第24話 勇者、王がくる
「ロマーニよ。もう少し早く進めんのか」
「ぶびいぃぃい! すみません王よ。私は肥満の高カロリー豚人間ですのでこれ以上は難しいブヒ!」
王はロマーニ師の上に乗り、乗り物にして勇者宅へ向かっていた。もちろん、ロマーニ師の希望である。
「う〜ん。今ごろ勇者はなにをしておるのだ。報告役のアネスも全く城に帰ってこないとはどういうことだ!」
「王よ。お言葉をよろしいでしょうか?」
「申せ。クアントゥスよ」
『豪剣のクアントゥス』をこの国で知らぬ者はいないほどだった。魔王軍討伐遠征でも数々の武勲をあげ、名を挙げたこの国随一の剣士。
「その勇者。まさか偽物と言う可能性はないでしょうか?」
「ふむ……それはわしも懸念しておったのじゃ。正直、あれが転生勇者とは思えんのだ」
「ぶびいぃい! 恐れながら申し上げますが、あれは転生勇者で間違いございません! 肩に転生の紋が刻まれておりましたゆえ。ぶひぃいい!」
鞭でロマーニ師を叩く王。
「それは何回も聞いておるわ! だが、わしは勇者の実績どころか冒険すら行かない姿勢にいささか不信感を抱いておるのだ」
「王よ。早めのご相談をしてもらえればよろしかったのに。わたくしめが勇者の実力を見極めて見せて御覧にいれます」
「頼もしいぞ。クアントゥスよ。勇者にはとりあえず土地を与えたのだが、特に住む場所は用意しておらんかったのだ。すぐに冒険に出ると思っておった。だが、出立したという報告もない。確かめる必要がある」
「はっ! このゴードン王国騎士団長クアントゥス。王の期待に応えられるよう、全身全霊を尽くします!」
「うむ。勇者の土地はもうすぐだ。グール生息地らしいから土地が安かったのだが遠かったの……」
その時、王一行を待ち構えていたのは身を潜めていたグールの大群だった。勇者に従い、この近辺を護衛をしている。
「な、なんだこのグールの大群は……」
「クアントゥスいきます!」
クアントゥスが構えたのは、体長ほどあると思われるデカすぎる大剣。それをいとも簡単に振りまわし、グールを蹴散らして行く。
勝てないと踏んだグールたちは呆気なく退散していった。簡単に去って行くグールにクアントゥスは勝利の雄叫びを挙げた。
「よぉし! まずは雑魚共を蹴散らしましたぞ王よ。これがクアントゥスの力でございます!」
「う、うん。まぁわかるんだが、二、三匹倒したぐらいだからそこまで騒がんでもええぞ」
「あっ……そうですよね。すみません」
そのころ、勇者一行の元に先ほどのグールの手下がトモミチへ報告にきた。




