#32:ヒカル攫われる!?
22話です。
第2章の幕開けとなりました(*^_^*)
第2章からは毎週12:00投稿に変更になります_(_^_)_
2019/10/14 10:20追記
ブックマークが100件を、pvが37000をユニークが8000を越えました(*^_^*)
これは読者の皆様のおかげです。これからもよろしくお願いします_(_^_)_
「光君、そろそろ行こう!」
「そうだな」
俺たちは人目の少ない場所へ目指していた。『テレポート』を使える人って今まで見たことないし、念のためにね。ちなみにティサリーヌに『テレポート』の事を教えたら驚いていた。これって珍しい魔法なのかもな。
冒険者がめったに通らないであろうところまで来たので俺は『テレポート』を使おうとした。すると目の前にピンク色、銀色、青色の髪をした3人の少女が現れた。
「見つけましたわ」
「ターゲットを確認……2人ともいい?」
「うん!」
「いいわよ」
彼女たちはそういうといきなり俺たちに向かって魔法を撃ってきた。だが、これは殺しに来ていない。目的はなんだ?
魔法に気を取られていると、目の前には青色の髪の少女だけになっていた。俺は慌てて【聖なる鑑定】を使った。
〖魔王軍幹部……だと?〗
〖恐らク、魔王様を迎えに来たンだと思ウ。彼女たちも彼女たちなりに理由がアル。別に人間族や亜人族を殺そうとなんて思ってなイ〗
どういうことだ……?そう考えていると突然両腕を掴まれた。振りほどこうと思えば振りほどけるのだが、逆にこの隙をついて残りの2人にも【聖なる鑑定】を使った。やはり、〈魔王軍幹部〉と表記されている。
「ヒカル!?待ってて今助けるから」
瑠光が俺を抑えている2人に斬りかかろうとしたが、水色の髪の少女に防がれてしまった。
「アメリア、行くわよ『テレポート』」
俺はそのままついて行った。別に簡単に逃れられたのだが、ちょうど魔王の力についても知りたかったのでこの機会を利用させてもらおう。
「何で光君を攫ったの!?」
「それは彼が特別な勇者だからだよ?」
どういうことだ?俺は〈聖なる勇者〉の力も〈魔王〉の力もパーティメンバーにしか見せてないはずなのに……青色の髪の奴にばれてるのか?
〖イヤ、それはない。恐らくあの言葉は魔王の力を持った勇者と言ウ意味。〈聖なる勇者〉の力は知らないハズ〗
〖そうだといいのですけれど、マスターは意外と抜けてるところありますからね……〗
〖ウーン……多分〗
ノヴァが何かを言おうとした瞬間『テレポート』が発動した。
ここは……何処かの城か?シャレストでもボルルアでもない気がするが、どうして魔王軍幹部の奴がこんなところにいるのだろうか。
「こんにちは、いきなり連れ出したことをお詫び申し上げます」
『テレポート』した部屋に座っていた水色の髪の女性がコチラにやってくるとそう言った。
「それは別に構いませんよ。魔人族の国を見てみたかったからついて来たというのはありますから」
裏を返せばお前たちの拘束なんていつでも抜け出せるんだぞという意味がある。気づかれないならそれまでだし、気づかれるなら抑止力になる。
「私の名前はオリビアと申します。ティファリナ帝国の魔王代理として今は政治を行っております」
どういうことだ?魔王軍が政治?魔王に帝国?さっきから言っている意味がよく分からないぞ。
「不思議そうな顔をされていますね。全ての国の王族が悪意を込めてそう呼んでいるだけですよ。だから政治などは王国とさほど変りません」
「あとはあたしが説明するねー!」
青色の髪の少女が元気にそう言ったのだが……
「大昔の戦争の影響でそうなったらしいよ!」
「アメリア……それでは説明になっていませんわ」
大昔の戦争、それが何かに関係しているのか?青色の髪のアメリアという少女の説明だと具体的な事が分からない。
「アリーチェだってこの前知らないって言っていたじゃない!」
どうやらアメリアに文句を言ったアリーチェという少女も知らないらしい。アメリアが指摘すると露骨に目を逸らしたので間違いないだろう。
「あとは私、ルイズが説明する」
銀髪の少女が2人のやり取りに溜め息を吐いてからそう言った。
遥か昔、シャレスト王国とティファリナ帝国この2つの国は非常に仲が悪く戦争がよく起っていた。当時はこの2カ国以外は力もなくこの2つの国が衝突を繰り返していた。お互いの国で研究が進み高性能な武器をつくったり、高位な魔法を研究したりして力を蓄えて再び戦争、この流れが起きていた。
王国は勇者召喚を帝国は魔王召喚をそれぞれほぼ同じタイミングに成功させた。一度は戦ったものの、聖なる勇者と魔王の力は異常だった。そして、このままではどちらの国も滅びてしまう……そんな噂が両国に広まった。王国と帝国2人の王は停戦を余儀なくされた。そして王国と帝国は停戦協定を結んだ。
しかし、平和は訪れなかった。帝国の人々の間に王国の人間は帝国の人間を奴隷として扱っているという噂が広まった。当時の魔王は急いで王国に確認すると、なんと王国では反対の噂が流れていた。結局、王国と帝国の仲は再び悪化した。それでも初代魔王は諦めなかったが、王国を訪問した際に罠に嵌められ初代の聖なる勇者の手によって討たれた。その後帝国の人々は奴隷として扱われることとなった。
それからも勇者召喚及び魔王召喚は行われた。2代目の魔王と聖なる勇者の戦いでは魔王が勝つことにより帝国の人々は奴隷から解放された。しかし、魔王は恐ろしいものと称えられてしまい、それまで中立だった他の国々まで敵に回るようになった。
3代目の勇者召喚では〈聖なる勇者〉以外にも勇者たちが召喚された。しかし3代目魔王はとても強かった。結局、勇者たちや亜人族の冒険者たちとの決着はつかなかったそうだ。
4代目の時期になると徐々に亜人族も力を付けてきた。いよいよ魔王も簡単に討たれてしまった。しかし、人間族はエルフやドワーフ、獣人などを奴隷として扱う風潮が出てきた。それ以来人間族の国、おもにシャレスト王国では奴隷制度が確立した。そして人間族と亜人族が協力することもなくなってしまった。
13代目の頃になると亜人族同士の戦争が始まり、エルフ、ドワーフ、猫耳族、兎耳族などと種族ごとに分かれてしまった。この頃から各国のやり取りは完全になくなってしまった。
18代目は史上最悪の魔王と称えられた。奴隷制度は当たり前でシャレスト王国だけではなく、様々な国を攻めた。どの国の人々も魔王の陰に怯えながら生活していたらしい。さらに魔王は自国の民にも重い税金をかけたりとやりたい放題だった。魔王は当時の聖なる勇者によってボルルアで倒された。それ以来帝国は完全に周りの国々に敵視され、王国は他の国々とも国交を開いた。そして現在にいたるのだが。
「なるほど、コチラの国にも事情があったという訳か……」
「そうだねー!あたし的には全部の国を相手にしてもいいんだけど、お姉ちゃんは反対なんだよね?」
「ええ。魔王様が決めることではありますが、私は平和的に交渉したいと思っております」
オリビアは俺の顔色を伺うようにコチラの顔色を伺ってきた。俺も別に戦争がしたいわけではない。
「俺は戦争がしたいわけではないが」
「本当ですか?」
オリビアが俺の腕を抱きしめるようにして喜んでいた。ちょっと胸当たってますよ……こんな雰囲気の前で言えないし。というか魔王の権力ってそんなに強いのか?
〖とても強イ。魔王に全ての決定権がアル。これは歴代の魔王が決めた掟……まぁ今代は別に知らないケド〗
なるほどな。この国の人々は魔王に対して恩義があるという訳か。
〖18代目の魔王様以外はネ〗
18代目の魔王よ、一体お前は何をしたっていうのか?相当嫌われてないか?
〖確かに、シャレスト王国でもその噂は特に多かったですからね。マスターもそうならないように……あ、ヘタレだから無理ですかね〗
〖ウン、無理だと思ウ〗
おい、ちょっと待て。俺はヘタレじゃないし、ヘタレがどうこうとか絶対関係ないだろ。俺もここに来るまではただの高校生だったんだぞ。そんなことするわけないだろ。
〖マスターはヘタレですよ?〗
〖ウン〗
コイツらにいくら聞いてもヘタレと言いわれ続けられるので、今度違う誰かに聞いてみるとするか。
「それでは、魔王様の部屋にご案内させていただきますね」
オリビアはそう言うと俺に手を差し出してきた。心なしか少し顔が赤い気がするのだけれど。
「お姉ちゃん照れてるのぉ?」
「照れてません!」
慌てて否定しているので説得力は皆無だ。だけどこれは多分……
「魔王という存在に実際に会えたことが嬉しかったんだろ?」
「え……違わないですけど」
「なーんだ、つまんないの」
顔を赤らめていたオリビアがアメリアに注意していた。余計なことは言うなと言っていたが、余計なこととはなんだろうか?
「鈍感ですわね」
「うん、3人とも鈍感」
ルイズとアリーチェが俺たち3人のことを鈍感と言っていたことに、俺は気づくことはなかった。
第2章は主に魔王関連に絡めて進めていきます。
勇者たちも出す予定です
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