第九十二話 ギガゴーレム戦
「タケヒコ君!!」
ノノの叫び声がこだまする。
『タケヒコのターン:戦う――、斬り付ける!』
「それでも!!」
「ガギィン!」
『ヒット! 効果は今一つ。ギガゴーレム1、HP:0/151、ギガゴーレム1を倒した!!』
「俺は目の前の敵を少しでも減らすまでだ……」
タケヒコは怯まずに敵に立ち向かう。そして――、
(嫌……! タケヒコ君を死なせたくない……! これは!?)
ノノは自分にできる全ての行動を、表示画面から読み取った。
『ノノのターン:回復魔法――、ヒール』
ノノはタケヒコに対し、杖を振った。タケヒコの身体は、杖の動きに呼応し、光り輝きだし、HPが回復した。
『タケヒコ、HP:157/198』
「おお! ノノ!! いつの間に回復魔法を!?」
「えへへ……。魔導士になった時に覚えていたみたいです。今回のバトル、皆で生き残りましょう!!」
「! ――、あ……ああ」
タケヒコは少々、顔を赤らめた。
「じゃあ、念押しで♪」
『セルジュのターン:防御魔法――、シールドアップ!』
セルジュはタケヒコに対し、杖を振った。
『タケヒコの防御力が上がった』
「おお!! セルジュまで!」
「これで今回のターンは安全でしょ♪」
「サンキュな」
「さぁて、場が整ったところで――」
『タクヤのターン:スキル――、ドラゴンバーン!』
「ゴォォ……ゴォォォォオオオオオオオオ!!!!」
『ヒット! ギガゴーレム2、HP:31/150』
「敵その2、倒しきれなかった……か……」
タクヤは力を使い果たし、地べたに横たわった。
『ギガゴーレム2のターン:戦う――、ギガアームタックル』
「ぐがっ!」
「タクヤにヒット! タクヤ、HP:124/184』
『ギガゴーレム3のターン:戦う――、ギガアームタックル』
「ぐぐ!!」
「タクヤにヒット! タクヤ、HP:64/184』
タクヤは寝た状態で、敵の攻撃を食らって行った。ここでタケヒコが口を開く。
「シールドアップで俺の『守り』ステータスが上がったと見なすと、直ぐにタクヤを攻撃するとは……敵AIも流石だな」
「それにしても、もっとまともな攻撃の受け方できないんですかね? このヒトは……」
「まぁまぁ。さて、こっちのターンだよ♪」
ノノとセルジュも声を発している間に、タクヤ達パーティのターンとなった。
「ノノ! ギガゴーレム2は任せる!! 確実に葬ってくれ!」
「は……ハイ!!」
『タケヒコのターン:戦う――、斬り付ける!』
「ガギィン!」
『ヒット! 効果は今一つ。ギガゴーレム3、HP:130/152』
「くっ、こんなモノか……」
「(確実に……確実に……!!)行きます!」
『ノノのターン:戦う――、フルフレイム!』
「ボワァァ……ゴォォオオ!!」
『ヒット! ギガゴーレム2、HP:0/150』
「やた!」
「やったな、ノノ!」
「は……ハイ!!」
タケヒコとノノはパァンと、乾いた音のするハイタッチを交わした。
(タケヒコ君と、珍しくハイタッチ……! くぅー)
ノノはしゃがみ込んで両手でガッツポーズをしていた。その様子をセルジュは見逃さず……。
「(ふーん、そーゆーコトね♪)さて、私のターンだ」
『セルジュのターン:回復魔法――、ギガトンヒール』
セルジュはタクヤに対し杖を振り、タクヤのHPが回復した。
『タクヤ、HP:184/184』
「ナイスだ、セルジュ! これで今回のバトル、皆で生き残れそうだな!」
「ですね! タケヒコ君!!」
「私は回復魔法が専門職だからね♪」
タケヒコ、ノノ、そしてセルジュは口々に言うが……
「ぐー、ぐー」
タクヤはと言うと、『ドラゴンバーン』で力を使い果たした為、動けずにいた。
『タクヤのターン:……、タクヤのターンは終わった』
『ギガゴーレム3のターン:戦う――、ギガアームタックル』
「!!」
「タクヤにヒット! タクヤ、HP:124/184』
「ふぅー、これなら安心だな。行くぞ……!」
『タケヒコのターン:戦う――、斬り付ける!』
「ガギィン!」
『ヒット! 効果は今一つ。ギガゴーレム3、HP:108/152』
「こんなところか……ノノ、任せたぞ!!」
「ハイ!!」
『ノノのターン:戦う――、ライジングサンダー!』
「バリバリバリバリ!! ガラガラガッシャーン!!!!」
『ヒット! ギガゴーレム3、HP:0/152』
「よっしゃあ!! 皆で生き残ったぞ、ノノ!」
「ハイ!!」
タケヒコとノノは再び、パァンと乾いた音のするハイタッチを交わした。
(タケヒコ君と、またまたハイタッチ……! くぅー、今夜はお酒が進みそう!)
歓喜するノノだったがその様子をセルジュは見逃さなかった。
(ふぅー、やれやれ。でも、この二人結構お似合いかも♪)
「ッは!! 敵は!? ギガゴーレム達は!?」
ここでタクヤが目覚める。
「ふぅー」
「はぁー、やれやれ」
「♪」
タケヒコ、ノノ、セルジュはお互い目を合わせ、溜め息をついた。そして声を揃えて言う。
『皆で倒したよ』
「! っは!! ……まぁ、アレだな。俺が直々に手を下すまでも無いというか……」
「ドラゴンバーンとか言って手を出してましたよ?」
「ぐっ、ぐぬぬ」
ノノの一声に何も言えないタクヤ。
「まぁ、アレもいらなかったけどね♪」
「ぐはっ!」
セルジュも素っ気なく返す。
「俺らに敵が倒されるのも、時間の問題だったな」
「がはっ!!」
タケヒコの一言でタクヤはとどめを刺された。
「それでも、まぁ♪」
『勝利!』
「納得いかねー」
腑に落ちない、タクヤであった。




