蛇足 何処かの誰かの夢
夢だと思ってた。
叶わぬ想いだと思っていた。
これから先、そんなことはないと思っていた。
必ずあると、そう言われていても――きっとそんなことはないと思っていた。
自らの無力を嘆いた。
自分に力があれば。
力があれば、救える。
守りたいものを守って何が悪いんだ。
罪じゃない、正義。
もう、何が正義で悪かなんて分からない。
理解する暇もない。
ただ、自らを呪う。
意味の無い抗いは徐々に心を蝕む。
混ざって、混在して、それでも奥に芽生えていた想いは本物だった。
救いたい。
でも、自分には出来ない。
でも、そうであっても、望みは途絶えることを知らない。
突き進む焦燥感。
焦りが身体を侵食し、また、蝕む。
連鎖は続く。
最早、悪夢――。
それでも、まだそれでも、願いは消えてくれなかった。
それで、良かったのか、はたまた悪かったのか。
いや、良かった、と思いたい。
だってやっと、願いが届きそうなんだ。
常闇のクレーターに、漸く光明が見え始めたんだ。
嬉しかった、素直に。
こんな日が来ることを、待ち望んでいたんだ。
何時だって夢見た。
何時だって、夢見ていた。
あの日あの時、伝えてくれたこと――。
「――待っていて下さいね!」
ただ一つの、希望だった。
だからこそ、夢だと思っていたんだ。
だからこそ、叶わないと思っていた。
それだから、夢だと思っていた。
――僕の夢が、やっと叶いそうなんだ。
ねぇ、ササミ。




