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森の魔女の徒然日記 ~魔女の家へようこそ~  作者: 広岡 千拾
第四章 アレクサンドラという魔女
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閑話 おしゃれ談義

 夜のお茶会も終わろうかという頃。

 焼き菓子を平らげたクーはすました顔でお茶をすすり、こんなことを言い出しました。


「そうだサンドラ~。今度街に行くとき、ボクも一緒に行きた~い」

「ご主人。図々しいクーのことですから、きっと新しい服のおねだりです」

「そ~そ~。ボク、街の最新のファッションでおめかししたいの!」


 手袋の予想通り、クーは新しい服が欲しいようです。鳩にも衣装?

 クーはわくわくした様子でサンドラを見つめています。


 この家の金銭管理を任されている手袋は、呆れた顔でクーを一瞥しました。

 古着を買うならまだしも、新しく仕立てる余裕はありません。


「クー、今ある服をそれっぽく直すのではだめかしら」


 困ったサンドラは、クーに代わりの案を提示しました。

 今クーが着ている服は、サンドラが苦労して仕立て直したものです。


「え~! ボクの秘蔵のクローゼットコレクションに加えたいの~」

「このボケ鳩にはお金という概念がございませんから……」

「手袋だって流行りの給仕服に興味あるでしょ~?」

「残念ながら、わたくしはこの奥ゆかしい給仕服で満足しております」


 堪りかねた手袋の挑発から、一羽と一匹の言い合いが始まりました。

 どちらも沸点の低いことが玉に瑕だわ……とサンドラは心の中で呟いた。


「夜も遅いから、二人とも静かにね」


 サンドラの一言に、一羽と一匹ははっとして、ぴたりと言い合いをやめました。


「んじゃ~、お先にボクは寝るね~」

「主に対する敬意がないのですか、このボケ鳩は」


 クーはソファからひょいと立ち上がると、自室へ帰っていきました。


「ねえ手袋。ワタシの服のセンス、ちょっと古いかしら」

「そんなことはございません、ご主人」

「ヘーゼルの外出着くらい、せめて今風に仕立て直したいわ……」

「わたくしでよければ、お手伝いいたします」

「ありがとう、手袋」


 もう少しおしゃれに気を配ったほうがいいかな、とサンドラは思いました。



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