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近江の山奥から始める近代国家建設 〜転生田舎領主は戦国そのものを終わらせたい〜  作者: 近江もののふ
第二章 橘の礎

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第二章 設定まとめ

 登場人物紹介


 ※第66話までの内容を含みます。


 橘家と朝霧村


 橘十兵衛賢政たちばなじゅうべえかたまさ

 本作の主人公。現代日本から戦国時代へ転生した橘家の嫡男。幼名は小徳丸(しょうとくまる)

 朝霧村の立て直しから始め、周辺村落の統治、産業、交易、軍備へと改革を広げている。天文二十二年てんぶんにじゅうにねん(1553年)に元服し、六角義賢(ろっかくよしかた)から「賢」の一字を受け、十兵衛賢政と名乗る。


 橘弥三郎頼政たちばなやさぶろうよりまさ

 賢政の父であり、橘家の当主。

 領地が広がった後も当主として家中をまとめ、賢政が進める改革を支えている。


 (はる)

 頼政の妻で、賢政の母。

 家族を支える芯の強い女性。天文二十二年(1553年)秋には娘の初音(はつね)を出産する。


 惟丸(これまる)

 賢政の弟。

 第一章では生まれたばかりだったが、成長して自分で屋敷の中を動き回るようになっている。


 初音

 賢政と惟丸の妹。

 天文二十二年(1553年)秋に生まれる。


 饗庭彦九郎政虎あいばひこくろうまさとら

 橘家の家臣。

 朝霧の人員、物資、普請(ふしん)などを長く取り仕切ってきた実務役。領地と家中の拡大後も、橘家の内政を支えている。


 今井弦十郎政基いまいげんじゅうろうまさもと

 賢政に仕える家臣。

 幼少期から護衛として賢政の近くに付き、旅や戦働きにも同行する。


 滝川久助一益たきがわきゅうすけかずます

 賢政に仕える家臣。通称は久助(きゅうすけ)

 帳面や勘定(かんじょう)に強く、産業や交易が拡大した橘家で、物資や銭の管理を担う。


 作兵衛(さくべえ)

 朝霧の鍛冶(かじ)職人。

 農具や水車などに加え、火縄銃(ひなわじゅう)が導入されると、その構造や部品についても学び始める。


 おせん

 作兵衛の女房。

 村の女衆をまとめ、炊事や物資の準備など、朝霧の暮らしを生活面から支える。


 孫兵衛(まごべえ)

 山と狩りに詳しい男。

 獣や山の地形についての知識を持ち、朝霧の山仕事を支える。


 茂七(もしち)

 朝霧で茶畑を任されている百姓。

 試験栽培から始まった茶作りを続け、朝霧の産物として育てている。


 善右衛門(ぜんえもん)

 各地を巡る商人。

 油や木製品に加え、清酒(せいしゅ)漆器(しっき)など、増え続ける橘家の商品を外へ売る役割を担う。


 朝霧村の子供たち


 勘次(かんじ)

 朝霧の子供たちをまとめる少年。

 幼い頃から賢政とともに育ち、成長後も朝霧で暮らしている。


 虎松(とらまつ)

 朝霧の少年。

 荒っぽく負けん気の強いところは、成長してからも変わっていない。


 平助(へいすけ)

 口数の少ない少年。

 勘次たちとともに朝霧で育つ。


 おはつ

 朝霧の少女。

 勘次たちとともに、幼い頃から賢政を知る一人。


 おたま

 朝霧の少女。

 おはつたちとともに朝霧で育つ。


 甲賀・伊賀に関わる者たち


 伴新九郎(ばんしんくろう)

 甲賀(こうか)出身の家臣。

 探索、情報収集、人物の素性調査などを担当し、橘家が必要とする人材を探す役目も担う。


 おりん

 伊賀(いが)藤林家(ふじばやしけ)に連なる女性。

 伊勢方面などで情報収集を行い、新九郎とは異なる経路から橘家を支える。


 賢政が見いだした人物


 森三左衛門可成もりさんざえもんよしなり

 美濃(みの)出身の武士。

 賢政が尾張(おわり)・美濃で人材を探す中で出会い、橘家へ仕えるようになる。兵をまとめる力に優れ、朝霧の常備兵を鍛える役目を担う。


 前田又左衛門利家まえだまたざえもんとしいえ

 尾張出身の若者。元服前は犬千代(いぬちよ)

 賢政に見いだされて朝霧へ移り、森可成のもとで鍛えられる。天文二十二年(1553年)に元服し、又左衛門利家(またざえもんとしいえ)と名乗る。


 木下藤吉郎秀吉きのしたとうきちろうひでよし

 尾張中村(おわりなかむら)出身。元服前は日吉丸(ひよしまる)

 持ち前の機転を活かし、次第に人をまとめる役目も任される。天文二十二年(1553年)に元服し、藤吉郎秀吉(とうきちろうひでよし)と名乗る。


 佐々内蔵助成政さっさくらのすけなりまさ

 尾張出身の若者。元服前は与左衛門(よざえもん)

 賢政に見いだされて橘家へ加わり、常備兵の指揮を任されるようになる。天文二十二年(1553年)に元服し、内蔵助成政(くらのすけなりまさ)と名乗る。


 秀吉の家族


 (なか)

 秀吉の母。

 尾張中村で暮らしていたが、後に家族とともに朝霧へ移る。朝霧では鶏など家畜の管理にも関わる。


 (とも)

 秀吉の姉。

 尾張中村で仲たちと暮らしていたが、後に朝霧へ移る。


 小竹(こちく)

 秀吉の弟。

 家族とともに朝霧へ移り、惟丸の近くで働くようになる。


 (あさひ)

 秀吉の妹。

 尾張中村から家族とともに朝霧へ移る。


 橘家の親族・家臣


 橘弥右衛門政秀たちばなやえもんまさひで

 賢政の祖父で、頼政の父。

 現在は政所(まんどころ)で隠居している。山や木についての経験が豊富で、その知識が朝霧の茸栽培にも活かされる。


 松乃(まつの)

 賢政の祖母で、政秀の妻。

 政所で政秀と暮らしている。


 橘兵庫助政澄たちばなひょうごのすけまさずみ

 賢政の叔父で、頼政の弟。

 かつては玄恵(げんえ)と名乗る僧だったが、還俗(げんぞく)して橘家へ戻り、政務を支える。


 久方又次郎景近ひさかたまたじろうかげちか

 頼政の叔父で、上田(うえだ)を治める領主。

 橘家と長く協力関係にあり、領地が拡大した後も頼政たちを支える。


 竹田茂兵衛高晴(たけだもへえたかはる)

 宮田(みやた)を治めていた領主。

 橘家へ従った後は村を直接治める立場を離れ、橘家臣として働く。


 篠原右近重尚しのはらうこんしげなお

 志野原(しのはら)を治めていた領主。

 高晴と同じく橘家へ従い、旧来の村領主から橘家臣へ立場を変える。


 酒井左近政忠(さかいさこんまさただ)

 酒井家の分家出身。旧名は新次郎(しんじろう)

 吉規(よしのり)の死後に酒井家を継ぎ、頼政から「政」の一字を受けて左近政忠(さこんまさただ)と名乗る。


 後藤家


 (あや)

 六角家重臣・後藤賢豊(ごとうかたとよ)の娘。

 天文二十二年(1553年)、賢政と祝言(しゅうげん)を挙げて橘家へ嫁ぐ。


 後藤但馬守賢豊ごとうたじまのかみかたとよ

 六角家の重臣で、綾の父。

 娘の綾が賢政へ嫁いだことで、橘家とは姻戚(いんせき)関係となる。


 後藤又三郎(ごとうまたさぶろう)

 賢豊の嫡男。

 賢政と綾の祝言に、後藤家の一員として朝霧を訪れる。


 後藤喜三郎(ごとうきさぶろう)

 賢豊の次男。

 綾の弟。


 六角家


 六角定頼(ろっかくさだより)

 南近江(みなみおうみ)を支配する六角家の当主。

 幼い頃から賢政の能力に注目し、橘家の成長を見てきた。天文二十一年てんぶんにじゅういちねん(1552年)に死去する。


 六角義賢

 定頼の嫡男。

 定頼の死後に六角家を率いる。賢政の元服では烏帽子親(えぼしおや)を務め、「賢」の一字を与える。


 蒲生下野守定秀がもうしもつけのかみさだひで

 六角家の重臣。

 定頼、義賢を支える家臣の一人。


 進藤山城守賢盛しんどうやましろのかみかたもり

 六角家の重臣。

 定秀、賢豊らとともに六角家を支える。


 尾張・美濃で出会った人物


 織田三郎信長(おださぶろうのぶなが)

 尾張の織田家の若武者。

 周囲から「うつけ」と呼ばれており、尾張を訪れた賢政と出会う。


 丹羽万千代(にわまんちよ)

 尾張の若武者。後の丹羽長秀(にわながひで)

 賢政から仕官を誘われるが、すでに織田信長(おだのぶなが)へ仕えることを決めていたため断る。


 蜂須賀小六正勝はちすかころくまさかつ

 木曽川(きそがわ)周辺の川並衆(かわなみしゅう)を率いる人物。

 賢政と出会い、木曽川を利用した荷の輸送に関わる。


 鉱山に関わる者たち


 岩松源蔵(いわまつげんぞう)

 金堀衆(かなほりしゅう)をまとめる棟梁(とうりょう)

 向山(むこうやま)で見つかった古い坑道(こうどう)の調査を任され、鉱石の採掘を進める。


 木曾家


 木曾中務大輔義康きそなかつかさのたいふよしやす

 木曾家当主。

 軍馬を求めて木曾(きそ)を訪れた賢政と交渉し、橘家へ馬を送り出す。


 九鬼家


 九鬼宮内少輔浄隆くきくないしょうゆうきよたか

 志摩(しま)の海上勢力を率いる人物。

 橘家が海上輸送へ乗り出す際に交渉し、九鬼の船を使った商品の輸送に関わる。


 堺・国友に関わる者たち


 今井彦八郎(いまいひこはちろう)

 (さかい)の商人。後の今井宗久(いまいそうきゅう)

 橘家の商品を扱い、堺から桑名(くわな)へ戻る船の帰り荷(かえりに)を集める役目も担う。


 ロドリゲス

 ポルトガルから来た南蛮商人(なんばんしょうにん)

 堺で賢政と出会い、南蛮渡りの火縄銃を売る。


 国友善兵衛(くにともぜんべえ)

 国友(くにとも)鉄砲鍛冶(てっぽうかじ)

 賢政から火縄銃二百丁の製作を依頼され、複数の職人を使って大量生産を進める。


 喜平(きへい)

 国友の鉄砲鍛冶。

 朝霧へ派遣され、火縄銃の修理や製作に必要な技術を伝える。


 作中設定紹介


 ※第66話までの内容を含みます。


 物語の時代


 物語の舞台は、戦国時代の近江国(おうみのくに)


 朝霧村の立て直しから始まった橘家の改革は、周辺の村々や山間部へ広がり、各地との交易も活発になっている。


 第66話時点では、天文二十二年(1553年)。


 主な土地


 小椋谷(おぐらだに)


 鈴鹿山脈(すずかさんみゃく)の山中にある、木地師(きじし)たちが暮らす地域。


 箕川(みのかわ)蛭谷(ひるたに)君ヶ畑(きみがはた)、政所などの村があり、木を加工する技術を持つ者が多く暮らしている。


 朝霧で木工品や酒樽(さかだる)などの需要が増えたことで、四村は土地や山を残したまま橘家の支配へ移る。


 箕川・蛭谷・君ヶ畑・政所


 小椋谷にある木地師の村々。


 木地師だけを朝霧へ移すのではなく、村、山、畑を含めて橘領へ加わる。


 木材や木工品を供給するだけでなく、朝霧で働く木地師も送り出している。


 向山


 山中に古い坑道が残されていた場所。


 白い鉱物の筋が見つかったことから、岩松源蔵が率いる金堀衆による調査と採掘が始まる。


 坑道から得られた鉱石は選り分けられ、精錬(せいれん)のため政所へ運ばれる。


 八風峠(はっぷうとうげ)


 近江と北伊勢(きたいせ)を結ぶ鈴鹿山脈の峠。


 険しい山道だが、朝霧から北伊勢へ荷を運ぶ重要な経路となっている。


 八風街道(はっぷうかいどう)


 八風峠を越えて近江と北伊勢を結ぶ街道。


 朝霧から清酒や漆器などを運び、帰りには米や麦などを積んで戻る。


 荷の増加に伴い、道の整備や警備も重要になっている。


 桑名


 北伊勢にある水運(すいうん)海運(かいうん)の拠点。


 朝霧の商品を陸路だけで遠方へ運ぶ負担を減らすため、船を利用した物流の中継地として使われる。


 堺


 多くの商人や商品が集まる大きな商業都市。


 橘家の商品も桑名から海路で運ばれるようになり、賢政は火縄銃を求めて自ら訪れる。


 国友


 近江にある鉄砲鍛冶の集まる土地。


 賢政はここで大量の火縄銃を注文し、朝霧へ鉄砲製作の技術を取り入れようとする。


 朝霧の主な施設


 橘酒造(たちばなしゅぞう)


 朝霧に造られた酒造施設。


 清酒、ビール、蒸留酒(じょうりゅうしゅ)を造り、各地へ販売する。


 酒の生産量が増えるにつれて、樽、薪、麦、米など周辺産業への需要も増えている。


 兵舎(へいしゃ)


 常備兵をまとめて生活させるための建物。


 兵を各家へ分散させず、一か所で生活させることで、食事や管理、訓練をまとめて行えるようにしている。


 練兵場(れんぺいじょう)


 常備兵を訓練するための場所。


 槍や火縄銃の扱いだけでなく、隊列(たいれつ)歩調(ほちょう)、命令の伝達など、集団で動くための訓練を行う。


 政所の精錬小屋


 向山から運ばれた鉱石を処理する施設。


 鉱石から(どう)(なまり)(ぎん)などを取り出し、売却するものと橘家で使うものに分ける。


 笠松牧場(かさまつぼくじょう)


 馬、牛、豚などを飼育するために整えられた場所。


 木曾から入れた馬の飼育にも使われ、軍馬や繁殖用の馬を管理する。


 朝霧の産業


 清酒


 橘酒造で造られる澄んだ酒。


 近江だけでなく、伊勢、尾張、京、堺などへ販路を広げ、橘家の主要商品となっている。


 ビール


 麦を原料として造られる酒。


 清酒とは異なる商品として橘酒造で生産され、各地へ運ばれている。


 蒸留酒


 酒を蒸留して造る、度数の高い酒。


 飲用の商品として売るほか、傷や道具を洗う用途にも利用できる。


 漆器


 木地師が作った(わん)や盆などへ(うるし)を塗った商品。


 普通の木地物より高く売れる品として生産が始まり、小椋谷の木地師たちの新たな仕事となる。


 漆


 漆の木から少量ずつ採取する樹液(じゅえき)


 木を切り倒して得るのではなく、木を傷めすぎないよう何度も山へ通って採る。


 肌に触れるとかぶれるため、採取や加工には扱いを知る者が必要となる。


 椎茸栽培(しいたけさいばい)


 山で採るだけだった茸を、人の手で安定して得るために始められた試み。


 政秀が山で行っていた方法を参考に、榾木(ほだぎ)などを使って栽培を試している。


 松茸(まつたけ)


 朝霧周辺の山で採れる茸。


 傷みやすいことから、遠くへ商品として運ぶために箱や詰め方が工夫される。


 養鶏(ようけい)


 鶏を卵と肉の供給源として計画的に増やす取り組み。


 鶏、卵、(ひな)の数を記録し、村ごとの状況を把握しながら増やしていく。


 豚


 食肉を安定して得るために飼育を始めた家畜。


 山で獲物を狩るだけではなく、人の手で肉を生産するために導入される。


 牛


 農作業や運搬、肥料などに利用するため飼育される。


 馬や豚とともに、橘領内で家畜を増やす取り組みの一つ。


 木曾馬(きそうま)


 木曾から導入された馬。


 軍馬や輸送用として使うだけでなく、雄馬(おうま)雌馬(めうま)を揃えて橘領内で増やすことも考えられている。


 鉱山と金属


 金堀衆


 鉱山の採掘を専門とする者たち。


 岩松源蔵を棟梁とする一団が向山へ入り、古い坑道を調べながら採掘を進める。


 岩松組(いわまつぐみ)


 岩松源蔵が率いる金堀衆。


 坑道を掘るだけでなく、坑木(こうぼく)を入れ、水を抜き、掘り出した鉱石を運び出す仕事も担う。


 選鉱(せんこう)


 掘り出した石から、鉱物を多く含むものを選り分ける作業。


 不要な石を採掘場所の近くで除くことで、運搬する重量や精錬に使う燃料を減らす。


 灰吹法(はいふきほう)


 鉛を利用して銀を取り出す精錬方法。


 向山から得られた鉱石を処理するために使われ、銀の回収に利用される。


 銅


 向山から得られる金属の一つ。


 精錬後は売却され、その銭が鉱山や橘家の運営へ回される。


 鉛


 向山から得られる金属の一つ。


 売却するだけでなく、火縄銃の弾丸に使えるため、一部は橘家で保管される。


 朝霧で使われる道具と技術


 千歯こき(せんばこき)


 稲穂(いなほ)から(もみ)を外すための農具。


 何本もの歯の間へ稲穂を通して籾を落とし、従来の脱穀(だっこく)作業を効率化する。


 蒸留器(じょうりゅうき)


 酒を加熱し、出てきた蒸気を冷やして液体へ戻すための装置。


 橘酒造で蒸留酒を造るために使われる。


 目出し帽(めだしぼう)


 顔を隠しながら目の周囲だけを出せるようにした覆い。


 向山で働く者の素性を隠すために作られ、顔を見られにくくするために使われる。


 覆い網


 草木などを付けて姿を周囲へ紛れ込ませるための網。


 山中で目立ちにくくするために作られる。


 道路と物流


 小椋道(おぐらみち)


 小椋谷の村々と外部を結ぶ山道。


 木工品や鉱山関係の荷が増えたことで、道そのものの整備が重要になる。


 木曽川水運


 木曽川の舟を利用して大量の荷を運ぶ方法。


 陸路だけに頼らず、川並衆の舟と人手を利用して尾張や美濃方面との物流を行う。


 九鬼水軍による海運


 桑名から船を使って橘家の商品を運ぶ仕組み。


 陸路で長距離を運ぶより大量の荷を扱えるため、清酒、油、漆器などの販路拡大に利用される。


 帰り荷


 商品を運んだ荷車や船を空のまま戻さず、帰路にも別の商品を積む考え方。


 八風街道では米や麦、海運では各地の商品を積み、往復の輸送を無駄にしないようにしている。


 朝霧の軍制


 常備兵(じょうびへい)


 農作業の合間だけ戦うのではなく、普段から兵として生活し、訓練を受ける者たち。


 朝霧の産業から得られる収入を使い、兵舎で生活させながら継続的に鍛えている。


 大隊(だいたい)


 橘軍で使われる大きな部隊単位。


 複数の中隊(ちゅうたい)小隊(しょうたい)をまとめ、まとまった兵力を一つの指揮系統で動かすために使われる。


 中隊


 大隊の下に置かれる部隊単位。


 複数の小隊をまとめる。


 小隊


 中隊の下に置かれる部隊単位。


 五十人を基本とし、小隊長(しょうたいちょう)が指揮する。


 分隊(ぶんたい)


 小隊をさらに分けた最小の部隊単位。


 十人を基本とし、分隊長(ぶんたいちょう)が直接兵をまとめる。


 大人数へ一人で命令するのではなく、分隊長、小隊長、中隊長(ちゅうたいちょう)と段階的に命令を伝えるために設けられている。


 分隊長


 分隊を直接指揮する者。


 武芸の強さだけではなく、周囲を見て十人をまとめられるかどうかも重視される。


 考えて動く兵


 賢政が常備兵へ求める考え方。


 決められた動きを覚えるだけではなく、上から細かな指示が来ない状況でも、与えられた役目と周囲の状況から自分たちで判断できることを目指している。


 軍事技術


 火縄銃


 火縄の火を火皿(ひざら)へ落とし、火薬へ点火して弾丸を発射する武器。


 賢政は少数の鉄砲を個別に使うのではなく、多数を揃えて部隊として運用することを考えている。


 南蛮銃(なんばんじゅう)


 賢政が堺で南蛮商人ロドリゲスから購入した火縄銃。


 国友の鉄砲と構造や作りを比較し、今後の火縄銃導入を考えるための見本にも使われる。


 火縄銃の規格化


 大量の火縄銃を同じ部隊で使いやすくするため、口径(こうけい)や使用する弾丸を揃える取り組み。


 銃ごとに違う大きさの弾を用意する手間を減らし、弾薬(だんやく)の補給を簡単にすることを目的としている。


 鉄砲鍛冶の技術移転


 国友から鉄砲鍛冶の喜平を朝霧へ招き、火縄銃を扱う技術を学ぶ取り組み。


 完成した銃を買い続けるだけでなく、修理、部品製作、弟子の育成を通して、朝霧側にも技術を残そうとしている。

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