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072●神頼みってええのん?
「なんやの、神主はん。‘神通力’て・・・そんなもん、ほんまにあるん?」
神主さんは、にこにこしたまま、うなづいてはる。
「イロハ、あなたは、持ってるかもしれないよ。」
「またぁ。からかったらあかんでぇ。」
「じゃあ、試してみようか。わたしが、あなたのおでこに指を置くだけ。」
「おまじない、みたいやな。」
「いざという時、頼る相手は多い方がいい。神さま、仏さまがちょっとばかり力を貸してくれる時があるかもしれないじゃないか。」
なんや、それ。
よぅわからんけど・・・ふふ。ええよ。
神さんも仏さんも、これまで頼ったことあらへんけど。
「さあ、目を閉じて。」
指先が、そっとおでこに触れた。
一瞬だけ、冷たくもあったし、あったかくもあった。
風が吹く。
木の葉が、さらさら鳴る。
なんやろ。胸が、ちょっと軽うなった気ぃする。
秋ももう終わりや。
これから先、うちらにはきつい季節が来る。
「納屋、貸してくれて、ほんま、おおきにな。」
さっ、先生のとこ行こ。字ぃ、もっと教えてもらうねん。




