第27話 勇者、決闘を挑まれる
「お主は、クアントゥス殿!」
私は自然と声が出ていた。鎧を着たガタイがいい金髪の戦士。身長は高く、背中には大きな剣を背負っている。クアントゥスは王国剣士団団長で一番強いとされている男だ。
「勇者どの。お初にお目にかかる。わたしの名はクアントゥス。ゴードン王国剣士にして――」
「死ねぇええええええええええ! でっかい人おおおおおおおおおおお!」
勇者が否応なく、聖剣を振り下そうとした。
「待て待て待て待て! ストーーーーップ!」
クアントゥスの頭上ギリギリで止まったかのように見えたが、少し切れて血が出た。
「なにしてんだよお前! まだ自己紹介の途中だっただろうが! ちょっと頭切れたし!」
「許せ。悪気はないんだ。ただ身長が百八十センチ以上の男は容赦なく殺せってあーちゃんから言われてて……」
「そんなこと言ってないわよ! 人のせいにしないで!」
「てめぇ……今のは俺の逆鱗に触れたぞ。俺と勝負だ」
「えっ、げきりんってなに? 触れるの? 人体のどこについてる部分なんだ?」
「黙ってろお前! 会話にならんようだな……俺が巷でなんと言われているか知っているか?」
「え〜、突然のクイズじゃん。みんなで答えようぜ〜」
「はいはい! わたしはこいつ色男に見えるのよね〜。だから『意外と純情さながらBL上等』とかかしらねぇ!」
「わてはな〜このあんちゃん意外に一人になると孤独な人間やと思うんや。やもんで『休日は丸い石を集めて川に投げて水切りして遊んでます』とかかのぉ?」
「いいところ攻めるねぇ! じゃあ俺はこいつ歯が異常に白いから『歯石除去ならお任せください。クアントゥス歯科』かなぁ。さぁ……正解はどれですか?」
「……全員不正解だよ! お前ら俺で遊ぶのもいい加減にしろよ⁉︎ 魔物も混じってコケにしやがって」
「なんだよ不正解か。じゃあなんて言われてんだよ」
「『豪剣のクアントゥス』だ! それほどの大剣使いってことだよ!」
「……しっくりこないわねぇ」
「全然面白くないのぉ、こやつ」
「うん……自分のカサブタみてる方が面白かったわ」
「てめぇら全員殺してやる! もう俺のプライドが許さないぞ……」
「散々あなたたちバカにしていたけど、クアントゥスは王国剣士団団長でかなりの剣の使い手よ」
「そうだ、賢者アネスよ。お前が遊んでいる間も俺はさらに強くなった。勇者よ。俺と勝負しろ!」




