#5:ウィシュト王国への旅
お久しぶりです。時間が待ったので書きました。
本作の方針ですが、前回にも書いたとおりで行きたいと思っています。年内はドタバタしていて、忙しいので亀更新になります。来年の1月以降は毎週投稿に戻せれば戻します。最後まで書ききりたいとは思っていますので応援よろしくお願いします。
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襲撃のあった日から二日が経った。この二日間で俺は、みんなを鍛えなおしていた。具体的には、女子たちのチームと俺で模擬戦をやるって感じだ。皆強くなっているけど、今のままだとこないだのリーダー格のやつには勝てないだろう。俺はあんまり表に出たくはないので、皆にはぜひ頑張ってもらわないといけない。
「ヒカル様、実は私に依頼が来たのですが……どうしましょうか?」
「依頼?」
今日は訓練も休みにして、ソファーで寝転がっていると、フィーシャが俺に声をかけてきた。俺はフィーシャが受け取ったという依頼の紙を見た。
「ウィシュト王国の調査?」
「はい。この間の魔物襲撃事件の時にエルフがいたのはご存じですよね?」
うん、魔物が突っ込んできている中、遠くから俺たちのことを狙っている連中がいたのは俺にも見えていた。
「本来であれば、魔物とエルフが結託するなどありえません。それに、最近エルフの国からの物資などが途絶えているのです。何も起きていなければいいのですが流石に怪しいです」
「だからフィーシャに依頼が出たのか?」
「私と言うよりも美涼さんたちにですね」
あいつらはAランク勇者だし、こないだの襲撃事件の時に美涼と瑠光の二人はそれぞれ〈賢者〉と〈剣聖〉の職業が追加されていた。だからなのか、依頼がよく来るのだそうだ。普段はフィーシャが断りを入れているらしいのだが、今回は王様の命令ともあって、無視をすることは出来ない。
「分かった、ウィシュト王国に行ってみようか」
「分かりました、そのように伝えておきますね」
フィーシャはそう言うと、王様に伝えに行くと言って出かけて行った。ウィシュト王国はエルフの国と呼ばれている。やっぱり一度は行ってみたいんだよなぁ。というかメアリーの件もあるし、どのみち一度は行く予定だったんだ。なら行くなら速い方がいいだろう。
「荷物は持ったわね?」
「うん、瑠光は準備オッケーだよ」
美涼が皆に聞いた。その言葉を聞いた瑠光が元気よく返事をして他のメンバーも頷いた。いよいよウィシュト王国への出発の時だ。
「私も大丈夫です。ヒカルさん手を繋いでいきましょう」
「愛月ずるい!私も手を繋ぐ!」
突然、愛月と愛が俺に密着してきた。いきなりのことで驚いたが、何故だかわからないがこの二人はよくこうしてくるので直ぐに平常心を取り戻した。メアリーは頬を膨らませてちょっと拗ねているような感じだし、唯は冷たい眼で俺のことを見てきた。いや、俺何も悪くなくない!?助けを求めるために美涼たちの方をみたのだが、美涼も瑠光もフィーシャも顔を合わせてくれなかった。
「ヒカル君は、女の子の気持ちをもう少し勉強した方がいいよ」
「それはどういう意味だ朱莉?」
「なんでもない」
朱莉には意味不明なことを言われるし、琴葉は朱莉の言葉にうなずいているし、サリーは俺たちのことをみて微笑んでいるみたいだ。とりあえず俺の味方はいないということが分かった。
「『エアロショット』」
「『ファイヤー』」
琴葉が弓を撃ち、残りを美涼が焼き払いながら俺たちはウィシュト王国を目指して歩いていた。それにしても馬車の中から狙い撃つなんて、どんな精度をしているのだろうか。この馬車が割と縦長で、彼女たちは前の方に居る。俺たちは馬車の後ろでのんびりとしていた。ちなみに馬車とは言っているけど、馬はいない。魔法で改造して、魔力で動くようになっている。あれ、これって馬車って言わなないか。
〖マスター、何か平和ですね〗
〖ウン、ヘイワすぎて何もやることなイ〗
〖事件でも起きたほうが面白いんですけどね〗
〖お前ら余計なフラグは立てるなよ!?〗
脳内でミスラとノヴァが暇そうにしていた。俺はさっきから代わる代わる女子たちの相手をしていた。みんな腕を組んできた。朱莉と琴葉、それから唯は腕を組んできたりはしなかったけど、交代で話ながら進んでいた。そのため、俺は戦うことはなかった。
北に向かってから二日が経った。今までは暖かい、日本にいた頃と気温はほとんど変わらないものだった。しかしながら、先程から気温が下がっているように見える。
「なぁ、なんか寒くないか?」
「そうですね、なんだかとても寒いです」
俺が近くに居たサリーに聞いてみると、彼女も同じことを思っていたらしい。すると反対側にいた、フィーシャが代わりに答えてくれた。
「シャレスト王国の北、ウィシュト王国の周辺は雪原地帯となっています。氷に覆われた大地ってところでしょうか。街は氷で覆われていて、お城は初代勇者様が氷で作ったと言ます。その美しさから氷の都とも呼ばれている場所です」
氷の都か。RPGとかだと割と終盤に出てくる場所か。まぁこれもテンプレっちゃテンプレか。ただ少し残念なのは、エルフが森に住んでいないことだ。いや、なんかエルフって森に住んでいるイメージあるからなぁ。
「それにしても氷の都って美しい場所なんだろうな」
「そうですね、私も一度しか行ったことがないので……ヒカル様、楽しみましょうね」
「ああ、そうだな」
「ふふふ、楽しそうですね」
サリーが俺たちを見て微笑みながらそう言った。そう言うサリーの頬もほころんでいて、彼女も楽しみにしているのだろう。サリーが手を差し出してきたので、俺は彼女の手をそっと取って手を繋いだ。
「あ、いつの間に光君とイチャイチャしてる!」
「私もご主人様と手を繋ぎたいです!」
いつの間にか戦闘が終わったのか、愛とメアリーが戻ってきた。別にイチャイチャはしてないと思うんだけどな。手を繋ぎたいと言っていたメアリーには後で手を繋いであげると言ったら、とても喜んでいた。しばらく経つと、みんな見張りから戻ってきた。
「あらヒカル、私も癒してほしいのだけれど?」
「ヒカル、瑠光もつかれた」
「ヒカルさん、私もお願いします」
その後、俺は流されるようにして彼女たちの玩具にさせられてしまった。色々な所をペタペタと触られたり、俺の体に彼女たちの柔らかいもの当てつけられたりとそれはもう幸福な時間を過ごした。でもなんで俺にここまでしてくれるんだろう、旅の仲間だからだろうか?
〖相変わらず鈍感ですね、マスターは〗
〖ウン、まぁ魔王様はこうイウ人〗
〖おーい、さらっと俺のことディスってるよね?〗
こいつらには俺のことを敬う気持ちはあるのだろうか。いや、別にそこまでする必要はないけど、せめてけなすのはやめてほしい。そんなこんなで、外からも中からも魔物の恐怖とは違う、俺のチートが全く役に立たない攻めを受けて疲弊した俺は、倒れるように車の中で眠った。
「ご主人様、起きてください!」
「ううん、メアリー?」
「もうすぐ、ウィシュト王国に着くみたいなので起きてください」
「……あと5分」
「ヒカル、起きないと悪戯しちゃうわよ?」
「本当に寝坊助な人ですこと」
「はいっ、起きました!」
もう少し寝たかったのに、美涼と唯に圧に負けて、眠気がすっ飛んでしまった。
「あ、ヒカルさん見えてきましたよ!?」
「何が見えたんだ、愛月?」
俺は聞きながら、彼女の横から顔を出し前方を見た。そこには氷で囲まれた城壁のようなものと巨大な氷の橋、さらにここからでも迫力のある、氷で出来た美しい城があった。芸術にさほど興味はなかったけど、これは凄い。今からこの街に行くのか。ウィシュト王国の異変と、メアリーについて調べるために。後ろの目標については、本人は言っていない。彼女が何故ティファリナ帝国で奴隷として売られていたかは分からないが、変装しておいて貰った方がいいだろう。
観光も楽しみたいが、まずはこの国で何が起きているのかを確かめないとだな。その思いを胸に、俺たちの馬車は門へと近づいて行った。
ようやくウィシュト王国に到着です。今回も後書きはありません。後書きについても1月以降はまた書ければと思っています。




