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俺が入院しているスキに俺の実家がRPGの舞台になっていた件について  作者: 時田総司(いぶさん)
第七章 最後の試練

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第九十八話 ショッピング?

「店長! この剣、値下げしてくれねぇか!?」


「この帽子……良い! この手袋も……!!」


「おやっさーん♪ この杖、手に持ってみて良い?」




市街地――、


様々な露店が並ぶ中、タケヒコ、ノノ、セルジュはそれぞれにウインドウショッピングを楽しんでいた。




しかし、このパーティのリーダーは……。




「オッサン! この店にゼトの日誌と街のかけら無い!?」


「お姉さん! この店にゼトの日誌と街のかけら無い!?」


「おじい様! この店にゼトの日誌と街のかけら無い!?」




一人、日誌とかけら集めに奔走していた。あまりにもせわしなく露店を片っ端から尋ねた為、タクヤはいつしかぜぇぜぇと肩で息をしていた。


「ハァ……ハァ……ダメだ、しらみつぶしにやってても埒が明かねぇ。……よし」


タクヤは(何故か)目を閉じる。そして人ごみの中心でブツブツと何か唱え始めた。


(風の音を聞け……心身を集中させろ……心の目を開け……!)




「キュピーン!」




タクヤの脳裏に電撃が走った。


「(あっちだ!)そこの店長さーん、ちょっと一言よろしいですかぁ――!?」




「!?」




とある露店――、


その店の店長は、ドラゴンを連れ、目を輝かせた謎の男に猛ダッシュで迫られた。


「なっ!? アンタは……?」


「俺はタクヤだ!! 店長! この店にゼトの日誌、『市街地の日誌』はねぇか!? それと、『街のかけら』!」


「あ、ああ。あのよく分からん、書物か。それだけならあるぞ」


タクヤに迫られた露店の店長は、ゴソゴソと何かを取り出してきた。


「ほれ、誰も買わないから、50コインで良いぞ」


「そ……、そうか……それで!(やっす! 値段交渉しようと思ってたけど、その必要も無いな!)」『市街地の日誌を手に入れた! 50コインを失った!』「よーっしゃあ!! ありがとな! てんちょーさん!」


タクヤは手を振ってその店をでた。露店の店長も手を振って答えたが、胸中、穏やかではなかった。


(嵐のような男だったな……)




「やー♪ タクヤ、日誌見つけられたね」


「おうセルジュ、見つけてやったぜ」


セルジュ、タクヤは人ごみの中、お互いを確認すると、言葉を交わした。




『と、いうコトは!?』




「俺はさっきの店の右隣の店に行く!!」


「それじゃあ私は左隣の店に♪」




「……」


「……♪」




二人はそれぞれ、先程の露店の横隣の店に入り、売られているであろうアイテムについて問う。




『――、ありますか!?』




――、


セルジュは先程入った店から出てきた。いつも通りの笑みで呟く。


「あちゃー♪ 取り扱ってなかったよー。! タクヤ?」


「ふっふっふー、セルジュ。驚くことなかれ」


タクヤも、セルジュが入った所とは違う店から現れた。


「♪ 手に入れたの?」


「あったぼーよ!! ほれ! 見ろ!!」




『街のかけらを手に入れた!』




「800コインもしたのが、少し痛かったけどな」


「ははっ♪ 経済力、見せつけてきたね」


「そーだな。あっ……」


セルジュと上機嫌で会話していたタクヤだったが、ここで何かを思い出した。


「アイツら……!」


「タケヒコとノノちゃんのコト? それなら♪」


セルジュは右人差し指で3時の方向を示した。


「ほら、あそこ♪」


「!」


タクヤが目をやると、そこには人ごみの中に、少しだけ申し訳なさそうなタケヒコと、ルンルン気分のノノが居た。


「お前ら! 今までずっと買い物してたのかよ!?」


「すまんな、タクヤ……」


「申し訳ありません」


タクヤの言葉に、タケヒコは更に、ノノは一転して気まずそうにしていた。


「俺が日誌とかけらを見つけて買ってやったのに、お前らはウィンドウショッピングに勤しんでいたんだな。はぁーやれやれ」


「それなんだが……」


「まさか……」


「コレ、買っちゃった」




『銀の剣を手に入れた!』




「!!!! 何コインしたんだぁああ!?」


「1000コイン……」


「!!!!」


タクヤはガックシと膝から崩れ落ちた。


(街のかけらより……高いだと……?)


意気消沈するタクヤだったが、ノノは一人、上機嫌だった。


(タケヒコ君……あんな大金をどかっと使えるなんて……スゴイ……)


正にあばたもえくぼ状態。ノノのその様子を見たタクヤ、負の感情を顕わにする。


(チックショー、ノノめ。そんな表情してたら考えているコト丸分かりだっつーの! つーかあの二人、あの歳で健全にやってますよ感があってツッコみにくい……)


「タクヤぁ、ひとまず試練クリアと、かけらゲットおめでとう」




「!」




ふと、声のする方へ振り返ると、そこには満面の笑みで祝福しているセルジュの姿があった。タクヤはハッとなり、次第に涙腺が緩み始め、涙目になりか細い声で言うのだった。


「セルジュぅ……お前だけは俺の仲間だよなぁ!?」


「何それー? タクヤ。このパーティ、皆仲間だよ♪」


「せやかてセルジュ、ヤツら抜け駆けしようとしとるんやで?」


「ははっ♪ 何で服〇平〇? まぁいいや。市街地の日誌、読もうよ♪」


「そうだな。タケヒコとノノも! こっち来い。日誌読むぞ。えーと、何々?」


『遂にその時は来てしまった。“あの日”が来たのである。あの日、ヤツが現れた。その人物が勇者タクミである』

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