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異世界なまけもの備忘録  作者: フトカワ
第三章 王との謁見
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第27話 勇者、決闘を挑まれる

「お主は、クアントゥス殿!」


 私は自然と声が出ていた。鎧を着たガタイがいい金髪の戦士。身長は高く、背中には大きな剣を背負っている。クアントゥスは王国剣士団団長で一番強いとされている男だ。


「勇者どの。お初にお目にかかる。わたしの名はクアントゥス。ゴードン王国剣士にして――」


「死ねぇええええええええええ! でっかい人おおおおおおおおおおお!」


 勇者が否応なく、聖剣を振り下そうとした。


「待て待て待て待て! ストーーーーップ!」


 クアントゥスの頭上ギリギリで止まったかのように見えたが、少し切れて血が出た。


「なにしてんだよお前! まだ自己紹介の途中だっただろうが! ちょっと頭切れたし!」


「許せ。悪気はないんだ。ただ身長が百八十センチ以上の男は容赦なく殺せってあーちゃんから言われてて……」


「そんなこと言ってないわよ! 人のせいにしないで!」


「てめぇ……今のは俺の逆鱗に触れたぞ。俺と勝負だ」


「えっ、げきりんってなに? 触れるの? 人体のどこについてる部分なんだ?」


「黙ってろお前! 会話にならんようだな……俺が巷でなんと言われているか知っているか?」


「え〜、突然のクイズじゃん。みんなで答えようぜ〜」


「はいはい! わたしはこいつ色男に見えるのよね〜。だから『意外と純情さながらBL上等』とかかしらねぇ!」


「わてはな〜このあんちゃん意外に一人になると孤独な人間やと思うんや。やもんで『休日は丸い石を集めて川に投げて水切りして遊んでます』とかかのぉ?」


「いいところ攻めるねぇ! じゃあ俺はこいつ歯が異常に白いから『歯石除去ならお任せください。クアントゥス歯科』かなぁ。さぁ……正解はどれですか?」


「……全員不正解だよ! お前ら俺で遊ぶのもいい加減にしろよ⁉︎  魔物も混じってコケにしやがって」


「なんだよ不正解か。じゃあなんて言われてんだよ」


「『豪剣のクアントゥス』だ! それほどの大剣使いってことだよ!」


「……しっくりこないわねぇ」


「全然面白くないのぉ、こやつ」


「うん……自分のカサブタみてる方が面白かったわ」


「てめぇら全員殺してやる! もう俺のプライドが許さないぞ……」


「散々あなたたちバカにしていたけど、クアントゥスは王国剣士団団長でかなりの剣の使い手よ」


「そうだ、賢者アネスよ。お前が遊んでいる間も俺はさらに強くなった。勇者よ。俺と勝負しろ!」

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