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#7:vs氷の英雄

久しぶりの更新です。

ついに伊藤君と氷の英雄との戦いです。

果たして勝つのは……???


4作品投稿企画4作品目です。完走!よかったらぜひ他の作品も見てやってください。

 とは言ったものの、まともな勝負になるわけもなかった。もともと俺がチートスキル持ちだったというのもあるんだけど、ここ最近はしっかりと鍛錬していたからな。一方でこいつは多分、この世界に来てからまともに鍛錬を積んでいないんだろう。


 この強さなら、誰でも美涼や瑠光は勿論のこと、俺と同じくEランクと示された愛たちでも十分に戦えるだろう。俺は伊藤の攻撃をいなし続けていた。こいつを操っているあいつの隙を突こうと考えていたからだ。


「おや?君ひょっとしてこの勇者よりも全然強いね?今も私のこと不意打ちしようとしているんだろう?そうしたいなら、いいけど正々堂々とかかってきなよ」


 伊藤を操っている女性はそう言うと、あざ笑うような表情で俺事を見てきた。俺の狙いに気づいていたのか。まぁ、何にせよお前を倒して色々聞きたいこともあったしな。


「愛月、伊藤を元に戻してやってくれ」


 俺はそう言うと、伊藤を地面に思いきりたたきつけ一撃で戦闘不能にした。そして、伊藤をつかんで彼女の方に投げ渡した。


「待たせたな」

「ふふふ、いいねその目。どっかの誰かさんとは大違い……いやある意味似ているのかもね」

「どういう意味だ?」

「ふふふ、君は気にしなくていいんだよ?私の眷属になるんだから」


 彼女がそう言うと、水色に輝く美しい瞳が一瞬怪しげに光った。これが魅了の魔法なのか?しかし、状態異常無効を持っているため、俺には効かない。


「ふふふ、それじゃあ後ろの子たちは君を慕っているみたいだし、後ろの子たちを倒しなさい」


 彼女は俺が催眠にかかっているものだと思っているらしい。というより、今までの人生で失敗したことがないんじゃないかな。状態異常無効何てギフト持っているのって多分この世界で俺だけだと思うし。


「断る」

「なっ!?」


 俺はニヤリと笑ってそう答えた。目の前の人物は凄く驚いたような顔をしていた。


「魅了が効いていないの?」

「ご名答、何か言かけても無駄だよ。それでまだやるの?」

「ふふふ、最高だよ君は。なら実力で思いしらせて眷属なんかじゃない」


 ――私だけの物になってもらおう。


 言葉が突然俺のすぐ横で聞こえたような気がした。すると俺の左ほおに槍のようなものが迫っていた。それを俺は手で受け止めた。

「……何で」

「それじゃあ俺は倒せないよ……っと!」


 そして、俺はその槍ごと彼女を吹き飛ばして壁に当てた。


「くっ、流石に強いね」


 倒したと思ったんだけど、彼女は立ち上がった。既に彼女は満身創痍だと思うんだけど、その瞳は死んでいないように見える。


「そろそろ全力を出したらどうだ?」

「なっ!?なんでそのことを?」


 どうやら彼女はまだ全力じゃないらしい。ありそうだなと思い言ってみただけなんだが彼女には焦りの表情が見えた。


「まぁ使わないことには勝てないだろうし、私のやることは一つ。『限界突破•氷』」


 彼女はスキルを発動させた。どうくると思ったら、再び俺に向かって今度は正面から槍を突き刺してきた。それを俺は止める。確かにさっきよりは速くなっている。しかし、俺の足元にも及んでいない。


「『アイススピア』」


 すると今度は彼女が槍に氷属性のスキルを使用してきた。彼女は氷属性の使い手か。


〖この人もしかして、六大英雄の一人じゃ?〗

〖えっ、そうなのか?〗

〖私は直接かかわったことがないので、勘ですけど。ミスラはどう思います?〗

〖ウン、多分ソウ〗


 前代の魔王と共に戦ったノヴァが言うのであれば間違いはないんだろう。それじゃあ、その彼女が一体何でこんなことをしているんだ?そもそもロキさんやエレクはこのことを知っているのか?俺の中にある疑問が疑問を次々と呼び起こす。


「戦闘中に腑抜けていると、死ぬわよ。『アイスクリスタル』」

「『ファイヤー』……いつ誰が腑抜けたって?」


 確かに考え事はしていたけど、別にこれぐらい戦闘に何の支障も満たさない。彼女の出した無数の氷の塊は俺の放った一つの大きな炎によって全てのみ込まれた。


「ちっ、これも効かないのね。癪だけど仕方ない、大技を使うことにする。『氷龍』あいつらを氷漬けにしなさい!」


 彼女は氷で大きな龍を作り上げた。そしてそのドラゴンから大量の冷気が放出されようとしている。普通にどんな技を使っても相殺できる自信はあるんだけど、折角ならミスラに似たような技を開発してもらったし、それを使ってみるか。


「『火龍』」


 そして二つの龍が衝突し、やがて火が氷を呑み込んだ。二つが消滅したあと、そこから呆然としている女性の姿があった。


「どうして、あなたがその技を使えるの?」

「どうしてって言われても」


 俺も知らないんだよなぁ。ミスラのお陰でしかないから。俺自身はこの魔法教えてもらっただけだし。そもそもこの魔力ですら自分の物とはいいがたいしね。転移時に与えられたものなんだろう。


「もう降参するか?」

「うん、そうだね。これ以上戦っても勝ち目ないからね」

「そうか、それじゃあ街の人にかけた催眠を解け」

「はーい」


 彼女がそう言うと町全体で何かが砕けたような感じがあった。しばらくすると、慌てて入ってくる兵士や、起きた王様が荒ぶり出して大変だったのだが、これらを何とか収めた。むしろ、この工程がこの国に来てから一番大変だったようにも思える。だって、俺コミュ力ないしな。




「この度は私共を救っていただきありがとうございました」


 俺たちに感謝の言葉を述べるのは、この国の国王様だ。とはいってもシャレスト王国の国王みたいに、おっさんではないため威厳は感じられない。凄い若そうな見た目をしているし、物腰からもそれは伺える。とは言ってもエルフであるため、シャレスト王国の黒王よりも生きている年数は長い。


「いえ、私はこの国の異変を感知して来た次第でございます故、お気遣いは無用です。ただ、この者は私たちで預からせていただきます」


 さらっとカッコいい言葉を美涼が言う。彼女のこの者とは先程俺と戦っていた女性のことだ。あの後、気が抜けたのか気絶してしまい、何故襲撃してきたのかといった理由を聞けていない。それを聞くために、一度尋問するらしい――誰がするのかは聞いてないけど、俺ではない。




 伊藤は、どうやらこの国で仕事をするらしい。なんでも洗脳されて迷惑をかけたから少しでも罪滅ぼしをしたいとのことだった。そして、今回の件でエルフの王も同盟の必要性を考えたらしく、フィーシャやサリーも同席しているということで、同盟を結ぶということで話が一致した。


 これでシャレスト王国を中心としたボルルア、ウィシュト王国間での三か国の同盟は約束されたものであろう。あと残るはモココとティファリナ帝国だ。モココは自治領ということもあり、王が存在しない。その代わりにいくつもの街が存在しているため、同盟が結びにくい。俺が魔王なため、ティファリナ帝国側からは同盟の約束は出せるのだが、信用してもらえるかと言われたらそれは無理だろう。三か国の同盟は勇者の俺たちが成し遂げた者であって、魔王の俺がなしたものではない。


 その二か国も含めた同盟を結ぶことで、ようやく賊の殲滅に入るわけだ。ティファリナ帝国の人々は心優しく、決して魔族と言われてはいけない。そして、それを仕立て上げた者がいる。そう考えるとまだ完全な平和までの道のりは長そうだな。


 そしてウィシュト王国の国王たちとはそれで意見が一致したが、国民の中には納得しない人だって当然出てくるだろう。まだまだ先が思いやられると思い、俺は溜め息を吐いた。

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