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俺が入院しているスキに俺の実家がRPGの舞台になっていた件について  作者: 時田総司(いぶさん)
第七章 最後の試練

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第八十二話 ダイスライム戦

草原――、


辺り一面の色鮮やかな緑が、風になびいている。そこへ、タクヤ達一行が登場した。


「おっしゃー! 絶対にかけら、集めるぞー!!」


「タクヤぁ♪ クラスチェンジも良いけど、これから始まる最後の試練は、『ゼトの日誌』を集めるという、試練なんだ」


「ぐぬぬ、セルジュ。その日誌とやらは、かけら集めと並立して集められないのか?」


「確実にとは言えないけど、だいたい二つは近くに存在しているよ♪」


「よっしゃー! 日誌もかけら集めついでに見つめるぞぉー!」


「かけらのがついでなんだって♪」


タクヤとセルジュが会話している大分後ろで、ノノとタケヒコは少し冷めた様子で、距離を置き会話していた。


「なんか二人だけで盛り上がっちゃってますね」


「だな。これからどんな大変なことがあるかも知らずに……」


「そんなに大変なんですか? 日誌集めって……」


「ああ。コンパスやマップのヒント無し。完全に運任せの探索になるな……」


「それは大変そうですね。でも……」


ノノはチラリとタクヤの方に視線をやった。そこには両腕を腰に当ててふんずり返っているタクヤの姿があり、大声を上げていた。


「がっはっはっは! 俺にすべて任せろ!! 何でも見つけてやるぜ!!」


その様子をタケヒコも見ており、両手を軽く上げ、はぁーという深い溜め息をつきながら手のひらを見せる。うんうんと、ノノは頷き言った。


「タクヤ君なら何かやってくれそうな気になってくるんですよね」


「だよな」


和やかな空気が漂っていた矢先――、




「ぬぬぬらぁ!」




「?」


「!」


「!!」


「!?」




『ダイスライムが現れた!』




「おっと、ダークレッドドラゴンを倒した俺らに、今更スライムが、何かできると思うなよ? HPもひっくいんだろ、きっと」


タクヤはそう言って意気揚々とステータスを確認する。






『PH999/999』






「ふぁ?」


「タクヤぁ♪ ここ、草原も、ストーリー攻略の進行具合で敵の強さも変わって来るから気を抜かないでね♪」


「だからといって、999はねーだろ! ダークレッドドラゴンでも777の大当たりだったのにぃ!!!!」


タクヤが発狂している中、タケヒコが冷静に言い放った。




「タクヤ、よく見ておけ」




「!?」


『タケヒコのターン:戦う――、斬り付ける!』


「スパッ!」


『ヒット!  ダイスライム、HP:545/999』


「なっ!? 400ダメージ……以上……」


「タクヤ! ダイスライムは、HPだけ見掛け倒しの、柔らかいモンスターだ! 怯むことはないぞ!!」


「怯んどらんわ、タケヒコ! 俺をお前の物差しで測るんじゃねぇ!!」




「今日も仲良しだね,、二人とも♪ それじゃあいきますか」


『セルジュのターン:戦う――、ライトニング』




「パァアア!!」




眩い光が、ダイスライムを襲った。


「ぬぬらっ」


『ヒット! 効果は今一つ! ダイスライム、HP:293/999』


「うーん、光属性の攻撃魔法は今一つ、かぁ♪」


「おいセルジュ!! 今一つで252ダメージって何なんだよ!?」


何事も無かったかの様に飄々としているセルジュに対して、思わずタクヤは怒りのツッコミを入れた。




「次は……、私の番……!」


『ノノのターン:戦う――、ライジングサンダー!』


「はぁぁあああああああ!!!!」




「バリバリバリバリガラガラガッシャ―ン!!!!」




『ヒット!  ダイスライム、HP:0/999、ダイスライムを倒した!!』




「よし! ノノ!!」


「ハイ!」




「パァン!」




タケヒコとノノは明るくハイタッチを交わした。




『経験値を手に入れた。タクヤLvアップ32→33、タケヒコLvアップ33→34、ノノLvアップ31→33、セルジュLvアップ35→37』




その時、タクヤの心境は――、


(お、俺を差し置いて、その他大勢で勝ちやがっただと……? 俺の出番は……)


レベルアップしたものの、わなわなと震えるタクヤだったが、ここでセルジュが彼に声を掛けた。


「やったねタクヤ♪ 労せずとも経験値もらえて」


「そ……、そうだな……。リーダーである俺が手を下すまでもない……(皆つえー。俺、取り残されちゃってる……?)」


口から出る言葉と、心の中にある言葉が一致しないタクヤだった。




――、


草原を十数分探索したが、特にこれといった成果は無く……。


「何だココ? 広いし、前の時の草原とは雰囲気が違うような……」


「タクヤぁ、前言ったかも知れないけど、草原マップもランダム生成マップになっているから、今のマップは前回来た時とマップの形状が違うんだ♪」


「そういやそんなコト言ってたような……」




「そうだぞタクヤ!」




「!?」


セルジュとタクヤの会話に、タケヒコが割って入ってきた。


「マップ全体を隈なく探す……忍耐力と精神力がキーとなる試練だ!!」


「ですね」


ノノも軽くうなずく。タクヤは固く拳を握り、少しだけ悔しそうに、大きな声で言う。


「くーっ! ここに来て難易度を上げてきやがったな、『The battle begins on the farm』!! やってやる!! 絶対にかけら、集めるぞー!!」


「タクヤ、ゼトの日誌が先だってば♪」




『タクヤ率いるパーティの士気が、より高まった』



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