番外編(クロード)-4-
朝から、城内は慌ただしく色めきたった雰囲気を醸し出している。今日は、ルナ様の歓迎パーティだ。
私も、顔を出すことになっているので仕事が終わってから、正装に着替える。同僚達から、
「ルナ様に会えるなんてうらやましい!!美人なんだろうなー」
「あのアルフレッド様がメロメロになるくらいだもんな!明日感想教えてくれよ!!」
と迫られ、適当に相槌を打ちながら会場へと向かった。
仕事のせいで遅れてしまったため、会場に入るとパーティはもう始まってしまっていた。
アルフレッドの姿が見えたので、挨拶に向かう。数歩歩くとアルフレッドはこちらに気づいたようで目が合った。
「これが、俺の従者クロードだ。」
「始めまして、クロード・マクレーンです。」
「始めまして、ルナ・ブルートンでございます。」
そう挨拶する姿はとても優雅で美しい。金髪の長い髪を、ピンクの髪飾りでまとめている。金色の髪にピンクがよく映えて、一枚の絵のようだ。
「どうかされましたか?」
そう言って首をかしげる姿は、さきほどまでの美しさとは異なり愛らしい。
「ルナ様は、本当にピンク色がお似合いになりますね。」
「お前が選んだのに、何言ってるんだ!ルナ、次はあっちに行くぞ。」
アルフレッドは少し声をあらげた後、踵を返してクロードとは、反対の方向へと向かっていった。
ルナは驚いた表情をして、アルフレッドの方を向いたが、もう逆方向へと歩き始めてしまっていたため、クロードに一礼して後をついていった。
「あっキャシーは」
そう言うクロードの声はルナに届かなかったようだ。
---ああ言えば、アルフレッド様が反発するのなんて目に見えていたのに…ルナ様の美しさにやられたな…
クロードは、失言だったなと反省しながら、キャシーの姿はないか辺りを見回した。