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078⚫️油断せえへんで
かつて、その村には坂東武者、加茂蔵の軍勢が攻め寄せた。
迎え撃つ大南一族は、山岳地帯を有効に使い、
多くの砦から迎撃、その侵攻を退けた。
後にそれら激戦の跡地は「寄手塚」「味方塚」と呼ばれるようになった。
今、その地に腰を下ろしたのは、四郎次郎とイロハのふたり。
集落の中心よりやや山手、砦跡のひとつに庵を組み、暮らしている。
東には、地域の最高峰と言われる金峯山の泰然とした姿があり、
また、千雲川は清涼な恵みを運んでいる。
しばしば、猪が捕獲され、村人たちの貴重な蛋白源となる。
牙や皮は有効に活用される。
戸板に鞣された猪が、貼り付けられている光景も見ることができた。
山中は真の闇と言えるが、星々は息を飲むような美しさである。
だが、その満点の星空の下、
四郎次郎もイロハも常に追手への備えを十分に心がけている。




