第46話 勇者、コタツで争わせる
二時間が経過した。私たちはどうしようない状態になっていた。全身を『コタツ』の中に突っ込んでゲームをする者。眠っている者。だらけきって、天井をボ~と見ている者。喋ることさえなくなり、各々死んでいるかのようだった。
「さぁお前ら。試練の時間だ。そこから出られたやつに最新ゲームを一緒にプレイさせてやろう!」
「な、なんやてぇ! あの最新ゲームをぉ⁉」
「くっエデン様ぁ~! それは卑怯よ~!」
「エデン……あなたって人は」
「なんとでもいえばいいさ。さぁ、早くしないとゲームを起動するぞ~?」
「くっ! 身体が全く動きまへんでこれぇ!」
「確かに……出られる気がしないわ……」
「……あ、でも私そろそろ出ないとやばいかもですわあ」
「えっ、出られるの?」
「ええ。魚人的に生乾きぐらいじゃないといけませんのよ。カピカピになりそうなので」
ギョロ美ちゃんは生態的に出ることができた。
「ま、まぁちょっと予想外ではあったがあと二人しかプレイできないぞ~?」
「ええんですか~? あーちゃんはんはそんなにゲーム興味ないでっしゃろ? 諦めて眠ってみたらどないでっか~?」
「なにを言ってるの? あの最新ゲームは私も目をつけていたのよ。絶対に逃すわけにはいかない!」
私は温度を逆転させる魔法を使った。温度の反応を逆にすることによって、温かく感じるところを寒く感じるように体温を変化させた。
「私は、魔法で温度を変えたわ。もうすぐ寒さで出るしかなくなるわ。あなたの負けよ」
だがここで、トモミチも勝負に出た。
「……わても簡単に負けるわけにはいきまへんのやぁ!」
自身の甘えた根性をたたき直すように自分の腕にかみついた。
「あなた……正気⁉」
「あーちゃんはんに勝つにはもうこれしかありまへん! これで意識がはっきりしましたでぇ! 先に抜けさせてもらいますわぁ!」
「くっ! もうすぐなのに!」
「さぁもう起き上がりまっせ~! 終わりやぁ!」
「私もよ! 起き上がるわ!」
「ど、どっちが勝つんだこの勝負⁉」
「「うぉおおおおおおおおおおおあああああああああ!」」
ほぼ、同時だった。二人は根性で起き上がり、自分に打ち勝った。
「さぁエデン! どっちの勝ちだった⁉」
「おめでとう……君たちの勝ちだよ」
「……ぐぉおおおおおおおおおおお……ぐぉぉぉおおおおおおおおおおおお」
忘れていたが、卵王もいた。が、爆睡していた。
「……なんだったのさっきの戦い?」
「……まぁゲーム楽しもうぜ」
「……そ、そうやの。楽しみですな新作ゲーム」
――ただただ、平凡すぎる日常を延々と過ごしていた。




