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俺が入院しているスキに俺の実家がRPGの舞台になっていた件について  作者: 時田総司(いぶさん)
第七章 最後の試練

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第九十三話 大広間、再び

『ギガゴーレム達を倒した。タクヤ達は経験値をもらった。タクヤLvアップ33→34』


「うっし! 久々レベルアップだぜ!!」


『タケヒコLvアップ34→35』


「よっしゃあ!!」


『セルジュLvアップ37→38』


「ん♪」


『ノノLvアップ33→34』


「よーし!」


『敵を倒し、復活の薬草を2つ、薬草を1つ、700コインをもらった』


「おっしゃぁああ!! これで2000コイン超え! 金に困らずに生活できる(ゲーム内で)ぜ!!!!」


タクヤの一声に、はぁーと、溜め息をつく様にノノとタケヒコが口々に愚痴をこぼした。


「また金ですか……?」


「コイツと来たら……」


「♪ でも、今回のバトル、皆で生き残れたね」


ここでセルジュが切り返す様な一言を。


「!」


「! ――」


思わずノノとタケヒコが視線を合わせ、二人は顔を赤らめる。それをタクヤは見逃さなかった。


「おやおや、雑魚カップル。俺が寝てる間に何かあったのか? んー?」




「……」

「……」




「ん?」




「スッ……」


「スチャ……」




ノノは杖を、タケヒコは剣をタクヤの喉元に突き付け、言う。




「誰が雑魚カップルですって?」

「誰が雑魚カップルだ?」




「ライジングサンダーとフルフレイム。どちらで葬らされるか選ばせてあげます。どちらにしよ、真っ黒こげになりますけどね……」


「斬死か失血死か。どちらか選べ。どちらにせよ、この剣によって死にゆくのは変わらないがな……」


「スッ……スミマセンデシタ」


タクヤはフルフルと震えながら、只々頭を下げた。




――、


「さて♪ 順当に行けば、この先には大広間があるね。マップが変異してなければいいけど……」


「マップをクリアする毎に地形が変わってるんだってな!」


「そう♪ タクヤにしてはよく覚えてるね!」


「るせーやい」




「あのっ」




「?」


「!」


セルジュとタクヤの会話に、ノノが割り込んできた。


「この先の部屋ですが、大広間だったら、宝箱を開けてセーブをするところで終わりませんか? 金曜日なので、一週間の疲れもたまってますし……」


タクヤ、セルジュ、タケヒコは顔を見合わせた。




「そーだな。しゃーない」


「♪」


「だな!」




「決まり! ですね」


「じゃあ、次の扉を開ける前に、ノノちゃん♪」


「?」


セルジュはノノにひそひそと耳打ちする。




「んー?」


「?」




それを見たタクヤとタケヒコは腕組みをしてハテナ顔になっていた。


タクヤは、セルジュ、ノノの二人組には茶化したり茶々を入れたりしない。ゲーム内では、最強格の座を譲らないセルジュは、現実世界では文字通り日の当たらないところでひっそりと暮らしているセイジだからだ。そしてノノに対しては、タケヒコへの特別な想いがあるのを少なからず察しているからである。だから、『やーい、この不倫女ー』とは言わないのだ。


「この解説、俺がここまで幼稚な奴と間違えられる心配をしているのかよ」


「何が言いたいんだ? タクヤ」


メタ発言をするタクヤに対して、何も知らないタケヒコは問うのだった。


「なっ、何でもねーよ……」


ここで、セルジュが声を大にして言った。


「じゃーん♪ 次の扉を開ける前に、ここでHP回復タイムでーす! 私はタクヤに、ノノちゃんはタケヒコに杖を振りまーす」


先程のバトルで、少々ダメージを負っていたタクヤとタケヒコ。その二人を、セルジュとノノの二人で次の部屋に行く前に体力回復を行うらしい。




「行くよ♪」


「おう!」




「……行きます」


「ああ」




『セルジュは杖を振った』


「シュイーン」


『タクヤのHPが回復した』




『ノノは杖を振った』


「シュイーン」


『タケヒコのHPが回復した』




「よっしゃ! サンキュな、セルジュ」


「基本、これが本職だよ♪」


タクヤは感謝の言葉を掛けたが、セルジュは淡々と返した。




「よし! ありがとな、ノノ」


「あっ……は、ハイ」


ノノが顔を赤らめたため、タケヒコも少し意識し、ぽりぽりと頭を掻いた。


「ひとまず扉開けっぞ! 皆!」


「おー」(約一名)




「ゴゴゴゴゴ」




扉が開き、そこにあったのは向かって左、真ん中、右にある3つの宝箱だけだった。




『大広間――』


「よし、順当に行ったね♪」


「ハイ、ハーイ! セルジュさんに質問!!」


タクヤが元気よく右手を上げ、セルジュに問う。


「どうしたの? タクヤ♪」


「何となくの感覚だけど、もしかして、あの宝箱に『ゼトの日誌』や『かけら』が入ってたりするのか?」


「鋭い! その可能性はあるよ、運しだいだけどね♪ 因みに宝箱一つ一つ開ける度に、オートセーブが行われるから、今回の試練ではリセマラできないようになっているよ」


「一発勝負か……いいぜぇ、燃えてきた」


やる気がみなぎるタクヤに、タケヒコが声を掛けてきた。


「タクヤ、一応だが聞いておく。誰が宝箱を開けるかはどうせお前が開けるとか言って問答無用で決まりだろうが、左、真ん中、右のどの箱から開ける?」


「こーいう時は、黙ってど真ん中だ!! 行くぞ!!!!」




((単純な奴め……))




その時パーティの3人は同時に同じコトを考えた。タクヤ達は大広間の真ん中にある宝箱の前に立った。


「出てこい! かけらぁ!!」


「キィ……」




『宝箱を開けた』

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