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097⚫️ひきわけでどう?
疾風より速く、矢が一斉に四郎次郎に向かう。避けようもない。
・・・だが、十本の矢は、尽く空中で四散した。
「な・・・。次!」
楓の声に、続く矢の雨。
しかし、同じくどの一本として、元の形状を保てず、
四郎次郎のまわりに飛散する。
九兵衛は、またも驚愕する。
・・・抜いた。師範は刀を抜いた。
だが、僅かにその気配が揺れただけで、見えん。
抜いたという事実に気づくものさえ、まず、いないだろう。
楓の指示を待つまでもなく、今度は棒手裏剣の死の礫が、四郎次郎へ殺到した。
しかし・・・その飛翔も、矢と同様に砕け散る。
・・・鉄が粉砕されるのか。あり得ん。だが、師範ならできる、ということだ。
四郎次郎は、穏やかに楓に言った。
「このへんで、引き分けっちゅうことで、どないやろ。」




