第15話 勇者、異世界へ
目を覚ますとそこはもう異世界だった。どこかの部屋に行き着いていた。床には転生陣が刻まれていて、光が徐々に消えていく。
その陣の上に降り立ったのが、俺『エデン・アークエリアス』だ。
だが、体調が悪かった。三半規管が弱かったので、どうやら転生酔いをしたらしい。誰も呼びに来ることもなさそうだったので大人しくその場で睡眠をとることにした。
――なにか聞こえるような気がする。
「……ま。……さまぁ! 勇者さまぁ! おぉい勇者どの~。あれ聞こえておらんのかのぉ?勇者様ぁ~! えっ勇者じゃないのかのぉ? あれ? 目開いてない? 一回、目開いてみるか。気のせいか白目むいておるわ。勇者様ぁ~。もう五日ぐらい経っておりますぞぉ~起きておくれよ~。王がキレておるんじゃよ~。また拷問されるんじゃよ~助けておくれよ~」
「うるせぇし、長ぇよ! 殴るぞ!」
渾身の力で顔面をぶん殴った。
「い、いったぁあああああい!」
そこにいたのは、老人だった。だが、なぜか喜んでいた。
「あっごめんな。夢で今ごろ女子十二学帽ってなにしてんだろうなぁって思って、つい」
「だとしても殴る理由になってなくないかの⁉」
「なんだじいさん。あんたが俺の良質な睡眠を邪魔してくれたのか?」
「す、すまんのう。あんた転生勇者じゃろ? もう五日も経っとるもんでそろそろ起こさんと思ってのう……」
「あぁそれはごめんな。殴ったのもわざとではないよ」
「殴るぞって言ってから殴ってなかったかの?」
「気のせいさ。さぁヒゲブタおじいさん。俺はこれからどうすればいいかな」
「一応、これでも大賢者なのじゃが……これからロマーニと呼んでおくれ」
「ろま……ろまー……呼びにくいな。マカロン伯爵って呼んでいい?」
「いや……前より長くなっとらんか? 別にいいんじゃが……伯爵ってなに?」
「じゃあマカロン。早く行こうぜ」
「おぬしが中々起きんせいでこうなっとるんじゃぞ?」
その足で、王の間へと向かう。案内の元そろそろ王の間へと着く目前で俺は口を開いた。
「ごめん。さすがに腹減ったわ。王蒋で餃子とか食いたいんだけどある?」
「あ、あぁ。王蒋? がなにかわからんが飯なら用意できるぞ」
「なら先にご飯食べさせてくれ。すまんな。あと俺の部屋ってどこ?」
「あぁとりあえず勇者の部屋は用意しておる。そこに馳走を持っていかせよう」
「うん。なるべく早くね。結構、お腹すいてるから」
「えらそすぎない?」
勇者の部屋へと向かい、ご飯を待つ。持ってこられたのはこの城自慢の料理の数々だった。さすがに五日も飯を食べてなかったのでものすごく食べた。
これでもかと飯を平らげた為、急激な眠気に襲われた。気づくとまた寝ていた。




