079⚫️言うとかなあかんねん
先生・・・うち、言うとかなあかんこと、あんねん。
さっき、先生、仲間のひとり、亡くなったって言うたはったやろ。
病気のせいかもしれん、でも、小さな傷があったって。
そのお侍さん、道歩いてて亡くなりはったんやろ。
・・・そのことやねん。そう・・・どうしても言うとかなあかんねん。
アングリマーラは殺人鬼であった。
ある時、彼は通りかかりの’目覚めた人’に襲いかかろうとする。
しかし、いくら走っても追いつかない。
思わず、止まれっ!と言葉を発した時、
その’人’は振り返り応えた。
「わたしは止まっている。止まっていないのは、あなたの心だ」と。
アングリマーラは、行いを悔いて弟子となる。
だが、托鉢に向かう彼に、人々は罵声を浴びせ、石を投げつけた。
傷だらけになり戻って来る彼に、その’人’は言葉をかける。
過去に自らが撒いた種が、果実として戻ってきているのだ。
今の苦しみが新たな種となり、未来の果実として返ってくるのだ、と。
修行に励んだアングリマーラは深い瞑想と忍耐の果てに阿羅漢となる。
最も罪深い者が悟りに至った、というこの逸話は人間の可能性を示している。
過去は消えない。だが、未来は変えられる。
アングリマーラの物語は、その厳しくも希望に満ちた真理を今に伝えている。
せんせい・・・。そんな話があんの。
・・・ごめんね・・・ごめんね・・・ありがとうな・・・。




