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森の魔女の徒然日記 ~魔女の家へようこそ~  作者: 広岡 千拾
第二章 森の魔女と使い魔の内緒話
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4.琥珀色の瞳の子猫

 ――ナタリーが子猫のところへ案内してくれているとき、エリンとルカからの返事について、手袋がご主人に”心話”で連絡を入れました。


『ご主人。エリン様とルカ様からのお返事ですが、どちらも今のところ、ちょうど良い子猫のあてはないそうです』

『連絡ありがとう、手袋。今ちょうど村に着いたところなのだけれど、ナタリーのところに、良さそうな子猫がいるらしいの。これから見にいくところよ』


 まあ、そんなにうまくはいかないと思っていたけれど……よかった。村へ来て正解だったわね。帰ったら、ふたりにお礼の手紙を書かなくちゃだわ。


 ナタリーさんに案内された先には、平たい籠の中に寝転ぶ母猫を中心に、ぴょんぴょんと跳ね回る子猫たちの姿がありました。三毛が二匹、ハチワレ、赤毛、白毛の五匹です。どの子も元気いっぱいです。


(この中に私と相性の良い子猫がいますように……)


「どう? サンドラ、ヘーゼルちゃん。気になる子はいるかしら?」

「ふふふ、元気な子猫たちね。 ヘーゼル、もっと近くで見てごらんなさい」

「はい、先生!」

「ヘーゼルちゃん、驚かさないように、そっとね」


 ナタリーさんとサンドラに促されて、ヘーゼルは子猫たちに近づきました。子猫たちも「なに? なに?」と好奇心いっぱいに彼女を見つめてきます。

 ふらふらと動くしっぽ、つぶらな瞳、ふわふわの毛並み。どの子も可愛いらしくて、ヘーゼルは思わずあわあわしてしまいました。


 そんな中、一匹だけ”瞳の色が違う”子猫がいることに気づきました。

 その、少し小柄で痩せっぽちの白い子猫が、ヘーゼルの足元にすり寄ってきて、ぴょんと跳ねてまた遊びに行ってしまいました。


「あの白い子……」

「この子かな? ほら、落とさないように、抱っこしてごらんよ」


 ナタリーさんから受け取ったその白猫は、暴れることもなく、すんなりとヘーゼルの腕に収まりました。ほんのり温もりが伝わってきます。

 もう一度その瞳を見つめると、白猫もじっと見返してきました。そして「みぃ」と鳴いて、ヘーゼルの腕に顔をうずめてきます。


(琥珀色の瞳……)


「この子がいいです、先生」

「白猫だけれどいいの? 先生的にはハチワレがオススメだったのだけれど……」

「白い子は意外とやんちゃで、言うことを聞かない時もあるけど、ヘーゼルちゃんが気に入ったのなら、それでいいんじゃない?」


(白猫は言う事聞かない子なの? こんなにおとなしいのに……)


「そうね。ヘーゼルがいいと言うなら、その子がいいのでしょう。ナタリー、この子をうちの子にしてもいいかしら?」

「もちろん。猫が多すぎると、餌の取り合いでケンカになるからねえ。もらってくれるなら、この子は餌に困ることもないし、かえってありがたいわ」

「ありがとう、ナタリー。感謝するわ」

「ナタリーさん、ありがとうございます」


 サンドラが軽く会釈したので、ヘーゼルもあわててぺこりと頭を下げました。


「子猫を連れて帰るのに籠が要るでしょう? ちょっと待っていてね、支度してくるわ」


 ナタリーさんは、籠を探しに家の中へと入っていきました。


 ――どうやらヘーゼルは白猫を使い魔として迎えることに決めたようですね。なんとなくわたくしの言う事を聞かない気がするのですが……それは会ってみてからのお楽しみということで。

 さて、お迎えの準備をしなければなりませんね。

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