第九十一話 タケヒコの窮地
神殿――、
見通しの悪い砂漠地帯に佇むそれは、不気味――、という言葉がおあつらえ向きだった。
「神殿……。ここに来るのも、三回目だな……。ん?」
タクヤはそっと呟く。そして、何かに気付いた。文字が刻まれた石碑が会ったのである。タクヤは文字を読んでみる。
「『都会のカエルと田舎のカエル、クイズに正解したのはど……』」
「田舎のカエル!!!!」
ノノが途中から大声で口を挟んだ。
「? ?」
タクヤは急な出来事に多少戸惑っていた。ここでタケヒコも口を開き、タクヤを神殿の入り口の左側の石板へと連れて行った。
「はいはい。こっちですよーっと。アレをじっくり読んでる様じゃ、その答えも忘れてるんだろ?
※何が言いたいかは、第十話参照
このマップに来るの三回目ならフツーどうするかも覚えているよな?」
「?」
タケヒコの問いに、タクヤはハテナ顔だった。
「……(コイツ、まさか)」
タケヒコがタクヤに不信感を持ちながらも、タクヤが左の石板に立った。すると、ゴゴゴゴという地響きが鳴り、神殿の扉が開いた。
「てゆーか、あの石碑、何が言いたかったんだ?」
タクヤの呑気な質問に、パーティの三人はズデッとズッコケた。
「相変わらずだね♪ タクヤ。アレは前も読んだコトがある、なぞなぞだよ♪ その存在自体を忘れてるなんて、タクヤはマップ『神殿』のどこまでを覚えてるの?」
「ゴーレムがいる。金が貰える」
((守銭奴……))
セルジュの質問に対する、タクヤの答えに、パーティの三人は凍り付いた。
「ん? なんだその反応は。まあいい、中へ入るぞ」
『……』
パーティの三人は只々、無言だった。中に入ると、そこは12畳ほどの広さの部屋になっていた。
「ん? また何かある」
タクヤはそこにもなぞなぞの石碑があるのを発見した。
「読んでみるか。『りんご、イチゴ、キウ』……」
「キウイ!!」
またしてもノノが途中から大声で口を挟んだ。
「さっきから何だ、ノノ?」
「はぁー、この石碑の意味と答えを覚えていないなんて、
※何が言いたいかは、第十話参照
流石、鳥頭人間コンテスト初代王者ですね。見てられないんで答えを早々に言っちゃいましたよ」
「? 石碑の意味? 答え?」
「いいから♪ キウイの石板を押そうね」
タクヤはセルジュに促されてキウイの石板をおした。
※何が言いたいかは、第十話参照
すると再びゴゴゴゴという地響きが鳴り、神殿の壁面が横に開いていった。
『第二の部屋――』
今度は先程よりも広々とした部屋が広がっており、部屋の中心付近にはゴーレム系のモンスター達が佇んでいた。
「おい!」
「ああ」
「ええ」
「♪」
タクヤの一声に、パーティは敵への集中力を高めた。
「あんなところに宝箱があるぞ!」
パーティの三人は、あまりにもずば抜けたタクヤの金欲にズデッとズッコケた。事実、ゴーレム達の向こう側にチラッと宝箱が見えた。
「あんなに目立った敵が目の前にいるのに、よくそんなモノに気付きましたね」
「タクヤのお宝への執念だね♪」
「それより、来るぞ……!」
『ギガゴーレム達が現れた!!』
「おっと、お宝の前に、敵か! ギガゴーレム3体か……。ゴーレム系で一番強い敵だが、一体一体着実に倒していくぞ!」
『おー!』
タクヤの一声に、パーティは答えるのだった。
『タケヒコのターン:戦う――、斬り付ける!』
「ガギィン!」
『ヒット! 効果は今一つ。ギガゴーレム1、HP:128/151』
「くぅー、対ゴーレムでは、剣士系は相性が悪い……」
「(今回の敵は、前も戦ったことがある……)行きます!」
『ノノのターン:戦う――、サンダー!』
『ヒット! ギガゴーレム1、HP:21/151』
「あっ……(MPの節約、し過ぎた――!!)」
「ノノちゃん、MPの節約しちゃったんだね♪」
「人の心を読まないでくださいー!!」
『セルジュのターン:防御魔法――、シールドアップ!』
セルジュはノノに対し、杖を振った。ノノの身体は、杖の動きに呼応し、光り輝きだした。
『ノノの防御力が上がった』
「あ……何……で?」
「一番『守り』ステータスが低いのはノノちゃんだからね♪ 今回のバトル、皆で生き残ろう!!」
「……! ハイ!!」
「よっしゃ! 漸く俺のターンか。行くぜっ!!」
『タクヤのターン:戦う――、槍で突く!』
「ガギィン!」
『ヒット! 効果は今一つ!! ギガゴーレム1、HP:1/151』
『1ぃぃいいいいいい!!?』
パーティは口を揃えて叫んだ。
「乱数に嫌われたね、タクヤ♪」
「呑気なこと言ってていいのか、セルジュ!?」
『ギガゴーレム1のターン:戦う――、ギガアームタックル』
「ぐあっ!」
「タケヒコにヒット! タケヒコ、HP:149/198』
『ギガゴーレム2のターン:戦う――、ギガアームタックル』
「ぐあっ! またか!?」
「タケヒコにヒット! タケヒコ、HP:99/198』
『ギガゴーレム3のターン:戦う――、ギガアームタックル』
「ぐあっ! がぁあ!!」
「タケヒコにヒット! タケヒコ、HP:49/198』
タケヒコの身を案じ、ノノは思わず叫んだ。
「タケヒコ君!!」
「あと1ターンでHP0♪ マズくなってきたね……」
「くっ! タケヒコ!!」
セルジュとタクヤもタケヒコの窮地に、神経をとがらす。




