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#10:暗黒魔王

いつの間にか、また期間があいてしまいました……

ついにラフトの計画が……?

 今日も今日とてのんびりしよう、そう思っていた。


〖マスター、高エネルギーが感知されました〗

〖うん、魔王様ほどではナイ。ケド、放ってオカナイ方が良いカモ〗


 ミスラとノヴァは俺を化け物扱いしているのはさておき、高エネルギーの反応か。とりあえず、行ってみるか。一応美涼たちに相談したほうがいいのだろうか。いや、いいやこっそり出ればばれないだろう。




「あ、光君お出かけ?私も一緒についていきたい」


 はい、秒で愛にばれたよ。しかも彼女が元気にそう言うからみんなが一斉に集まってきた。


「買い物に行ってくる。今日は一人で行ってくる」


 そう言って立ち去ろうとしたのだが、美涼と瑠光が回り込んできた。


「なーんか違うのよね。そもそも貴方はそんなことしないだろうし、戦いに行こうとしている感じがするのよね」

「うん瑠光もそう思う。私たちを置いてだれと戦うつもりなの?」


 二人がそう言うと、他の女子たちがぽかんとした。けれども、二人は俺に追及の視線をやめない。俺はその後言葉を濁したのだが、効果がなかった。むしろ、勘づかれてしまい逆に追及の視線を増やすことになってしまった。


 ――結論、負けてすべて話させられました。




 ミスラとノヴァから言われたことをそっくりそのまま彼女たちに話した。話し終わると、美涼が怒りながら言った。


「なんで、そんな危ないことを一人でしようとしたのよ」

「さっさと終わらせようと思って」

「ヒカル、絶対はないんだよ?」

「ヒカルさん、もし瀕死になったときに私がいなかったら誰が回復するんですか?」


 瑠光と愛月もそう言ってきた。他のメンバーも同じようなことを言った。俺に死んでほしくないとのことだった。一緒に同行している時点でこれは怪しいところがあるが、ただのクラスメイトにどうしてそんなに言ってくれるのだろう。


「ったく、しゃーねぇな」


 俺がそう言うと、彼女たちは嬉しそうな表情を浮かべた。


「愛、ピクニックに行くんですこと?」

「え、光君と遊びに行くんじゃないの?」


 先行きが不安な人がいるけど大丈夫だろうか?愛には由衣がついているから大丈夫……なのか?




――ミスラたちが高エネルギー反応を検知したおよそ1時間前




「そろそろ生贄を放置していい感じですか」

「何言ってるのよ!」

「貴方にはエネルギー源となっていただこうと思いましてね。そのためには貴方を一度弱らせないといけないといけないので」

「私がそんなのに黙ってなるとでも?」


 彼女は睨むようにしてラフトにそう言った。普通の大人であれば、思わずひるんでしまうそんな感じの表情だ。しかし、ラフトは笑うと人差し指を顎に当てた。


「その強気は張りぼてだろう?」


 丸山は思わずたじろぐ。ラフトの言うことは最もであり、精神的には既に疲弊していた。最も全てラフトの計算によって踊らされているため、どれくらい疲弊しているかはラフトは大体わかっている。丸山は強気に何とか心を保とうとしているだけだった。しかし、その内面まで見透かされていると知った彼女は徐々にその表情が崩れていく。


「や、やめてよ」

「おや、元気が急になくなってきましたね。まぁ、泣いたって無駄ですが。それではそろそろ実験開始と行きましょう」



 ラフトはそう言うと、機械のようなものを操作し、丸山に何かをセットした。




「な、何をしてるの……」

「貴方は黙っていればいいのです。いずれ貴方は貴方でなくなるのですから」

「くっ」


 私の中に何かが流れてくる。うぅ、やめなさい。そう叫びたいけど、金縛りにあったかのように声は出ない。自分の体と精神が完全に別れてしまったように痛みを感じない。私を覆うのはこれからどうなるかという恐怖と絶望感。


「助けてよ、良太」


 私は最後の力をふり絞ってそう答えた。




「ふふふ、いよいよです」


 生贄の勇者が倒れ、心をへし折ることに成功した。彼女から絶望と恐怖の感情を手に入れることができた。これさえあれば、目標のものを作ることは可能でしょう。


「エネルギーが溜まっていますね」

「ついに終わったのか?」

「ええ」


 ――何ですか、今気分のいいところなんですから。私は声をかけてきたウィンドにそう思いながら、それを表面に出さないように反応した。




 生贄の勇者を黒いオーブが覆い始めた。やがてオーブはマルヤマを真っ黒に覆った。さらに周囲から黒いオーブがどんどん集まり彼女を覆い始めた。長い時間をかけてやがてそれはおさまった。そして、やがて黒のそれは再び人の形へと戻った。しかしそこに丸山の面影はなく、黒い鎧を着け黒の仮面に黒の王冠のような物をつけた人物が立っていた。


「私を召還したのは貴様か?」

「そうですけど貴方様は」

「私は闇の王、暗黒魔王だ」


 ラフトは笑った。ラフトの見立てでは暗黒モンスター、暗黒兵士より上の暗黒騎士程度だと思っていた。しかし、丸山に溜まっていた負の感情が想像よりも大きく、闇暗黒魔王というものを復活させることに成功したのだ。


「貴様の望みは何だ?」

「私は主様の目標を達成するということです」


 ラフトは自身の主と主の目的を暗黒魔王に伝える。すると暗黒魔王は不敵に笑った。


「確かに奴は同じ個体を作ることはできない。だが、私はあの時封印されただけだった。私を召還したのは偶然か?」

「命令されたとおりにやっただけですので」

「なるほど、それならば狙い通りか。私はどうすればよい?あのお方のもとに行くべきか」


 暗黒魔王がそう言うと、突然そこに一人の男が現れた。


「リーダー、どうかしましたか?」


 ラフトやローラ、アルとリアに命令をしていたリーダーと呼ばれた男が来た。彼はもともとあのお方からの命令を伝える人物だ。ゆえに拠点から動くことはまずない。しかし、そんな彼が今目の前にこうしている。


「初めまして、暗黒騎士。あのお方からのメッセージを伝えに来た」

「うむ、聞こうじゃないか」




「さてと、やはり僕の予想通りだったみたいだね」


 拠点に一人の人物が現れた。しかし、そこにいるアルとリアが気づくことはない。勿論意図して、見えないようにしているんのだが。


「久方ぶりに、暗黒魔王の再来かぁ。作ったことにしたけど、昔呼び寄せた人間。魔王の力に飲まれしもの。何で今代の魔王は失敗したんだか」


 不敵に笑うその人物こそが歴代魔王を召喚してきた人物だ。


「まぁいくつか予想はできている。今代の魔王には戦う意思がないのかあるいは何別の力に阻害されている……かな?」


「どっちにしろ面白いよ。過去一番ね。歴代魔王の実体はこれで二体目かぁ。実体を復活させることはできないからなぁ。今代の勇者や魔王どもに止められるかどうかは知らないけど、面白くなりそうだ」

暗黒魔王は過去に召喚された歴代魔王のうちの一人です。

ここからタイトル回収

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