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俺が入院しているスキに俺の実家がRPGの舞台になっていた件について  作者: 時田総司(いぶさん)
第七章 最後の試練

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第九十四話 宣言

宝箱の中から眩い輝きが放たれる。


「こ……、これは」


『銀の盾を手に入れた!』


「んー? 何かで見たような……」




「くっそー! ダブったか」




「!」


タクヤが何か思い出そうとしているところ、タケヒコが声を上げて悔しがった。


「何だ? タケヒコ。もうコレ、持ってんのか」


「忘れたのかタクヤ。俺の装備しているコレ、そっちのと同じだぜ?」


タケヒコはそう言うと、自身が装備している『銀の盾』をタクヤに見せた。


「oh……確かにダブってる」


「タクヤ♪ こんな時は……」


セルジュは明るくタクヤに話し掛けてきた。


「そうか! セルジュ」


「♪」




「実家の離れで売れば良いのか!」




セルジュは、金にがめついタクヤの発言にズデッと、ズッコケた。


「忘れちゃったかー♪ もう一度教えるよ、タクヤ。完全クリアするためには実家の離れにある展示場に、全ての装備を展示しないといけないんだ。だから装備アイテムがダブったら、迷わず展示場に展示すると良いんだよ♪」


「そうかー。完全クリアへの道は遠いな。ん? 展示場にもあるのはどうするんだ?」


「……」


「……?」




「流石に売ろう♪」




――、


「次! 右の宝箱だ!! 理由はテキトー!!」


タクヤは次の宝箱を開けようと意気込んでいた。セルジュはその様子を一歩下がって観察していた。


(んー、ヒトは迷ったら左を選択しやすいっていうけど、それは道に迷った時に限ったモノなのかな? それともタクヤが特殊だとか♪)


「開けるぞ!」


タクヤは大広間の入り口から向かって右の方にある宝箱を開けた。眩い輝きが放たれる。「!!」




『銀の槍を手に入れた!』




「よっしゃー! ドラゴンナイトである俺が使える武器、『銀の槍』来た――――!!!! ってもう持っとるわ!!」




「見事なまでにノリツッコミをしていったな」


「ええ」




タケヒコとノノは真顔でタクヤの言動を語っていた。セルジュがタクヤに話し掛ける。


「また展示場行きだね、タクヤ♪」


「おいセルジュ……」


「?」


「日誌やかけらどころか、今んとこ全部装備のだだ被りじゃねぇか。まさか3つ目も同じ調子にダブるってコトはねぇだろうな?」


「んー、無いとは言い切れないね♪」


「な!?」


「元々、“最後の試練”は日誌を探して、各マップをしらみつぶしに探しまくっていく感じだから、今回の神殿では全ての部屋の宝箱を開けて、やっとこさ見つけられるっていうケースもあるんだ♪」


「お……、鬼だな。最後の試練」


「さっ♪ 最後の宝箱、開けるよ」


タクヤ達は大広間の入り口から向かって向かって左側の、最後の宝箱の前に集まった。


(神様仏様、宝箱様……! 日誌かかけらか、どちらか片方だけでも出てきてください……)


タクヤは祈る様に目を閉じ一呼吸置いて、


「キィー……」


宝箱を開けた。


「んー……!」




『500コインを手に入れた!』




(ハッ!!)


(これって♪)


(いつものタクヤなら!!)




ノノ、セルジュ、タケヒコは想いを巡らせる。


しかし――、


「流石の俺でも喜ばねぇぞ――!!」




((いつもと違う――!!))




タクヤ以外の三人は思いを揃えてツッコんだ。すぐにセルジュがタクヤに話し掛ける。


「タクヤ♪ 今回のコインは、嬉しくないの?」


「……ああ。すぐにでもかけらが欲しいんだ。俺以外クラスチェンジしてて、出遅れてる感があるからな……」


「あ―♪(じらいふんじゃったかなー?)」


「まーこんな日もあるって! 切り替えようぜ」


タケヒコがタクヤの肩を組んで言ってきた。タクヤも、フーと、軽く溜め息をつき、


「……だな。今日はセーブして終わるか」


「……」


セルジュはその様子をしっかりと目に焼き付けていた。


(流石、タカヒロ……。僕はああはなれないなぁ……)




――、


「よし!! セーブもしたし、今日はここまで! 次の集合時間は、明日土曜日の13時くらいでいいか!?」


『異議なーし!』


「じゃあ、解散!!」


「プツン」


ゲームの電源が切れる。毎度のようにVRゴーグルを外したタクヤは、自室の時計を見る。針は0時30分頃を指していた。


「これくらいなら良いよな、うん」


タクヤは少々、パーティの三人のコトを機に掛けていた様子だった。そこで――、




「ブーブーブー」




「!?」


タクヤの携帯が鳴り始めた。


「んだよ!? 誰だ? こんな時間に」


発信相手を確認するタクヤ。


「!」


それはタカヒロ(タケヒコ)からのモノだった。


「ピッ」


「もしもし?」


「もしもし、タクヤ。俺だ。タカヒロ」


「知ってるよ、何の用だ?」


「あのさっ、ノノってどこに住んでんのかな?」


「! どうしたタカヒロ、お前マジで……」


「なんか最近、気になってて。さっきの戦いで、皆で生き残りましょうとか言って、気にかけてくれたからさ」


「さ……、さあな。どこに住んでんのかな?」


「やっぱり分からねぇか……」


タクヤは電話越しの声からタカヒロが深いため息をつき、視線を落としているのが分かった。


「あっ、でもっ! あのゲームのチャット機能使えば、ひとまず連絡取れるんじゃね?」


「そうか! そうだよな!! 俺、あのゲームクリアしたらデートに誘おうか?……いや、誘おう!」


「は……、ハハ。頑張れよ」


「おう! じゃあな」


ピッという音で電話は切られた。タクヤは数秒フリーズして虚空を見上げていた。そして数秒後、


「そうだ! セイジに報告だ!」


タクヤはセイジに電話するコトとした。

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