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#34:決闘

34話目です。

バンゲルの騎士たちとの勝負!ヒカルは魔王としての実力を見せつけられるのか!?

魔王として初めて参加した会議から1日が経った。今日はバンゲルの騎士たちとの決闘がある。俺は【アイテムボックス】からこの前作ったオリジナルの剣を出して装備した。ちなみに防具を装備すると動きにくくなるので装備はしていない。


「魔王様、準備はよろしいですか?」



 ルイズが俺に声をかけると、オリビアが心配そうに俺のほうを見つめてきた。ルイズたちに簡単に連れさられたので、俺に力がないと思っているのだろう。魔王としての力を証明するには闇属性の魔法を駆使して倒すのがいいか。


〖魔王サマ、今回はノヴァが指示スル〗

〖指示するって?〗

〖過去の魔王サマが使った技の一部を教エル。使うのには絶好の機会〗


 闇属性の技については俺よりもノヴァのほうが詳しい。今までで使ったのは洞窟で1人こっそり使ってみたときだけで、今まで使う機会がなかった。今日は実際に威力を試すいい機会だ。



 俺は兵士に案内されて闘技場の入口へと入場した。しばらくすると兵士が扉を開けたので入場した。


「魔王様の入場だー!」

「頑張れよー!」

「あんな弱そうなやつが魔王か」


 闘技場はオープン型となっていて、天井はない。観客席がたくさん設置されており、身分関係なくたくさんの人が見に来ているようだ。俺は注目されたくないんだけどなぁ、面倒くさいし。


 

「今日はよろしく頼むぞ」


 バンゲルの騎士団のリーダーであろう人がこちらに握手を求めてきた。別に断る理由もなかったので応じたのだが、手ががっちりとしていた。おそらく相当な努力をしたのだろう。経験では確実に負けるだろう。他の9人の騎士たちも彼ほどではないとはいえ、皆実力者ばかりだ。


「それでは位置についてください」


 オリビアの合図があると俺たちはそれぞれの開始位置に移動した。


「決闘開始!」


 開始の合図があったが、俺は動かない。騎士の1人が俺に向かって突っ込んできた。


「出た、神速•エステル様の突っ込みだ」

「早い!」


 歓声が盛り上がっていた。エステルという名の騎士の動きは観客には早く見えるのだろう。しかし遅い。彼を躱し、残りの9人の騎士たちがいるほうへと近づいた。かなり近づいた瞬間に騎士団長だけが俺の存在に気づいた。そしてその大剣で俺の剣を防いだ。


〖マズハ剣に闇の力を纏ってみて〗


 それならばと思い、過去に使ったこともある『ダークインパクトソード』を使った。そして騎士団長の剣を破壊した。すると騎士団長はとっさに後ろに下がり、3人の騎士たちが俺に向かって突っ込んできた。後ろに下がりたかったのだが、エステルが後ろから先程よりも一段階早くコチラへ向かってきた。完全なる挟み撃ちだ、ある程度のステータスがなければ後ろからやられてしまっていただろう。


 しかし一段階上がったところでまだ遅い。折角なのでエステルの剣を正面で受け止めることにしよう。


〖自分の体と影を意識シテ〗

〖分かった〗

 

 ノヴァからの指示が来たので、その作戦は中止だ。体と影に集中してそれでどうするんだろう。そう思っているとエステルが後ろから俺を斬った。誰もがそう思っていたのだが、俺はエステルの後ろにいた。


「そらっ」


 俺はすぐにエステルを吹き飛ばした。もちろんかなり威力は抑えているので死ぬことはないだろう。それにしても今の技は何だったのか。


〖今の技ハ『幻影』。本来ハ相手に幻覚を見せたりするものだけど、今回は直前までその位置に居て一瞬で後ろに回った。だからエステルは人を斬った感覚があるハズ〗


 斬ったと思った相手に後ろから吹き飛ばされた。彼はその事実に驚きを隠せなかった。彼が完全に負けたという事実は残りの騎士たちも怯えさせた。


「まだ終わったわけじゃないぞ!」


団長が叫んで突っ込んでくるとと他の騎士たちも続いた。すると再びノヴァからの指令が来た。


 〖敵のSPとMPを眺めてそれを吸収シテ〗


 眺めて吸収する、よく分からないがやってみるか。


「『地獄叩き』」


 騎士団長が地属性スキルを発動した。スキルをよく見てみると体から剣に伝わる何かが見えた。それをたどってみると心臓より少し外れた所にたどり着いた。俺はそこから魔力を取り出すイメージをしてみた。


 「『刃潰し』」


 剣と剣が衝突した瞬間に重心を乗せることで相手の重心を崩し、武器破壊を狙う技だ。先程騎士団長は剣を交換しており強度は以前のものとは段違いに強くなっていた。最も俺の剣には勝てないのだが。なので安心して作業に集中できる。


 俺が成功させたのは3度目だった。3度目の攻撃でようやく何かを吸収出来たような感覚があった。その直後に騎士団長がスキルを発動しようとしたが発動出来ていなかったことからSPを吸収することに成功したのだろう。そのあと後ろから風魔法で奇襲をかけようとしていたエステルの魔法を封じることが出来たのでMPも問題ないようだ。


〖そろそろ決めちゃっテ〗


 実験はどうやらここまでのようだ。ならば最後は盛大にビビらせてやるとしよう。実験で得た物は少なくはなかったが、実験しながら戦うというのは面白いものとは言えない。だから俺の全力を見せてつける。


 俺は『ブラックホール』を出現させた。洞窟で出した時よりも大きく、逃げ場がないぐらいの大きさだ。騎士団長が降参と叫び武器を捨てた。他の騎士たちも同様に武器を捨てたのを見てオリビアが試合を終了させた。


「魔王様が勝ったぞー!」

「あの魔法すげえ!」

「強すぎる!」

「ありがたやーありがたやー」


 いろいろな声が聞こえた。試合が始まる前とは違い、大分俺のことを評価してくれているようだ。普段目立とうとしなかっただけにこれだけの好意で応援してくれると嬉しいのはもちろんだが少し恥ずかしい。俺は照れを隠したいがために騎士団長たちと握手をした後そそくさと闘技場から去った。





「へぇ、なかなかやるね」


 闘技場の観客席。この試合を一般席から観戦していたエレクは誰かに伝えるわけでもなく、1人で呟いた。


 最後の魔法あれは確かに凄い。威力も申し分ない、彼の性格ならば、と淡い期待を抱いてしまっている。しかし、聖なる勇者と魔王どちらかが強すぎてもダメだ。本当の平和を目指すには両方の力を均衡させるしかないだろう。前代では惜しいところまで行ったのだが、結局王国が裏切り聖なる勇者の不意打ちによって倒されてしまった。しばらく見守るとするか。とりあえず証拠は掴んでいる。平和を脅かそうとするものを生かしていくわけにはいかない。


 




「くそっ」


 バンゲルの自慢の騎士団を以てしても適わなかった。油断があだとなり今の状況に追い込まれている。誰のせいだ、騎士団のやつらが手を抜いたんだ。何処にいる、手を抜きやがって。全力でやっていたなら子供1人簡単に倒せはずだ。


「おいどういうことだ?」

「お前たちがいながら何故負けた?」

「奴が強かった、それだけだ」


 エルスとセルスが騎士団長であるデマイルに問い詰めていた。奴が強かっただけだと?いい度胸じゃないか。


「デマイル、今回の敗北はお前たちが本気を出さずに油断していたからであろう。奴は決して強くなんかない、ただの子供じゃ」


 俺はデマイルを殴った。少しだけスカッとしたような気もしたが、あの魔王を殺すなり、従わせるなりして国を納めなければ気が済まない。


「そろそろやめておいたらどうだい?」

「証拠はあります。住民や騎士に対する暴行。見逃すわけには行きませんね」

「デマイルき、貴様ぁ」


 未来の支配者に向かって何をするんじゃ、今すぐこの拘束を解け。そう言いたかったのだが魔法によって封じられている。するとデマイルが俺の前に立った。


「覚悟は出来てるだろうな?」





 試合が終わり少し経った後、闘技場から少しばかり離れた小屋の中に1人騎士が入ってきた。彼は騎士の姿から本来の彼の姿へと変えた。ルークとヴォルフは彼らのリーダーである男のほうを向いた。


「無様を晒した奴は放っておけ。勝手に死ねばいい」


 リーダーの男は2人の考えを察したように言った。ルークとヴォルフはその言葉を重く受け止めていた。もしミスをすれば助けに来るということなんてないということを改めて実感させられていた。


「当たり前のことね、それでこれからどうするのウィンド?」

「少し準備をするとしよう、お前たちも引き続きやることをやっておけ」


 リーダーであるウィンドという男がそう言うと会議は終わり、その後4人はそれぞれのするべきことを再び実行するために去った。


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