聖剣を持つのに足る人物か、僕の全力を持って確かめさせてもらうよ」


 エレードはそう言うと、再び敵意をむき出しにして俺に迫ってきた。


~~人物紹介~~

本人は冒険が好きだったが、無理やり王様に就任された過去を持つ。

たくさんの偽名を持っている。エレードが本名だと言われているが?

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