073⚫️ほんま、きついで
あかん、完全に囲まれた。
わしがご家老の指示で動いとるっちゅうのが、筒抜けやったか。
せやけど、イロハを巻き込むわけにはいかん。
「あずまびとの方々、わしは逃げも隠れもせえへん。この子は関係あらへんのや。どこか別のとこへ、場を移せへんか。」
答えは、抜刀の音かあ。
八人。いくらわしの刀が抜群の切れ味や言うても、これだけ揃えば大仕事や。
ましてや、イロハを守りながらの立ち回り。
これは、骨が折れるどころの話やないで。
いや、折れるんとちごうて、骨まで斬られそうや。
八本の刀が冬の陽を弾く。
構えを見ればわかる。どいつも一廉の使い手や。
名乗りもせん、子どもがおることもお構いなし。
こいつら、本気ということやな。
「イロハ、わしの後ろにしっかりついてまわるんやで。」
「・・・先生。」
震える声を聞きながら、わしは腹を括った。
走る。一対八やのうて、一対一を八回繰り返す状況を作らんとあかん。
・・・が、あかん。相手もそれをわかっとる。
これはしんどい戦いになる。
右から来る刺客の剣を受け流し、そのままの勢いで喉元に切り返す。
間髪入れず、左から迫る太刀筋を逆らわずに巻き込み、直線の軌道で突き返す。
背後からの殺気に、振り向きざま、脳天から一気に斬り下げた。
三人を斬って捨てた。けど、まだ五人残っとる。
さらに一段階上の免許皆伝ちゃうんか。




