表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
異世界なまけもの備忘録  作者: フトカワ
第三章 王との謁見
25/31

第25話 勇者、危機感なし

「勇者さま。こらぁえらいこっちゃでっせぇ……我々が野球している最中に近くまで王様が――」


 その時、ギョロ美は容赦なくトモミチの口目掛けて球を投げた。トモミチは気合いで口キャッチした。最後に私がバットでトモミチのケツにフルスイングした。


 その瞬間、トモミチのケツはバットの衝撃で凹んだ。

「い、痛すぎますってええええぇぇぇぇええええ!」


「あっ、ごめんなさい。なんか報告してる時に」


「いや、それよりもこれは殺人行為でっせ⁉︎」


「あーちゃん。やりすぎだよ~。治癒魔法できる?」


「ちょっとお尻が骨ごと凹んでるわよごめんね……ヒーリング」


 なんとか、アネスの治癒魔法でトモミチのケツは治った。


「ちゃいまんねん! 今、勇者宅へ王様が部下引き連れてきとるみたいでっせ!」


「な、なんだとぉ⁉︎」


 そう言いながら、勇者は野球に飽きて、すでにサーフィンしていた。


「危機感無さすぎでしょあんた⁉︎ トモミチ。その情報は間違いないのね?」


「そうどす。すでに勇者宅を護衛をしとるグールが何匹かやられとります……」


「まずいわね。こんな状況を見られちゃ……」


 そう言いながらも、私とギョロ美ちゃんも砂浜で城を作っていた。


「……あんさんら人間が一番危機感ないんとちゃいます?」


「慌てることないさ。俺たちは、ただ真剣に冒険の準備をしているだけだぜ」


 サーフィンにも飽きたのか、私たちが作った城に顔を突っ込んで勇者は告げる。


「準備なんてなんもしてないでっしゃろわてら⁉」


「私が言うわ。でも、魔物たちと遊んでいるところ見られたら終わりかもねぇ。アハハ!」


「アネスや。これは一体、どういうことじゃ?」


 ロマーニ師の声が聞こえた。その声はかなり近くから聞こえてくる。だが、姿は見えない。


「……‼ そこかぁあああああ‼」


 勇者が気配に気づいたのか、バットで思いっきり殴った。


「いったぁぁあああああ! それわしだ。兜あってよかった~」


 なにもない空間から六名ほど姿が現れる。大勢ではない。どうやら、魔法具の一つ『すっごい透明になるでっかいマント』を使ってここまで来たらしい。


「あぁなんだ。マカロンと……こいつなんだっけ? 鎧着てるからわからんわ」


「声でわかるだろう! この国の王。マルクスディアム・ゴードンだ。いい加減覚えろ!」


「あぁ。ごーちゃんねごーちゃん。久しぶり~」


「こんの勇者は……というかここはなんだ⁉ 大豪邸が建っておるぞ⁉」


「うん。すごいっしょ? お前のあばらやの百倍すごいからね」


「あ、あばらや⁉」


 横にいた私が勇者にささやく。


「ねぇ……さすがに調子に乗りすぎよ。私が対応するわ」


「うん、わかったぁ~」


「あなた本当にやる気ないわね……」


 勇者は、本当に危機感がない。今の状況はかなりまずいことになっている。魔王城に行く気がない。


 しかも、魔物と遊んでいる。しかし、一番まずいのは報告役の私だ。なんとかせばならない。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ