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怪異探偵事務所   作者: 夜乃桜
置き忘れた想い

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12/32

異変は

しかし、〈時読みの異能〉には、問題が一つある。


「すまないが、視えた過去がいつのものか、俺にはわからない」


〈時読みの異能持ち〉が視た過去や未来は、いつの事なのかがわからないことが多い。なので、視えた事柄から推測する。


「まぁ、それは仕方がないが、異変に関係しているとはおもうぞ」


仁の〈時読みの異能〉で視えた男。男の行動は不審なところがありすぎるので、調べてみる価値はある。


「橘、男のことで何か気がついたことはないか?なんでもいい。思い出せ」

「えーと、男の背は低くて、髪は短かったと思う。ぽっちゃり体型で、なんて言うか、短気…だった…?」

「……なるほど」


〈時読みの異能〉で視えた男の特徴に、玲奈がなんともいえない複雑な顔をする。玲奈の考えていることはわかる。仁も同じ考えであるからだ。


「……俺、すごく心当たりがあるんだけど」

「奇遇だな。私もだ」


玲奈と仁は互いに複雑な顔を見合わせる。


「いや、いくらなんでもそれはないよな。『こちらの世界』に関係ない、一般人だろ」

「確かにそうだが、無関係ではないだろうな」


皮肉気に玲奈が鼻で笑う。


「何せ、この異変は人為的に起こされたものだからな」


玲奈の言葉に、仁は間抜けな声を上げた。

それは二日前の事。相談を受けて、祥子の元に訪れた玲奈は、さっそく異変の正体を探ろうとした。しかし、その日は外せない用事があり、泊まり込みで調べることが出来なかった。

なので、玲奈は家の周りを〈使い魔〉に見張らせた。そして、安全のために祥子の寝室に〈結界〉を張り、家のあちこちに捕縛の罠を仕掛けて、祥子の家を後にした。

そして、次の日。昨日の夜に仕掛けた罠を、玲奈は真っ先に確認した。すると、仕掛けた罠の一つが作動していたが、その罠には何もかかっていなかった。

玲奈が仕掛けた罠は、作動すると銀色の金属糸が獲物を拘束し、銀色の檻が捉え〈魔術〉による罠。獲物を捉えるために作動した銀色の檻の中には、グルグル巻きになっている銀色の金属糸しかなかった。まるで、捕えていたモノだけが消えてしまったかのようだった。

作動した罠を玲奈が調べてみると、銀色の金属糸に灰色の砂らしき物だけが付着していた。玲奈は、残された灰色の砂を念入りに調べてみると、微かに〈術式〉の形跡を見つけた。

〈術式〉から〈術師〉の存在、異変に人が関与していることはわかったが、誰の仕業なのかがわからない。見張りをさせていた〈使い魔〉の報告では、家に侵入してきたものや、出て行ったものもいなかった。

罠にかかっていた獲物が家から出て行った形跡がないのなら、まだ家にいる可能性がある。それと、誰が異変を起こしているのか、祥子の交友関係などを調べる必要がある。そう玲奈が考えていた時に、『こちらの世界』の者で、探偵である仁が現れた。


「お前が来てくれて、本当に助かった」


しみじみと玲奈が呟く。

祥子の交友関係調査だけではなく、〈時読みの異能〉で、仁は犯人の目星も付けてくれた。


「あの時、巻き込んでよかった」

「…………」


真剣な眼をした玲奈に、なんて返したらいいのだろうか。巻き込まれた側の仁としては、いろいろと複雑だ。

しかし、もう依頼は引き受けてしまったので、グタグタ言うのはなし。気を取り直して。


「横山さん、話していた罠の場所に案内してくれない?もしかしたら、視えるかもしれないから」

「ああ、そうか。わかった」


仁の〈時読みの異能〉は自分の意思では視ることは出来ない。しかし、一度〈時読みの異能〉で視たものと関連するものは波長が合いやすいのか、視ることが出来る確率が高い。

もし、書斎で探し物をしていた男と罠に捕まっていた何かが関わりのあるなら、視ることが出来るかもしれない。

玲奈と仁は獲物が掛かっていた罠の場所、一階に向かった。


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