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俺が入院しているスキに俺の実家がRPGの舞台になっていた件について  作者: 時田総司(いぶさん)
第七章 最後の試練

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第八十一話 試練の始まり

13時、数分前――、


「おっしゃ! そろそろ行くか!!」


タクヤは自室にて、いつもの調子でVRゴーグルを装着、ゲーム『The battle begins on the farm』を開始した。前回セーブポイントの実家の離れに、タクヤは颯爽と登場する。


「いよっと!」


スタンッという音で、タクヤは着地した。


「ハロー♪」




「!!」




後ろを振り向けば、すぐそばにセルジュが居た。


「セルジュ。まーたお前は一番乗りだな」


「まぁね♪」


フーと、タクヤが溜め息をつき、両手を軽く上げ手のひらを見せていると、離れの中に二つの光が突如として現れた。眩い二つの光は離れの中を照らした。


「シューン」


光が収まりその中から、二人の人間が現れた。




「おっ!」


「あ」




その二人とは、タケヒコとノノだった。それに対し、タクヤは企み顔で二人に近付き、言った。


「今日も揃って登場とは、仲がよろしいこって。チャットもほぼ同じタイミングで、揃って送られて、息ぴったしだったぞ?」


二人はカッと顔を赤くしお互い顔を背ける。タクヤはそれでもお構いなしに嫌味ったらしく言葉を投げかけていく。


「タケヒコ、ノノ。こんなに仲良いとかお前ら、実はできてるんじゃないのかー?」


そして――、




「ライジング、サンダー!!」






「バリバリバリバリガラガラガッシャ―ン」






「かはぁっ!!」


『ノノ:ライジングサンダー』


『タクヤにヒット! クリティカル、効果は抜群だ。タクヤ、HP0/178、タクヤは力尽きた』


「ぁ……」


ノノは躊躇なくライジングサンダーをタクヤにお見舞いした。




――、


「……で、セルジュ。コレ、どうするよ?」


タケヒコは装備していた光の剣で、ツンツンと力尽きたタクヤをつついている。それに対して、セルジュはにっこりと、いつもの笑顔で言った。


「うん♪ 試したいコトがあってね」




「?」


「何だ? 試したいコトって……」




ノノもタケヒコも、セルジュの言葉にはてな顔になっていた。ここでセルジュは、徐に持っていた杖を高々と上げ、言い放つ。




「リライブ!!」




『セルジュ:回復魔法――、リライブ』


セルジュはタクヤに対し、杖を振った。タクヤ身体は、杖の動きに呼応し、光り輝きだし、HPが回復した。


『タクヤ、HP:89/178』


「っぶは! 生き返ったー! 目の前真っ赤だし、身動きとれねえし大変だったぜー」




『そ の 前 に 言 う コ ト は ?』




ノノとタケヒコはタクヤに迫る。


「す……、スイマセンデシタ……」


タクヤは二人に対して、深々と頭を下げた。




――、


事態が落ち着いたところで、タクヤはセルジュに質問を投げかける。


「ところでセルジュ、さっきのリライブって魔法、いつの間に覚えてたんだ? 前に使ったコトあったっけ?」


「それはねタクヤ♪ 皆がログインしていない間に、一人でレベルアップして、覚えた……」


「おお!! 流石!」


「かも知れないし……」


「え?」


「もう前に覚えていたかもしれないんだ♪」


「はあ!? 何だそりゃ?」


「それは私にも作者にも分からない、誰も調べもしない……」


「……」


「神のみぞ知る……♪」




「……」


「……」


「……」




セルジュのメタ発言に対し、パーティは妙な空気になり、誰もが口を閉ざした。


「でさ♪ 次の攻略だけど!」


「あ、ああ。そうだな」


「あ、ああ」


「は、ハイ」


「“最後の試練”――、コレは今まで攻略してきた、8つのマップを順に回っていくんだ♪ オープンワールド的な仕様は、前回までだったね」


「ってコトは、もちろん攻略する順番決まってるんだよな?」


「その通り! 『草原』から、攻略開始になるよ♪」




「草原か……。何だか懐かしいな」


「ですね」




タケヒコとノノは、これまでの旅路を思い起こし、しんみりとした気持ちになっていた。




(回想)


「てかノノ、レベル低過ぎじゃね? 大丈夫かよ。それでよくこのゲーム過去に8割9割クリアしたな」


「ガーン」


タクヤの心無い一言は、ノノに突き刺さった。左膝をついた後、フルフルと震えるノノ。と、不意に口を開いた。


「るっさい!! 攻撃魔法系の魔法使いは! 大器晩成型なんですよ!! 今に見てなさい、フンだ」


(回想終了)




「ッは!!」




ノノは我に返る。




(回想)


「さぁて、薬草係! 仕事しろよ!?」


「うう……悔しいが何も言えない……」


『アイテム――、薬草。タケヒコはノノに、薬草を使った』


(回想終了)




「ッは!?」




タケヒコも我に返る。そして二人はほぼ同じタイミングで思うのだった。




『思い起こせば、敵よりもこの男(リーダー)に苦しめられてきた気がする……』




「それじゃあ行こうぜ?」




「……」


「……」




「どーした、お前ら?」


タクヤの問い掛けにも、いまいちリアクションが悪いノノにタケヒコ。タクヤは二人の心境など、1mも理解していない様子だった。タクヤは首を傾げる。


「んー?」


「まあまあ、とりあえず、『草原』行こうよ♪ ねえ皆!」


「セルジュがそう言うなら」


「そうですね……」


「(なんかまたセルジュに仕切られている様でアレだが……)よし! 草原、行くぞ!」


『応!!』



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