表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
異世界なまけもの備忘録  作者: フトカワ
第六章 海王との接触
56/65

第56話 勇者、事情を聞こうとする

「さすがですね卵王。変わり身ですか」


「あぁ。いざという時のための魔法さ。ここで刺さるとはなぁ」


「えぇ~帰ってきたし。二人とも人質になったら結構面白かったのに~」


「お前の言葉には傷ついたよ」


 ギョロ隈は海岸で話していたギョロ美と合流した。


「あいつら一体……そしてお前、なにをしているのか、わかっているのかなぁ?」


「まさか兄さんまで来るとは思いませんでしたわ」


「いや、地上侵攻してくるね~って言って出たっきり帰ってこなかったら心配するよ?」


「そうよね……ごめんなさい。それは失敗してるの」


「あの勇者だなぁ。俺たちの邪魔をしているのは……キィイイイイ!」


「違うの兄さん。私があそこに居候さしてもらってるの」


「……なにを言っているんだ? 下等な人間とつるむなんぞ俺たち『ギョロの會』ひいては深海国王族として許されると思っているのか?」


「わかっているわ。許されるものではないと。けど、恋をしてしまったの」


「……えっ? ちなみに誰と?」


「あの勇者様よ」


「あぇええええ! ダメでしょ! 人間だろ? お前は俺を差し置いて『ギョロの會』次期会長だぞ⁉ 深海国としても許さないぞ!」


「父君、母君と話をしないといけないのは分かってる。だから、もう少し待って」


「待ってってそんなことあるのか……このことは僕からも話させてもらうぞ」


「いいわよ。諸々の事情を勇者様と話をさせてほしい」


「……わかったしょうがないな。ならこのグールは人質にする。『深海国スプラッシュマウントレーニア』に連れて行かせてもらう」


「『深海国スプラッシュマウントレーニア』⁉ 版権的にやばそうな国に連れて行かれるってぇ! 助けてやギョロ美!」


「えぇ。それは全然大丈夫よ」


「ギョロ美ぃいいいいいいいいいい! 裏切り者ぉおおおおおおおお!」


「じゃあ、一週間だ。一週間したらまた来るからな。今度は家族で来ることになると思うぞ」


「わかったわ。トモミチは……まぁ生きてたら返してね」


「あんまりや……わてばっかりこんな役回り……」


 話がまとまったようで、魚人の軍勢率いるギョロ隈は帰っていった。

 ギョロ美が私たちに『話をさせて』と申し出た。


 ――ギョロ美ちゃんはその可愛らしいキャラクターとは裏腹に複雑な事情を抱えていた。


 トモミチがさらわれた。だか、皆あまり気にしていなかった。それよりも、ギョロ美ちゃんの話が気になっていた。


 しかし、結局漫画やアニメに夢中で気づけば、一週間が経っていた。


「あれ? そういえばもう約束の一週間じゃないか?」


「嘘でしょ~。まだ三日とかじゃないかぁ?」


 エデンが日にちを確認すると確かに一週間過ぎていた。


「やばいわ。経ってるわね。ギョロ美ちゃん、話って結局なんだったの?」


「ちょっと待ってねぇ。この巻だけ読ませてちょうだいねぇ……」


「なんだ漫画読んでいるのか。なら仕方ないな」


「えぇ。待つしかないわね」


「いや、エデンも、アネスもトモミチのこと忘れてないか?」


「ん? なんかあったっけあいつ。最近見ないなぁ」


「やばいわエデン。そういえばトモミチがさらわれたのよ。魚人たちに」


「なんだそんなことか。なら慌てる必要はないな」


「さすがに気にしてあげましょうよ……」


「まぁギョロ美ちゃんがあの巻読んだら話聞かせてもらおうぜ」


「……大丈夫かこの流れ」卵王は嫌な予感がしていた。


 ――予想通り、気づけば夕方になっていた。皆、漫画を読んで寝落ちしていた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ